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未来を考える力とやらを身につける方法論03 イベントの未来設計

さて、3回目は私の着想からの発展、アウトプットまでの脳内をできるだけ言語化したいと思う。
みなさんに「デザイン」することがどう言ったことなのか? を少しでも解像度高く提供できれば幸いだ。

顕在しているニーズを整理する

まずは顕在化しているニーズを整理する

5W1H

とまぁ、出発点はこんな感じだ。
秘匿情報もあるので、しっかりとは書けないが、ここで何を言いたいのかというと、こんなことは当たり前に、マネジメントデザインをするのであれば、呼吸をするように考えるものんだ。ということだ。
そのため、あえて馬鹿っぽいフォントを使って表現してみた。

そうして導き出した5W1Hから以下の部分にフォーカスをあててスケジュールとペルソナ立てをする。

  • When

  • Why

  • What

  • How

どんなツールを使って、何を、なぜやるのか? を考えるとペルソナ立てが比較的にしやすい。

今回のケースでいえば、7月中旬の開催に向けて、地域活性化のための企業展示をリアル開催で行う。そのための告知ツールにWEBを選択するという建て付けとなるわけだ。

上記をもとにスケジュールと戦略を粗く練るとこんな感じが想定される

タイムスケジュールの大雑把なデザイン

こうすることでいつまでに何をやるのかが見えてくる。
あとはこれをどれだけ解像度を上げられるかが、イベント実施までの戦略のキーになってくる。
上記に対しての私の詳細設定は以下の通りだ。

6月中旬イベント特設サイトオープン

このミッションでやらなくてはいけないことは、出展企業のリストが閲覧可能となっていることだ。
ここで、議論に上がってくることは「完璧なリスト」であるか否かであると思う。
印刷物の場合は当然刷り直しが効かないが、WEBの場合であれば追加設定は比較的容易である。このことを踏まえれば私としては、完璧でなくても見れる状態であれば良い。という条件設定になるのだが、クライアントは往々にして完璧を求める
日本の問題点がここに凝縮されていて、完全版でのアウトプットでなければ許可しない風潮がある。アジャイル経営という言葉があるが、リリースできる段階でアウトプットしてしまい、適宜最適化していくという考え方がある。WEBでの告知。取り分けイベントなどに関してはこのアジャイルという考え方が好天的に機能する
では、アジャイルさせることのメリットをリストアップしてみよう。

  • リリースが早く行える
    完全版を求めず、50%程度でも良いのでリリースを行う。これによって、今後出展が決まった企業や、変更追加などは逐一「プレスリリース」として扱うことができる。
    このメリットはWEBならではの特性である「更新頻度の優位性」につながる。作って触らないサイトよりも、毎日情報発信するサイトの方が優位性が高いのだ。このことを根本理解できていない人間は意外に多い。

  • トラブルの最小化が図れる
    CMSなどを実装した場合は、どれだけバグチェックを施しても予期しないエラーが出てしまうものだ。最初から出展企業全社が一斉に利用した場合は、トラブルの修正と改善に費やされる時間が莫大なものとなる可能性が高い。
    逆に、少数からのリリースで始めることで、この手のエラーは修正ブラッシュアップが最小限の力で実現できる可能性がある。リスクヘッジの可能性から鑑みてもこの選択肢は妙手と言える。

運営側のリテラシーの向上
少数からのトラブルシューティングを行うことで、運営側のリテラシーの向上につながる。
基本操作の説明に対する経験値を積むことで、出展者の参加人数が増加した際にもトラブルの解決がスムーズに行えると考える。
また、アジャイルしながらプレスリリースを繰り返すことで、アクセス数の変化や閲覧ページのベンチマークが可能となり「ユーザーの傾向」を視覚的に認知できるようになってくる。
このユーザーの傾向の視覚化というワードには、潜在ニーズを探る力を養う種となる要素が含まれている。潜在ニーズに関してはまた別の機会に詳細を書き出そうと思う。

プレスリリースの戦略性

プレスリリースに関しては、コストも嵩むことから「1回に全てをかける」という傾向が多いと思う。これで結果を出せれば万々歳だが、現実はそう上手くはいかない。
プレスリリースはメディアが記事にするか否かによって、その成果が問われるわけなので、例えば予定していた配信日に台風による水害や、ワイドショーを賑わすようなビックネームの逮捕なんてものがあれば、メディアは一斉にそれに飛びつく。メディアがそちらに舵を切れば、当然民衆も先導されてしまい記事の質云々ではなく、そもそも見てもらうことさえ出来ないという状況が生まれてしまう。
そこで、当日のアナウンス、1週間前のアナウンス、1ヶ月前のアナウンスといった感じで、リリースポイントを分散させることも戦略の一つだ。
これも数を熟すことでデータが取れるので、傾向と対策をブラッシュアップすることができる。もっといえばリリースのタイミングが異なるのだからターゲットのペルソナ建てが異なるわけだ。

  • 1ヶ月前のターゲット
    このタイミングでは広くリーチさせて認知を広げることが目的となる。
    開催に対するワクワク感など、1ヶ月後の予定に組み込むメリットを戦略的にプレゼンテーションすることが理想的な戦略と考えられる。

  • 1週間前のターゲット
    1週間前になると、来場するか否かを天秤にかけている人間に来た方が良いと傾けさせるプレゼンテーションが必要となる。例えば講演で著名な人間が登壇することや、今経営者が抱える問題の解決方法があるなど、具体的なイベントの内容のアウトプットが有効と言える。

  • 当日のターゲット
    当日予定を無理やりイベントに向けるための戦略設計となる。
    来場者プレゼントや出展者の詳細情報など、とにかくありとあらゆるイベントの価値を考えて、来場に誘導することが必要だ。
    また、当日のアナウンスがもっともメディアのリアクションが高い。
    そのため、前日のプライムタイムや当日の開場2時間前などにリリースするなど、メディアが取材クルーを用意するための時間も考慮に入れたリリースが必要となる。

とまぁ、プレスリリースのタイミング一つとってもこれだけ戦略的な要素が考えられるわけだが、多くのクライアントは「プレスリリースを出す」ことが目的で、下手をすれば3回ともテンプレート化されたコピペ文章で終わらせることもある。
思考実験を繰り返し、どうしたら集客に、あるいはメディア露出に成功するかを考えなければただの徒労となってしまうことと、真剣に向き合わなくてはならない。

SNS広告

これはもっともターゲティングを限定できる戦略ツールである。
ユーザーの露出を最大化させたいが、ただのユーザーではなく来場する層として適正なユーザーへの露出を最大化することを忘れてはいけない。
企業展示を観覧するユーザーは子連れのファミリー層だろうか?
開催日から1週間でリーチする戦略に、遠方のリーチは必要だろうか?
こんなことを考えれば自ずとペルソナが見えてくる。

今回のイベントでいえば

  • 年収700万以上の中流層から富裕層
    イベントに来て欲しい来場者は経営者もしくは、事業運営責任者などの決裁権を持つ人間であることを考えると、こういった想定が成り立つ。

  • 企業の経営者で、事業改革や新規事業に関心がある
    現在問題解決や、事業再構築、あるいは新規事業を計画している人間を視野に入れると関心の高い来場者を創出できるのではないか。

  • イベント開催30〜最大50km圏内のSNS利用者
    できるだけ近隣の経営者層に何度もリーチさせて、このイベントは広告を出しててきっとすごいイベントなんだ。と、錯覚させるような戦略をとることも重要。

  • 男性をターゲット
    日本ではまだまだ、役員クラスは男性が多い。そのためLGBTQを意識するのではなく、戦略では綺麗事を言わずにコアターゲットに重点を絞る「引き算」を行うことを恐れてはいけない。

  • InstagramよりもFacebookのアクティブユーザー
    上記のようなペルソナを想定すると、InstagramよりもFacebookの方がターゲットとなりえるユーザーのアクティブ層が多いと想定される。
    ターゲットとツールの親和性を考えずにアクティブユーザー至上主義になることは避けたい。

こんなところをペルソナ立てすると良いだろう。
広告の見出しも「課題解決」や「共創イノベーション」といった、経営者、あるいは決済者が、今好ましく思う言葉が良いかもしれない。

時系列を整理し、細かな戦略を立てる。
そしてそれに伴ったタスクをリストアップして、担当割り振りをする。
最後にもっとも重要なことはこの戦略の「見える化」と「共有化」だ。
プロジェクトに取り組む全員が、いつまでに誰が、何をしなくてはいけないのか? を把握できていなければ途端に虫食いだらけの戦略となってしまう。
コンダクターは各楽器を奏でるそれぞれに合った楽譜を。そしてそれぞれが奏でた音色が協奏曲となる全体像を示さなければプロジェクトの成功はありえない。

まずは、どれだけ面倒だと思っても細かく時系列に沿ったタスクを書き出す。そしてその一つ一つに合理的な説明をできることを目指すことから始めたい。

当日の椅子の配置や設営のタイミングを気にしているなど、愚の骨頂だ。
タスクなのかグランドデザインなのかをしっかりと見極めるコンダクターになる。
イベントを取り仕切る人間の意識を変えることが重要だ。


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