人事部門にとって、採用プロセスの効率化は重要な課題です。特に日本の人事組織では、従来より「採用数」が大きな評価軸とされてきました。しかし、このアプローチには落とし穴があります。採用フローの課題解決が評価に十分に反映されず、問題を発見し解決に尽力するメンバーが適切に評価されないケースが散見されます。

この問題の根底には、採用にかかる「時間」や「コスト」を評価軸に据えていないことがあります。採用プロセスは、ただ単に多くの人材を確保すること以上に、いかに効率的に、かつ質の高い人材を確保できるかが重要です。この点を見落とすと、採用活動における生産性の低下を招きかねません。

さらに、上司と部下の関係性が人事課題の解決スピードに大きく影響する点も見逃せません。信頼とコミュニケーションが確立された関係では、課題に対する意見交換が活発になり、迅速な問題解決へとつながります。逆に、そのような関係性が築けていない場合、課題の発見から解決までの時間が長引きがちです。

今後、日本の人事組織は、採用の単価を抑えることにも注目し、より生産性の高い採用活動を目指すべきです。これには、採用プロセスの各段階でのコストや時間を明確にし、それを効率化するための取り組みが不可欠です。また、上司と部下間の良好な関係性を築くことで、より迅速で効果的な課題解決が可能となります。

総じて、採用数だけではなく、採用の質やプロセスの効率性を重視すること、そして上司と部下の健全な関係性の構築が、人事組織の課題解決と効率化への鍵と言えるでしょう。