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INTJ  わたしの「怒り」と「抑圧」

朝夕がようやっと冷んやりしてきて私の好きな短い秋の季節を感じる今日この頃。一年のなかで晩秋から初冬への移り変わりがもっとも好きです。   

ところで、前回トンカツに関する記事を挙げたところ、自称INTJ様よりコメントをいただき、怒りの表出は私にとって難易度が高いといった趣旨を返信に記しました。            

書いたあとで、これまで怒りという感情をあまり考えたことも無かったことに気が付きました。今回は、INTJを自認する私にとって、怒りとはどのようなモノであるのか、そのあたりをざっくり考察しようと思います。


■INTJと怒り 4つのあれこれ  

まず手始めに、ネットで「INTJ 怒り」と検索をしました。怒りに関する記事はたくさん有り、INTJは些細なことで怒りを露わにするという記事もあれば、INTJは怒るときも理路整然としている等、バラエティに富んだ記述がありました。シチュエーションによって怒り方は様々のようですが、INTJの怒りの表出に関する一例にあるネットの記述を一部引用します。                               

【MBTI別】我を失い、怒り狂うとき【NJタイプ編】
INTJはどちらかといえば神経質なパーソナリティーで、怒ることは珍しくはありません。周囲に対して批判的な態度を取ったり、悪意ある嫌味や皮肉の数が増えたり、人間関係を全て拒絶したり等、INTJがこのような行動をとることは少なくありません。が、これらの行動は実は「それほど怒っていない」からこそ現れるものでもあります。ーそんな神経質なINTJがいざ「我を忘れるほど怒り狂った」時、皮肉屋で留まっていたころの彼らが懐かしく思えるほどの壮絶な大変貌を遂げるでしょう。                  
中略                                    
‥‥とはいえ、このような「真なる怒り」のステージにINTJが進むことは滅多にありません。せいぜいINTJの人生の中で一度か二度程度、または一度も起こらない可能性があります。

今すぐ使える心理学 より

つまり、INTJは、怒りを皮肉や嫌味で表現することはあるけれど、「怒髪天を衝く」と形容されるような激しい怒り方をすることはまず有りませんということのようです。                           

確かに私も正論をかざし皮肉っぽい言い回しをすることが有ります。そうか、あれは怒りの表れだったのですね。私の場合、基本的に思い通りにいかないときにはその原因や状況を第一に考えるので、自分のなかで怒りを認識することは少ないです。                         

■ひとつめ 怒りはハイカロリーである

しかも、私にとり、怒りはハイカロリーです。INTJは「超内向型」なので、感情を昂らせ怒ること自体エネルギーを大量に要します。それでも、自分のなかに怒りを収めておく分には消耗は大したことは有りません。ところが、他者にその怒りを伝えるとなれば、それを自分の中から産生し、猛然と相手にエネルギーを注がなければなりません。当然、心拍や呼吸は速まるし、声を荒げ、語気を強めなければ、その怒りはホンモノっぽくならないし相手にも伝わりません。Se劣等も手伝って怒りを怒りっぽく表すことが苦手です。まるで怒りをトレースしている感じです。そんな自分を「ぎこちなくてカッコ悪いだろ。」とメタ認知し気持ちがしらけてしまいます。

また、私は、自身のエネルギーを自分が好むものに対し有効に使いたい気持ちが強いです。それは、多分、思索や構想、イメージから妄想の類まで、いわゆるNi的なものといって構いません。そのため、心の内を常に清涼に掃き清めておきたいという心理が働いており、他人の好ましくない振る舞いで不用意に影響を受けたくないのです。これは自分自身においても同様で、自らが発するネガティブな感情によって内面をむやみに掻き乱すことを極力避けたい。従って、自身が怒りの感情の波に呑み込まれぬようニュートラルを保とうとするため、外面的には怒りをストレートに表しません。 

■ふたつめ 怒りと期待は表裏一体

ふたつめに、人に期待することが少ないので怒りの感情そのものが湧きづらいです。INTJは独立性の高いタイプだと言われています。「人は人、自分は自分」と他者と自身を切り分ける傾向がとても強いです。NiとTeの組み合わせによるものと推測しますが、自我と他者(外界)の線引きがはっきりしており、子供時代の早い段階で、親と自分は別人格であることや友人といえど同じ世界観の中にいるわけではないことを悟った方も多いと予想します。それ故、誰もが経験する小さな「他者からの裏切り行為」を表出せぬまま、失望と諦観を内面に隠匿しているように思います。

私の一例で言えば、年少さんの頃、友達と遊ぶ約束をしたけどいくら待ってもその子は現れず、いたく失望する出来事がありました。(自意識過剰な私は屈辱と捉え誰にも話さなかった)これら小さな失望たちをひと括りにし「世の中とは自分の思い通りに行かないものであり、人を当てにしてはいけないのだ。」と極端に振り切ってしまうのです。(この極端な思い込みや態度もまたNiによるもの)

これらの振る舞いは、実のところ、期待通りの結果を得られず自分が傷つくことを回避したく、あえて他者に期待しないことで自己防衛していると言えます。そして、その反転として、実効支配可能なものにおいては思い通りにコントロールせずにはいられないという傲慢な思想が強化されます…。そうゆうわけで、私の怒りの感情は沸点に上り詰める前に、相手に対する諦めや軽蔑、思うようにならぬ状況への不毛感へと変容してしまうのです。       

■みっつめ 怒りにおける可能性の余地

みっつめに、相手やその状況に対する可能性を色々と考えてしまうため、怒りの感情が雲散霧消、気が付けば消えて無くなっていることがよくあります。これもまた、一種のNiの暴走ですが、怒りの原因にも何等かの理由や背景があるのではないかと勘ぐってしまうのです。そうこうするうちに、「まあ、そんなこともあるかもね。」と怒りがトーンダウンしてきます。要は怒りの自己完結、怒りの他者不在です。でも、これって本当はあまり健全ではない気がします。具体例として、先日、こうゆうことが有りました。

コンビニの駐車場に車を停めると一台の黒のミニバンがすごいスピードで駐車場に入ってきて、私の車のスレスレで勢いよくハンドルを切り返し、私の車の前を塞いだかと思うと隣りの駐車スペースにピタッと横づけしてきました。「なに、この車。駐車場でこんなスピード出して。ふつう徐行するもんでしょ。」車が接触するかと驚いた私は内心でつぶやきました。そして、隣の車の後部ドアが開くと若い女性が降りて店内へ入ってゆきました。運転手の男性は女性を店まで送って来たようで、黒のミニバンは再び急発進で駐車場を後にしました。                                 

私は瞬時に二人の関係性を想像します。なるほど、彼氏は彼女に運転が上手いところを見せつけたくてあんな車の停め方をしたのだな。でも、あのようなアピール方法では全くの逆効果でしょ。だって彼女の雰囲気はおとなしめだから「なに、この人?」ってきっとドン引きしているはず。彼氏は「どや」って感じだけど、ホントは自己肯定感低めな男性なのかも。その裏返しで彼女の前では虚勢を張ってカッコつけているのではないかしら…。とまあ、黒いミニバンの危険な駐車のひとコマからこんな風に勝手にプロファイリングを始めるのです。自分がヒヤッとした当の事実は途端に過去の出来事となり、怒りの感情は早くも忘れ去られています。    

■よっつめ 怒りを引きずっていられない

よっつめ、過去を振り返らない性質なので、怒りの感情が再燃しません。INTJは未来志向だと言われます。というよりも、未来にいつも気がとられています。なので、過去に受けた屈辱や裏切りは出来事として憶えてはいますが、感情的にずっと執着することなく、過ぎたこととして割り切れている感じです。いつまでも怒りを引きずると、限られた自分の資源(Ni)を予期不安の対策に充てられず、未来に備えることが出来ません。これは、INTJというよりNi主機能者にとり致命的な事態です。

私にとっては、過ぎ去ったことは確定事項なのでかまうだけエネルギーの無駄です。よって、自分にとってマイナスにしかならない相手、出来事に対しては、疎遠な関係に持ち込んだり、その場から距離を置いて関係を断ち切るなどして自分なりの決着をつけたり、過去をバシバシ清算してゆきます。なので同窓会も出ません。未来に資源を充てるためシンプルに絞り込みたい。              

■INTJと怒りの抑圧 

INTJは怒りを表さないと言いますが、こうしてまとめてみると、過去のことはスッキリしていると言いながら、怒りや敵意は無意識に抑圧されている気がしてきました。怒りの表出が苦手なのも、別の感情や直観、思考に置き換えることも、無意識の抑圧の結果や転化かもしれません。ひとりの時間を過剰に要すことも、他者との関わりを最低限に控えているのも怒りや敵意を抑圧しているからに他なりません。周囲の人が私のことを「とっつきにくい人」だと受け取るのも、私のなかに消化しきれない怒りが多分、心の奥底に沈んでいるせいですし、そもそも、怒りについて考えないこと自体が顕著な抑圧の表れでありました。考察し始めたら何とも身も蓋もない結論になってしまいましたが、往々にして私はそうゆう人間(怒りや敵意の源に関しては、以前の記事「INTJ Se劣等と不器用に関する考察」等を参照ください)なのでこれはもう一種の開き直り、受け入れるほか仕方ありません。

INTJと大きく括ってしまいましたが、怒りは主観的、個人的な心の有り様なので、まとめた内容も私個人の事柄であり多くのINTJさんに該当するわけではおそらく無いです。あと、怒りの抑圧の仕方においてINTJの心理機能を用いてることは、なかなか新鮮な発見で大変興味深いと感じました。

以上、長文、駄文のところ、お目通しをいただき有難うございました。

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