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家族を支える最後の1ピースとしてのまばゆい輝き~スターリング・K・ブラウン

ACTORS PROFILE Vol. 35

スターリング・K・ブラウン
「アメリカン・フィクション」


長後の都知事が選ぶ代表作
「WAVES/ウェイブス」

1976年アメリカ生まれ。家族を支える最後の1ピースとしてのまばゆい輝き。

 クリフは妻の不倫をきっかけに離婚し、ハメを外した生活を送っていた。そんな時にきょうだいの不幸により、疎遠だった作家の兄弟と再会する。

 ▲ブラウンは作品で家族の一員としての役割を果たすことが多い。彼がブレイクしたテレビシリーズ「アメリカン・クライム・ストーリー」は除くとして、それに続く大ヒットテレビシリーズ「THIS IS US」や映画「WAVES/ウェイブス」「ブラックパンサー」等々、常に誰かの父であり、誰かの夫であり、誰かの息子であり、誰かの兄弟であるという役割を果たしてきた。家族を描く作品に必要されているということだろう。ブラウンは家族の役割の中で、社会的あるいは個人的な苦しみを見せることに長けている。そしてこれらの作品は、家族を描く物語だけにアンサンブル色の強いものばかりだが、しっかりと存在感を残すことができる。

「THIS IS US」より。

「THIS IS US」なんてその見本のようだ。白人一家の養子として愛されて育てられ、今や愛しき娘たちを育てているランダルを演じた。父としての顔。夫としての顔。息子としての顔。きょうだいとしての顔。そして何よりも繊細な本人としての顔を溢れる感情で演じた。完璧な父を目指してプレッシャーで壊れそうになる姿は涙なくしては見られないパフォーマンスだ。「WAVES」では息子と娘を持つ父親として、特に息子に期待をかけている厳しい父を演じた。物語が取り返しのつかない悲劇を迎えると、子どもたちに対する自らの接し方を後悔する。娘との湖畔での対話は胸打たれるものだ。

 ▲「アメリカン・フィクション」は社会風刺の強いコメディ作品だが、同時に家族の物語でもあるそうだ。ブラウンはジェフリー・ライト演じる作家モンクの兄弟クリフとして、爆笑をさらっているという。陽気な男だが、心の中はトラブルだらけ。離婚してからは女にドラッグに手を出している始末の役だとか。

 ▲それでも家族が困難に陥った時は、支えるために手を差し伸べる。優しさと、いざという時の信頼感。やはりブラウンが家族にいなければ、その肖像は物足りなくなる。


スターリング・K・ブラウンの関連動画

・アカデミー協会でのインタビュー

・「アメリカン・フィクション」のキャスト達の談話


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