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焦りと眠り【エッセイのようなもの】

朝、眠りから覚めるとき、覚醒するまでにタイムラグが生じて、意識が細長いトンネルを全速力で駆け抜けていると錯覚する時が稀にある。それは、不思議と不快に感じない。起きた瞬間は、不快どころか、すこし気持ちの良さまである。

一方で、汗だくになるほど寝起きの悪い瞬間もあったりする。まるで高層ビルの屋上から突き落とされたようで、体に重力を感じ、地上に背中を引っ張られ、空中だから何もしがみつくものがなくて手足をむやみやたらと振り回す。あ!地面とぶつかる!その瞬間に目を覚ます。背中から布団の柔らかさ、掌から敷布団の毛並みを感じる。ああ、生きてる。生きた心地を、生を実感するのだ。寝起きとしては最悪のスタートだ、あれほど焦ったのは久しぶりだった気がする。汗で衣類がビショビショだったのでパンツも履き替える羽目になった。


この話を誰かにしようかと思ったが、「夢の話をする奴は面白くない」神話を崩す自信は無いのでエッセイ風にnoteに書いた次第。

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