見出し画像

#雑感 英国と欧州の金利差とEURGBP

最近特に米金利と米金融当局の動きに目が行きがちですが、近く利下げに動く可能性があるのは(動く可能性があると連想されるのは)その他中銀も同様のことです。

特にECBに関しては早期利下げの思惑が付きまとっていて、そのために特定の通貨に対しては明確に金融政策の差を意識したトレンドが形成されつつあります。例えば、EURGBPの通貨ペアを見ていただくと、直近一目均衡表の雲の下限を抜けてきました。一目均衡表はテクニカル分析で重宝されますが、詳細については下記リンクをご参考にしてください。

※Data from Bloomberg

以下のチャートは、BOE(英国中央銀行)とECBそれぞれの2024年6月時点の政策金利を市場がどれくらいの水準で予想しているか、そしてEURGBPの推移を重ねたものです。両中銀の政策金利の折り込みの差が開く(BOE政策金利>ECB政策金利)と同時にEURGBPが下落(チャート上では上昇、EUR安ポンド高)方向へと急激に動いているのが見て取れます。

ECB・BOE2024年6月市場の金利予想とEURGBPの推移
※Bloombergにて筆者作成

今日でこそこの動きの巻き戻しが多少見られましたが、今週発表される米国の労働市場関連指標が市場が期待する通りの弱い内容であった場合にはこの動きが継続する可能性があります。

なぜ米国の話が関係のない2通貨に波及するかというのが為替の面白いところで、米金融当局が利下げに動くということは次に利下げが近い(物価関連指標の落ち着きが見られる)中欧銀行も同様の動きをとることになるという風に連想が働くからです。

ユーロ圏と英国の年率CPI比較

足元のユーロ圏の物価指標の推移をみると(後掲リンクご参照)すると、目下物価目標の2%に近い水準まで落ち着いて居るのが確認できます。かたや英国は4%台と道のりがかなり遠そう。。。

となると、構造的にこのトレンドはある程度継続する可能性があると個人的には考えています(最もこの執筆している頃にはすでに旬が過ぎているかもしれませんが)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?