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第73話 ニコ生<藤かんなチャンネル>〜美乃すずめ、つばさ舞の家族へのAVバレ〜

 2023年12月16日に行われたニコニコ生配信「藤かんなチャンネル」。2ヶ月限定で始めたこの生配信も、今回が最終回だ。
 ゲストは【美乃すずめさん】と【つばさ舞さん】。”家族へのAVバレ”というテーマについて赤裸々に話した、生配信の後半部分をここに書き残しておく。
(以下、美乃すずめ:「美」、つばさ舞:「舞」、藤かんな:「藤」と表記)

本日のゲスト、つばさ舞さん×美乃すずめさん

美乃すずめ「お母さん産んでくれてありがとう」

藤:今年11月、渋谷で行われたエイトウーマン写真展に、すずめさんと舞ちゃんは弟さんが来たよね。それを見て「2人は弟にAV女優をやってるって言ったんや」と思ってん。AVのことをどんな状況で打ち明けたのか、その時どんな気持ちだったのかを聞かせてほしい。
 すずめさんは弟さんにどういうふうに打ち明けた?

美:弟には私のAVデビューが決まった時に「AV女優になるで」って隠さず言ったかな。その時、母と弟と3人で旅行に行ったんよ。私が東京に住むことになったから、その前にみんなで旅行に行くことになって。

藤:弟さんに言う時ってどんな気持ちだった?

美:緊張はなくて結構サラッと言った。普段から何でも言える関係やったから。当時弟はコンビニでバイトして、週刊ポストとかも店に並べるねん。だから、私が雑誌にグラビア載るたびに「雑誌買ってな」って言ってた。なんなら「友達にも紹介しといてやー」ぐらいの感じで言ってたかな。

藤:なんで弟さんに言おうと思ったん?

美:隠しごとをしたくなかったからかな。弟とは仲良かったから。私が実家出ても友達感覚でずっとLINEのやり取りしてたし、家に遊びに来るのもしょっちゅうやったし。

藤:弟さんに言って、どんな反応やった?
 
美:「すごいなー、ええやん。かっこええやん。やっぱりそっちの道で活躍すると思ってたわ」って。弟の周りの女の子の友達が「お姉ちゃんモデルさん? かわいい」とか「お姉ちゃんと写真撮りたい」って言ってくれてたらしくて。だからそう言ってくれたんかな。

藤:弟さんにそう言われるのは嬉しかった?

美:うん。私の中でも唯一何でも話せる理解者、というか、気を使わずに話せる相手やから。そんな弟のために何かしてあげたいから、そのためには自分は隠したらあかんよねって気持ちがあったな。

藤:お母さんは今、AVのことを知ってる?
 
美:今は知ってる。でもお母さんに言うのは一番悩んだ。東京引っ越して、コロナが始まってん。2年ぐらい会えない時期が続いて、その間ずっと悩んだ。お母さんに伝えたいなぁ、でもAVっていうのはどう思うんかなって。
 それで今年のお正月。その時ちょうど写真集を2冊出させてもらったから、これを母にプレゼントしようと思って、会いに行った。お母さんに「産んでくれてありがとうと、あなたが産んでくれたから、私はこんなに綺麗な体と綺麗な顔で、今、こうして仕事してご飯を食べていくことができてます」って言って、写真集を渡した。
 お母さんはヌードの写真は見れなかったみたいで「ごめん、やっぱり裸は見られへんわ」って言った。でも「頑張ってんねんな」って言ってくれたよ。
 その時にお母さんが可愛かったのが「あれ、あんた美乃すずめっていうの? 本名でやってると思って、何回も探してたんやで。見つけられへんかったわけやな」って言われたこと。

藤:お母さんにいざ言うってなったら、口から心臓出そうになるんちゃうかなと思うんやけど、どんな気持ちやった?

美:そこまでの緊張はなかったかな。どう伝えたら一番受け入れてくれるんかなって、1年以上考えてたから。自分が母親の立場やったら、娘が裸で仕事してるのは嫌やと思うし、でも私は感謝の気持ちを伝えたかったし。
 母は何となく仕事のことを察してたと思うのね。連絡のやり取りも少しよそよそしかってん。家族やのにそんなん嫌やと思ったから、写真集で感謝の気持ちを伝えることにした。
 ただ今思うと、無理に伝えなくてもよかったかなとも思うねん。結局、自分のエゴ。自分を見てほしかっただけなのかも。だって親子の関係なんてさ、そう簡単に切れるもんじゃないやん。
 やっぱりこの仕事はまだまだ偏見を持たれるやん。それを一番愛してる母親に伝えるべきではなかったかもしれないなと思ったりもする。正解はわからへん。
 ただ後悔はないよ。「産んでくれてありがとう」を伝えられたのは良かった。

産んでくれた感謝を伝えた美乃すずめさん

つばさ舞「弟とはこれからも一緒にいるから」

藤:舞ちゃんはテレビ上で弟さんに伝えたやんね?

舞:そう。「イワクラと吉住の番組」で言った。弟に「彼氏ができた。東京の人やから、東京に来て会ってほしい」って嘘ついてん。それで隠しカメラとかがある個室に弟を連れてきて、当時私が出したファースト写真集とセカンド写真集を見せてながら「AV女優してます」って言った。
 弟は写真集を少しめくったけど、すぐ閉じてた。「姉ちゃんの裸なんて見られへん」って。それで「姉ちゃん、何やってんの?」って言われた。
 私、あの時の顔、忘れられへん。すごく嫌そうな顔やった。うちの家庭はすごく厳しくて、キャバクラとかの夜の仕事はダメだったし、夜に出歩くのもダメだった。母親は、危険なことには関わらず、何も怖いもの見ずに、静かに生きてほしいって考えの人で、だから弟も「姉ちゃん、何してんの?」って言ったんやと思う。

藤:そんな弟さんに言うのはどんな気持ちやった?

舞:前日まではすごい強気やってん。どうせ弟は私が言うことを受け止めなあかんやろ、みたいな。
 でも直前になると、私が言うことによって彼の人生狂ってしまうんじゃないかとか、彼の周り彼を変な目で見るんじゃないかとか、すごく考えちゃった。私だけの人生じゃないよなって、すごい葛藤があって苦しかった。
 両親はきっと先に死んでしまうけど、弟はこれからも長く一緒にいるだろうし、だからこそ知っておいてほしかってんな。

藤:弟さんに「何やってんの?」って言われて、どんな気持ちやった?

舞:本当は言いたくなかったけど「ごめんね」って謝っちゃった。私はこの仕事にプライド持ってるし、頑張ってる。謝るのはおかしいって分かってたんやけど、弟のあの顔をみたら「ごめんね」しか出てこなかった。

藤:それでも今年の写真展には来てくれたんやんね。どうやって歩み寄れたん?
 
舞:はじめは写真展には来ないって言っててん。「俺はどんな顔していけばいいねん」って。弟とは仲良くて、ご飯もよく一緒に行くけど、仕事の話したら一気に表情が変わるの。
 でもずーっと写真展に来てほしいって言い続けてたら来てくれた。私がしつこかったからかもしれへん(笑)。

藤:やっぱりお姉ちゃんのことは好きなんやろね。写真展見た後、なんて言ってた?

舞:めっちゃ上から目線やったけど「なんか姉ちゃんかっこいいやん」とか「きれいに撮ってもらってるな」とか言ってくれた(笑)。

美:私の弟も上から目線やった。「ファンと接してる姉ちゃん見て、いつも居酒屋でおっちゃんと喋ってる姉ちゃんと変わらなかったから安心した」って(笑)。

藤:でも最終的には「姉ちゃんの働いてるとこ見れて良かった、かっこよかった」って言ってたよね。舞ちゃんはまだ両親にはバレてないけど、いつか言いたい? それとも隠しておきたい?

舞:正直、墓場まで持っていこうと思ってる。言う勇気はない。お父さんは今、普通にサラリーマンやってて、自分の後輩とか上司が私の作品を見てるって知ったら、どんな顔して会社行くんやろうと思うと言えない。

弟には知っていてほしかったつばさ舞さん

AV女優だと正直に言えない葛藤

藤:でもさ、AV女優だってことを堂々と言えない自分も、ちょっと情けないなって思うよね。

美:そうやねん! つまり自分がこの仕事をバカにしてるというか、結局は恥ずかしい仕事って思ってるんやって思う。

藤:2人は普段、仕事のこと聞かれたら何て答えてる? 例えば私は、「フリーランスです」って答えるねん。でもさらに聞かれる時があって「タレントっぽいことしてます」って濁すんやけど、本当のことが言えない自分がいつも情けない。美容院に行った時とか聞かれるやん。

美:そうやんね。美容院では絶対喋りかけてくるなオーラを出してる。わざと忙しく携帯見たりして。それでも踏み込んでくる人に対しては「芸能関係です」か「専業主婦です」って言ってる。仕事をバカにしてるわけじゃないけど、ここは嘘を突き通した方が楽やなって思う。
 関西の友達が遊び来たとき、AVのこと聞かれてん。「やっぱり男優さんって気持ちいいんやろ」とか「プロとセックスできて充実してるよね」とか。正直ムカついた。こっちは仕事としてやってるわけやん。

藤:舞ちゃんは仕事のことをどう伝えてる?

舞:私はとぼけてる。「あれ? 私、何やってんねやろ」って。やっぱりAV女優してますって言ったら、さっきすずめさんが言ったみたいに、勘違いする人いる。「男優とのセックスって気持ちいいんすか?」とか聞かれたら、バカにされてるみたいでムカついちゃうもん。

美:とぼけるって舞ちゃんらしいね(笑)。

本気でやってる仕事を言えない複雑な気持ち

藤かんな「本当は親には伝えたい」

美:かんなちゃんは今後、家族に言う予定はある?

藤:いや、ない。でも本当は言いたい。AV女優になったから経験できた世界がいっぱいあるから。それこそ、百田尚樹さんのニコ生出たとか、エイトウーマン写真展でいろんな人が来て、いろんなドラマがあったこととかを聞いてほしい。
 でもそれを伝えるにはAV女優であることを言わないといけない。そしたら、両親をすごく傷つけてしまうと思う。
 できるなら知らないまま死んでほしいけど、今の私を知って「むっちゃ面白いやん。人生楽しんでるな」って言ってほしい。やっぱり親に認められたい気持ちはあるな。
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 約1時間半の生配信は、深刻な話をしつつも賑やかに終わった。似た境遇の仲間と話せることが楽しく、彼女たちと会えて良かったなと思った。すずめさんの言った「親子の関係なんてさ、そう簡単に切れるもんじゃないやん」という言葉はグッと心に残った。

 いつか私も家族にバレるかもしれない。その時はまた2人に集まってもらって、緊急生配信をさせてもらおう。すずめさん、舞ちゃん、ありがとう。これからもよろしく。頑張ってこな!

すずめさん、舞ちゃんありがとう! いい思い出

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