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二世帯住宅を考える 第1回

2世帯住宅を考える・・・・第1回

 設計の仕事をしていると様々なバックグランドを持つお客様と接します。それは当然ですが、その中でも 2世帯住宅の設計依頼に際しては時に微妙な空気感があります。親世帯の本音 と 子世帯の本音 が必ずしも同じではないからなんです。・・・・なんとなくはお分かり頂けるでしょ?
 例えば、親世帯は子供も孫も一緒にご飯を食べリビングでくつろぎたい、という本音(サザエさん一家のような生活様式)があったとしても、必ずしも子世帯が同じ考えかどうかは判らないと言うことなんです。つまり子世帯は 完全分離方の2世帯住宅(2戸入りマンションのような形態)を望むかもしれないんですよね~。
※ただし、傾向としては完全分離型を希望する傾向を感じます
 そこで【 2世帯住宅 】を希望する方々のためにいくつかのアドバイスを示すことにします。

二世帯住宅で失敗しないための13の秘訣

1・ 上下階の 生活音 の伝わりをできるだけ消すべし!
 
県外でドクターをしている友人から電話がありました。・・・・10年ほど前の話です。
新築の際にも相談をしてくれてはいたのですが、県外の事ですし、具体的な設計や施工にはかかわってはいません。ただし、彼の 状況 を聞いた上での私の意見・アドバイスを聞いてくれてマンションは やめた そうです。

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・・・・10年ほど前の話です。
彼 『 2階の音が1階に伝わらんようにできんやろうか? 』
私 『 どうしたん? 』
     言いにくそうに
彼 『 実は・・・・ 』と、つい先日の出来事を話してくれました。

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設計サイドとしてはとても大事なことなのですが、普段はなかなか声に出して説明してもいないのが、私も含めた業界の実態だと思います。
(理解をしていない設計者の方が多い・・・・かも)
以下は すごくまじめ な話ですので誤解のなきように・・・・。

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彼の話をかいつまんで説明いたします。
新築なった彼の新居に、奥さんのご両親をご招待した時の事です。
楽しい団欒の後・・・・さてそろそろ寝ましょうか。

そして・・・・・・・・・・・翌朝。
奥さんがお母さん(実母)に呼ばれて、小さく耳打ちをされたそうです。
『 この家は 2階の声がよく聞こえるから気を付けなさい。 』
・・・・・・・・・・・そのような話を知らない彼は、ご両親が帰られるまで普通に接し、普通にご両親を見送った後・・・・その話を聞いて・・・・何となく気まずく・・・・、というような事があったそうなのです。

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勿論私にはどうしようもありませんでしたが、いくつかの策を提案しました。
1・設計者もしくは施工者に、『2階を歩く足音が気になるのだけれども何とかならないだろうか。』という相談をする。
2・床にカーペットを敷くようにし、カーテンは厚手にする。
3・衣類などもなるべく室内に出し、吸音性の高いものを置くように
  心がける。
4・個体伝播音(口を閉じて歯をカチカチさせると、耳ではなく骨から
  直接脳に振動が 波動(縦波) として伝わるような現象)をさえぎる 
  ために、家具の下にもカーペット等を敷き 波動を遮断させる。
そして、
5・軽量建物では特殊な事をしなければ、音に関してはそのようなものだと 
  認識する。
と言うような内容を伝えました。

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 通常の建物では 遮音 してしまう事は困難ではあるのですが、有効な方法として 軽量建築物ではなく重量建築物を選択するという手段があります。
 ※ 軽量建築物としては 木造(W造)や鉄骨造(S造)がありますし、重量建築物としては鉄筋コンクリート造(RC造)などがあります。

ところが、軽量建築物には 遮音に対して、 かなり 低いレベルで 限界 があります。2階を歩くスリッパの音が響く事をイメージしていただければ明確なはずです。【 普通 】がそうなのですから気にすることもないのかもしれませんが。

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2世帯住宅って奥が深いですよ~っ! だって、親子とはいえ別世帯が同じ建物の中に同居するわけですからね。プランの作成も大事ですし、根本的に構造も大切です。設計を依頼する際には、その設計士さんがどの程度2世帯住宅に関する造詣を持っているかをキチンと確認しておくことをお勧めいたします。
 第2回目以降もお楽しみに!


電子書籍です。試し読みもできますよ。


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