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1990年3月17日(土)

【煉瓦亭:多田隈 五月・佐々木 雫・江村 香奈恵】
「へー、結構たくさんいたんだね」
 目の前のチョコレートパフェからクリームをすくいながら多田隈 五月がこう口にした。13時を過ぎて落ち着いた雰囲気が漂う『煉瓦亭』。多田隈と佐々木 雫、江村 香奈恵は昼食のランチセットを食べた後、各々パフェを注文し、午後ののんびりした時間を過ごしている。教育学部の同じクラスである3人は休みの日には一緒に過ごすことが多い。今回佐々木と江村が冒険者2期生の試験を受けたので、今日はその話題で持ちきりとなっている。
「2名来なかった人がいたみたいだけど、結局昨日95人いたみたい」
「1次合格者が60人だから昨日のよくわからない適正試験と身体検査で35人が落とされるってことになっちゃう」
 佐々木と江村がパフェを食べながらこのように話すのを聞いて、多田隈は1期で応募してよかったとつくづく思うのであった。

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