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いもぼうっていう料理を知ってますか?年齢で変わる美味しさって何か。

皆さんは、京都の名物の一つ、いもぼうという料理ご存知でしょうか?

先日、少し用があって京都に行ってきました。その時、お昼に、いもぼう平野屋というお店に入って、“いもぼう”というものを食べてきました。

その時の感想等を書いていきたいと思います。

お店は、東区の八坂神社を抜けた、円山公園の一角にひっそりとあります。

八坂神社
修学旅行?
円山公園
修学旅行?

いもぼう平野屋は、老舗で赴きのある感じです。敷居が高そうな感じがして入りづらかったのですが、勇気を出して入ってみました。

いもぼう平野屋

※奥の方に本店があるのですが、そちらは団体の予約が入っており、この時間は入れないとの事。手前のこちらのお店(分店?)に入りました。

メニューは、こんな感じです。色々ある中で、一番オーソドックスな、いもぼう定食を注文しました。

メニュー
(たまにはいいでしょ、贅沢したって。)

店内も風情がある感じです。平日のお昼だったので、あまり人はおらず、意外と外国人の観光客が多い印象でした。

店員さんも、慣れているのか、英語で対応されていました。

外国人のお客さんも、お客さん同士で、“京都っていいわよね。”的な事を話されていました。僕は、そこしか分かりませんでした。

待つ事、数十分。店員さんに運ばれて、いもぼうが到着しました。

いもぼう定食

左下にある煮物が、いもぼうです。いもぼうとは、京都の名産の海老芋と呼ばれる里芋のようなお芋と、鱈の乾物(棒たらと呼ばれるらしいです。)を合わせて、独自の調理法で炊き上げた料理だそうです。

かの有名な、作家の吉村英治も好んで食し、”300年を伝えし味には、300年の味あり。“と称賛されていた様です。

その味はというと、あっさりしてほんのり甘い、優しい味なんですけど、深みがあるというか。複雑な味でした。

普段、分かりやすい味ばかり好んで食べてきた僕にとって、あまり食べた事のない種類の味と言いますか。じっくり、時間をかけて味わう事で良さが分かる味といいますか。

ダシを美味しいと感じる感覚に近いんですかねぇ。

同じ美味しいでも、食べた瞬間にすぐ美味しいと感じる味(分かりやすい味)とは、違った美味しさを感じました。

店内に置いてあったパンフレットの中に
おいしさの理由の一つとして、海老芋のアクが、棒たらを柔らかくし、棒たらのコラーゲンが海老芋の煮崩れを防ぎ、海の幸と山の幸が一つの鍋の中で炊かれる中で、お互いに助け合う事によっておいしさが生まれると。

京料理の奥深さに触れた様な気がしました。

これを自分が若い時に食べていても、この味の良さに気づく前に食べ終わってしまい、“美味しいけど、はっきりしない味だなぁ。”で、終わってしまい、この深さに気づけなかった様な気がします。

分かりやすい美味しいは、今でも大好きです。それに加えて新しい美味しいを感じる事ができました。

年をとって、好みが変化したのか、味を感じる幅が広がったのか、おじいになったのか。

とにかく、料理を通して、この深さに気づく事ができ、良かったと思いました。

あと、この”深い“部分を、”深い“としか文章上で表現できない自分の語彙の少なさ…。

そもそも、言葉では表現できないものなのかもしれませんが。

それも含めて、深いです。京都。

皆さんも、機会があれば、京都に出かけてみてはいかがでしょうか?

ちょっといいでしょ。


※本日もお疲れ様でした。
社会の片隅から。徒歩より。

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