徒歩

1982年生まれ、地方出身の会社員。情けない、しょうもない毎日を通して、言葉にならない…

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1982年生まれ、地方出身の会社員。情けない、しょうもない毎日を通して、言葉にならない、捨てきれない気持ちを小説、記事等を通して創作。社会の片隅で生きる、情けない小市民の記録。

マガジン

  • (連載小説) 小さな世界の片隅で。

    創作中の連載小説(2022/10/9より連載開始):”小さな世界の片隅で。”の全号が入っています。地方の川辺(土手沿いの道)を行き交う人を中心に、社会の主人公となりえない、名もなき者達が紡ぎ出す小さな物語です。(になる予定です。) ※お暇な方はどうぞ。

  • 僕の好きなもの

    僕が、世知辛い世の中を生きていく上で、大切にしている言葉や考え方の一部が入っています。 ※お疲れになっている方。お暇な方はどうぞ。

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名も無きサラリーマンの詩(歌)

こんばんわ。徒歩です。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。昨日から、蝉の声がちらほら聞こえ始めました。夏になりましたね。 ちょっと、詩(歌)的なものを作ってみました。 お暇な方はどうぞ。 〜名も無きサラリーマンの詩(歌)〜 僕は歩く、この道を。 何もない、だだっ広いこの荒野を。 どこを歩いたっていい。 どこに向かったっていいんだ。 どっちが右でどっちが左か、 なにが良くて、なにが悪いのか、 それすら、分からない。 正解なんて、どこにもない。 周りに、他の人も歩いてる。

    • 最近、職場にいても家に帰っても、なんか気分がソワソワして落ち着きません。以前は、気分転換(出かけたり、体を動かしたり)して気が晴れる事はあったんですが、スッキリしません。 お年のせいかしら… 忙しさや体調の変化もあるかもですが、習慣自体が合わなくてなって来ているのかもしれません。

      • (連載小説:第18話)小さな世界の片隅で。

        ”はい…。お願いできますか…?” ”分かりました…。” 歩は、主婦の方を見て、言った。 ”「大丈夫」。きっと…、大丈夫ですよ。” 主婦は、少し間をおいてから、 ”ありがとうございます…。本当にありがとう…。” 少し擦れた声で言い、軽く頭を下げて、歩と反対方向へ歩いて行った。 主婦が頭を上げた時、顔に手をやり、直ぐに振り返って行ってしまったので、表情を伺う事は出来なかったが、歩には、なんとなく分かったのだった。 ”何か役に立てたのかな…。” 主婦が去った、風が吹

        • (連載小説:第17話)小さな世界の片隅で。

          歩は、泣きながら食べている、ハンバーガーをみて思った。 やっぱり今日は、車じゃなくて、歩いてくるべきだったと。 食べ物も、ハンバーガーじゃなくて、おにぎりとお茶じゃなきゃなと、歩はそう思うのだった。 少し落ち着いたあと、歩は、そのベンチから静かに歩み去っていった。 青空に向かって、”大丈夫だよ。”とつぶやいた。 (X-4日) 歩は、顔を隠す様に頬を伝う涙を袖で拭いて、ベンチを後にした。公園から出る時に、もう一度振り返って、ベンチに目をやった。誰もいないベンチは穏やかな日

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        名も無きサラリーマンの詩(歌)

        • 最近、職場にいても家に帰っても、なんか気分がソワソワして落ち着きません。以前は、気分転換(出かけたり、体を動かしたり)して気が晴れる事はあったんですが、スッキリしません。 お年のせいかしら… 忙しさや体調の変化もあるかもですが、習慣自体が合わなくてなって来ているのかもしれません。

        • (連載小説:第18話)小さな世界の片隅で。

        • (連載小説:第17話)小さな世界の片隅で。

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        • (連載小説) 小さな世界の片隅で。
          18本
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          3本

        記事

          最近、忙しくて、ほとんど記事を読むことも、書くこと事も出来ない状態が続いておりましたが、少し落ち着きました。 また、無理のないペースで投稿していこうと思います。 皆様、どうぞよろしくお願い致します🙇

          最近、忙しくて、ほとんど記事を読むことも、書くこと事も出来ない状態が続いておりましたが、少し落ち着きました。 また、無理のないペースで投稿していこうと思います。 皆様、どうぞよろしくお願い致します🙇

          いもぼうっていう料理を知ってますか?年齢で変わる美味しさって何か。

          皆さんは、京都の名物の一つ、いもぼうという料理ご存知でしょうか? 先日、少し用があって京都に行ってきました。その時、お昼に、いもぼう平野屋というお店に入って、“いもぼう”というものを食べてきました。 その時の感想等を書いていきたいと思います。 お店は、東区の八坂神社を抜けた、円山公園の一角にひっそりとあります。 いもぼう平野屋は、老舗で赴きのある感じです。敷居が高そうな感じがして入りづらかったのですが、勇気を出して入ってみました。 ※奥の方に本店があるのですが、そち

          いもぼうっていう料理を知ってますか?年齢で変わる美味しさって何か。

          (連載小説:第16話)小さな世界の片隅で。

          小玉さんがまた付け加え、放送は再びCMに入った。 歩は、車の中で、聞くことの無かった放送をしんみりと聞いていた。 歩の運転する車は、目的地に向け、幹線道路をまっすぐ走っていく。 (X-4日) 車を走らせ続け、時刻は、9時を回ろうとしていた。 朝の幹線道路は、通勤の車、社用車、デイサービスの送迎の車、運送のトラック等の車両が多い。 混み合ってはいるが、渋滞する事はなく、車はスムーズに流れている。 幹線道路先の左手にマクドナルドが見えた。 ”なんか、お昼ご飯っていう時

          (連載小説:第16話)小さな世界の片隅で。

          はじめて、つぶやきの投稿をしてみます。 え~と、あの~、何かちょっと涼しくなってきましたね。 このはっきりしない、どっちつかずの微妙な空気感が好きだったりします。

          はじめて、つぶやきの投稿をしてみます。 え~と、あの~、何かちょっと涼しくなってきましたね。 このはっきりしない、どっちつかずの微妙な空気感が好きだったりします。

          (連載小説:第15話)小さな世界の片隅で。

          歩は、自宅へ向けて、自転車をこぎだした。明日は休日だ。大切な事に時間を使いたい。まだ明るさが残る夕暮れの中を、そんな事を考えながら、帰路についていった。 (X-4日) 一日が明けた。思いのほか、頭がすっきりしていた。不思議なもので、会社を辞めると決意した、たったこの一つで、背中の重荷が大分軽くなった様な気がした。ずいぶんと体が軽くなった気がした。 布団をどけながら、部屋の時計に目をやる。時計の針は、朝の7時半を指していた。休日にもかかわらず、出勤時と同じ時刻に起きてしまう

          (連載小説:第15話)小さな世界の片隅で。

          (連載小説:第14話)小さな世界の片隅で。

          歩は、覚悟を決めた。これから先は、予測不能な未来になるだろう。 杉山さんと、科長の待つ、4階の会議室へゆっくり向かう。 廊下や階段の窓から差し込む西日が、白色~オレンジ色に変化し始め、柔らかく院内の床や、壁を照らしていた。 歩は、その暖かさや、色を感じる事の出来る感覚が戻っていた事に気づいた。 廊下を歩く、歩の足元には、いつものように、肩を落とした少し情けない歩の影が寄り添っていた。 淡いオレンジ色の中をゆらめくように歩く、その情けない影は、しかし、いい情けなさをしてい

          (連載小説:第14話)小さな世界の片隅で。

          (連載小説:第13話) 小さな世界の片隅で。

          歩は、杉山さんに声をかけ、軽く会釈をし、スタッフルームを後にした。 デイサービスから病院へ戻る院内の通路で、他部署のリハビリスタッフとすれ違った。 すれ違いざま、今回の人事考課で、鈴川が出世する事が決まったと話をしていた。 後輩が、上司になった瞬間であった。そして、先輩が部下になった瞬間でもあった。 歩は、食堂まで続く長い廊下を、俯き歩きながら、廊下がもっと長く続いてくれと、願っていた。 (X-6日) 俯き加減で、いつもの食堂に着いた。歩は、いつものラーメンを注文し、

          (連載小説:第13話) 小さな世界の片隅で。

          (連載小説:第12話)小さな世界の片隅で。

          その日、歩は、祖母の夢を見た。 それは、遠い遠い、昔の記憶と、亡くなる数日前、ばあちゃんに会った時の記憶。 夢の中でも、ばあちゃんは微笑んでいた。 歩に心配をかけない様にクシャっと微笑むその顔は、今でも、決して色あせ ることはなく、その笑顔と一緒に、皺の刻み込まれた手の暖かさや、ばあちゃん家の匂いが、歩の傍で、ふっとしたような気がした。 (Xー6日) 歩は、薄明かりの中、浅い眠りから眼を覚ました。眼を覚ました後で、携帯のアラーム音が鳴った。日を間違わなければ、今日が、1週

          (連載小説:第12話)小さな世界の片隅で。

          初投稿から10ヶ月程経ちました。

          暖かくなって、花粉も少し落ち着いてきたのでしょうか? 僕は、花粉症なんですが、今年は特に症状が辛くて、今まで出たことの無い、咳の症状が出たりしまして、それがようやく治ってきました。 新型コロナも5月に、5類に引き下げとなる様で、規制も徐々に緩和されて、世間的にも少しずつ以前の活気が戻ってきている様に感じます。 収束(収束なのかな?)も近いんですかね。 話は変わりますが、僕は、昨年の6月から、記事の投稿を始め、今年の4月で、10ヶ月程経ちました。 先日、noteを開い

          初投稿から10ヶ月程経ちました。

          映画“この世界の片隅に。”を観て。

          こんにちは、徒歩です。日に日に暖かくなってきましたが、皆様、どうお過ごしでしょうか? 桜が咲きましたね。花粉症の症状と共に、この時期少し切ない気分になるのは、僕だけでしょうか。 それは、出会いや別れの節目である不安定なこの時期の気持ちと、桜が一斉に咲き、惜しげもなく散っていく淡く儚い桜の記憶が、自分の中に同時に存在しているからかもしれません。 ちょっとそれらしい事をいってみました。 僕は、昨年から、不定期の更新で、“小さな世界の片隅で。”という連載小説を書いています。

          映画“この世界の片隅に。”を観て。

          ちょっと沖の方に行って、笑って、死にかけた話。

          ※はじめに。記事の公開日が、東北の震災と近い日となってしまった事を掲載した後になって気がつきました。心よりお詫びを申し上げます。今回の記事は、震災とは、全く関係なく、20数年前に僕が海水浴場で経験した個人的な体験談です。しかし、海で溺れる等の内容を含む為、中には、気分を害される方も居るかもしれません。可能性がある方は、閲覧を控えていただくか、時期をずらして読んでいただく等のご配慮をとっていただけたら幸いです。 こんにちは、皆様お元気でしょうか?徒歩です。 最近は、下の連載小

          ちょっと沖の方に行って、笑って、死にかけた話。

          (連載小説:第11話)小さな世界の片隅で。

          自転車の鍵穴に、赤茶けた鍵を差し込む。朝と同様に2回、回すと”ガチャリ”と鍵が上がった。 輪留めから自転車の前輪を外し、自転車の向きを変えると、歩は帰路に向かって自転車をこぎ出した。 色んな思い、やり切れない思いを残しながら、歩の自転車は夜の道に消えていった。 北の空には、カシオペア座が白くひっそりと光っていた。 (X-7日) くたびれた歩の自転車は、柔らかな夜の帳の中をゆっくりと走り、自宅に到着した。 歩は、家の駐輪場に自転車を止め、かごからバックを取り出し、玄関

          (連載小説:第11話)小さな世界の片隅で。