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冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた(アニメ版)一話への違和感


【アンジェリンの憂鬱】


さて。
一話冒頭は漫画版と小説版では違う。

原作に準じた冒頭

漫画版では熊の魔獣に襲われた村人を主人公ベルグリフ(愛称・ベル)が救い、小説版では漫画版二話に移行したベルが赤子を拾い、その子が旅立つまでの話。

アニメ版では小説版に準じた。
闇より現れた獣に右脚膝下まで噛み付かれる悪夢で飛び起きるベル。
彼の右脚は膝下からない。
八年前に喰いちぎられたと独白後、薬草採りに森へと向かう。
そこで彼は赤子を拾う。魔除けの薬草が敷き詰められた籠に入れられた。
時は流れ。夕暮れに少女と木剣で打ち合うベルの姿。
好機と睨んだ少女の踏込みはあっさりかわされ、頭を叩かれる少女。
(かわしたり、叩かれるシーンはなし)
アンジェリン(愛称・アンジェ)は翌日冒険者になる為に都へ行くという。
一抹の淋しさも感じながら、ベルは厳しく教え、彼女を送り出した。


ワイバーン撃破!

更に五年後。
炎すら吐くワイバーンに立ち向かう三人の少女がいた。
矢と魔法で牽制し、屋根から飛び上がった少女が一刀両断!
見事討伐した。
……は、いいんだけど、一体どこを両断したの?
原作では両方とも首をはねたけど、堕ちたワイバーンに目立った傷はなく……
弓使いはアネッサ(愛称・アーネ)魔法使いはミリアム(愛称・ミリィ)そして剣士は成長したアンジェだった。
ワイバーン討伐したら帰郷すると宣言して本拠地へ戻るアンジェ。
ところで、本拠地兼都のオルフェンから、ワイバーンが出没したガルダの町(アニメ版では名前出ず)の距離は馬で三日かかるそうで……そんな距離感描写が一切割愛されているから、視聴者に世界の広さが理解されていないような気がしてならない。
嬉々と帰郷準備するアンジェの部屋をギルドマスター・ライオネルが訪れた。
言いにくそうにギガアントの群れがアステリノスの町を襲撃していると告げる。
(原作ではガルダの町をワイバーン襲撃で、ギガアント襲来を告げたのは平ギルド職員)
討伐依頼を断わるものの、既に死者も出て、壊滅も聞かされると休暇返上するしかなく……鬱憤の籠った雄叫びをギガアントに向けて吼えるアンジェだった。

待ち人来らず…

一方、彼女の帰郷を心待ちにしていたベル。
馬に乗った人影をアンジェと見間違える程。
(よく見れば全く似ていない)
その馬上の人は、アンジェからの手紙を携えていて、急な依頼で帰郷出来なかったと綴られていたらしい。

場面変わって。
巨大カマキリみたいな化物と対峙するアンジェ。
(原作には存在しない)
後ろに回ったと思ったら、両断される。
アーネとミリィはまた休暇をふいにされたと囁く。
《CM》
どう見ても木製のカウンター(原作は大理石で、アンジェ怒りの鉄拳でヒビを入れた)にうず高く積まれた書類の山。
全部アンジェが処理した依頼らしい。
感心する受付嬢と乾いた笑いのライオネル。

憐れな盗賊達

馬車で喜色満面なアンジェと手綱を握る青髪の行商人。
既にオルフェンを出て一週間、残り数日でトルネラに着くという状況。
(殆どの視聴者理解してるかな?)
行商人相手に父親自慢するアンジェ。
(原作ではネタバレしてるが、今は伏せる)
突如、静寂に悲鳴が響き、無人の馬が走り去る。
(原作では矢が飛んで来て、合間に助けを求める少女の叫び)
場面切り替わり。最後の護衛が盗賊に斬り伏せられ、それでも毅然とした態度の少女が追い詰められていた。
そんな光景を見下ろす崖の上で凄むアンジェ。逆光で表情は見えない。
見くびる盗賊達に彼女は切れる。
「お前達のせいで……お父さんに会う時間が削られる……貴様等絶対に許さん!」
男達の悲鳴、一斉に鳥が飛び立つ……
馬車で待ってた行商人の元へ、アンジェが少女の手を引いて戻って来た。
それまでの経緯で、盗賊達は気絶させられて撃退したと思っている視聴者がいるらしいが、甘い。甘過ぎる……

原作では咄嗟に少女を人質にした男の首が宙を舞い、鬼神と化したアンジェが一掃し、少女をお姫様抱っこして戻った直後
「人殺しなんてろくなもんじゃない……」
と呟いていた。
……どうも温血動物から血が出るシーンを極力避けようとする雰囲気が感じられてきた……
少女はボルドー家三女・セレンと名乗った。
領主の娘と驚く行商人、護衛の少なさに疑問を呈するアンジェ。
父が倒れて危篤の連絡を受け、少数軽装で向う途中急襲されたとセレン。
更に馬がないのでここからボルドーまで徒歩で四日(これは二話以降の重要伏線となる)だから間に合わないと淋しく笑う彼女に自分を重ね合わせて引き返す決断をするアンジェ。

森散策

そんなような手紙を受け取ったらしいベル。家の外で子供達が呼ぶ声。
森へ行きたがる子供達を連れて出掛ける。
現代で云う処のボーイスカウト知識教育実習。
年長者ピートに水場の見つけ方を導き、薬草を探させる。
教えたらすぐ憶えていた娘を想い、一瞬怪我しなければ……と想うが、怪我して戻って来なければ彼女に出会えなかったと思い直す。
静寂に異変を感じた直後立ち上がる。
動く樹木が少年をかばうピートに襲いかかろうとしていた。
抜刀一閃。
倒したものの、ベルは川の中に転んでしまった。
(原作では狼の魔獣が少年だけ襲ってた)

ストレス発散

一方、休暇を取れず、魔獣退治に駆り出されるアンジェにアーネはストレス発散を提案する。
誘った先は喫茶店。
スイーツの山を食べながら、休暇を取る計画を語るアンジェ、人が通ると帽子を目深に被り直すミリィ。
(この態度が、結果として四話の伏線となる)
不意に教会孤児院の話題となり、アーネとミリィが孤児院出身と知るアンジェ。
これまで込み入った話をしてこなかったと思ったアンジェ、意を決し、自分も捨て子だったと告げる。
(冒頭で、ベルの友人・ケリーが「あの拾われっ子がね……」と呟いたシーンが割愛されたのは悔やまれる)

筆まめアンジェ

仲間の事を手紙に書くアンジェ、受け取った手紙を読むベル。

手紙を書きながら、受け取った手紙を読みながら、親子は想いを馳せる……

と、いうのが一話内容。
一話で数ヶ月経過してしまった……
一話に四回も戦闘シーン入れないと駄目なのかな?
もう少しゆっくり展開してもよかったな……というのが第一印象。

例え倍速視聴者に理解されなくても、セレン救出話は二話にして欲しかったな……

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