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高校選びのはなし

一昨年のことである。何を間違えたのか、血迷ったのか、私は偏差値42の高校に入学した。その学校は総合学科という、進学ではなく就職を前提とした学習を行う学科のみが単独として設置されており、通う生徒はもれなく7割方就職を希望するような学校である。

私は入学して一週間も経たないうちに、後悔した。

中学時代、私は頭が悪いと思っていた。実際の全国模試の偏差値は50台、県模試では恐らく60ぐらいはあったと考える。今考えると低くない偏差値だが、当時の私は、頭が悪いと思い込んでいた。どうしてもそれ以上成績が伸びなかったからだ。

中3の夏頃になって、今の高校に興味を持ち始めた。私は元々動物が好きで、その高校に馬術部という部活があった点と、当時は私なんかが大学に行けるわけがないという諦めの気持ちがあり、高卒で就職しようと考えていた点があったからだ。オープンスクールでは、国公立を始めとした大学への進学も可能である上に就職もできる。と先生の言葉をまるまる鵜呑みにし、今の高校に進学を決めた。実力テストでその高校を記入して順位を見ると、80人中1位とあり、言葉は悪いが、私如きが1位を取れる程レベルが低いのだなと楽観的に考えていた。

入試は酷く簡単であった。800字の作文と面接のみであった。作文は「中学で頑張ったことを経験に高校で頑張りたいこと」で、面接はオーソドックスに志願理由と好きなことなどだったが、御校を一文字で表すと?などという大喜利じみた質問もあった。

結果は順当に合格。入学後のテストも1位だったらしい。

そして冒頭に続き、
入学して一週間でこの高校に進学したことを酷く後悔した。

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