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おせっかい

トットちゃんこと黒柳徹子さん90歳が、いまの時代に必要なことは何か?と聞かれ「やっぱり人に親切にすること。困った人がいたら手を貸すとかちょっと声をかけるとか、そういうことが、もっとあってもいいのじゃないかなって思いますね」と返答。

もっとももっともとおせっかい者の私は、夕刊のトットちゃんの記事を読みながらひとりうなずく。
散歩中に出会う小さなお花や木々の葉っぱにもまして、人への声がには心がけてきた。

過日、公園のブランコにひとりうかぬ顔の少女を見かけ「大丈夫?」と声をかけた。「大丈夫です」と声が返ってきて、ホッとしたこともある。

また小学生高学年とおぼしき男子の対決に仲裁に入ったことも。
とっくみ合いになりそうな瞬間、「どうしたの?」周りにお仲間がいるのにやめられないのだ。でも私が入ると彼らは急に仲間意識か学校へでも通報されると思ったかガードする。寒い夕方だったので「おばさんの家で話し合いましょう」と誘った。対決者2人は退散したが取り巻きだった二人は我が家でホットミルクで温まってもらった。

別の日に公園の中央で、みるからに弱い者いじめ。
大柄な男子が小柄な同級生らしき子をののしっていた。
小柄な子は泣きじゃくっている。この時も五、六人お仲間がいたが手も口も出さない。「弱い者イジメはダメよ」とまたも割り込んだ私。大柄男子はバツ悪そうに自転車で帰って行った。私のおせっかいが入らなかったらどうなっていたかわからない。もう彼らは成人になっていると思う。

子供の頃のけんかはいい。意見の対立だもの。明るいところで堂々とすれば。陰湿なのは絶対に許されないが、いろいろ体験しながら強くなり成長するものだと私は思っている。

先日、孫が春休みだと遊びに来た。
孫も男の子十八歳。寮生活から一人暮らしになるという。学業、身の回りと大変で楽しい(?)生活が待っている。

我が家では食事作り、ストーブの掃除などお助けけいただいた。
そして昼食にと街へ出かけた折、私たちがエスカレーターで登ったところに大きな荷物を持った老婦人が階段を降りようとされていた。
重い物を持っての階段は大変なのは充分承知の私。手助けしたいが私では時間がかかる。横にいた孫に即「手伝ってあげて」とお願い発信。
若いわかい孫はあっという間にかの老婦人のもとに、そして階段の下まで無事運び終えた。

またすぐにニコニコしながら「何度もありがとうと言われた」と嬉しそうに私へ報告。彼の笑顔とスピーディーでさわやか態度に私の心まで温かく嬉しくなった。

若いっていいな。彼の若さがまぶしかった。
おせっかいのお手伝いもいただいた彼との三日間は、またたく間に終わりました。

                            如月 晦

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