見出し画像

ハーブ療法と自然破壊【前編】

コロナ禍でガーデニング流行ってるっていうから、最近ベランダでハーブ育ててるんだ🌱フレッシュバジルでパスタ作ると、めちゃウマだよ😋

ハーブティーにすればリラックスできて健康にもいいし、“植物の力”を実感するよ🫖✨なんか、アロマにもハマりそう。ハーブの力で心身共に健やかにってね😁

薬って、元々ハーブから発展してきたでしょ。あらゆる治療法のうち、もっとも古い歴史をもち、もっとも広く利用されているもののひとつだもんね。アスピリンとかジギタリスとか、多くの薬が植物由来だし、今ではすっかり主流の医療に組み込まれてて、現代薬理学の一部となってる。

やっぱ、自然の素晴らしさを改めて感じちゃうよな。同じクスリでも植物性の成分なら体にやさしそうだし、伝統的療法だから研究もされれて安全でしょ。

西洋医学の薬って一点集中で副作用が心配だけど、ハーブは作用が穏やかで、全身にバランス良く作用するから、人間の自然治癒力高めてくれそうだしね。

これを機に、ハーブ健康法を勉強してみるかな。

ハーブ育ててるんだ🌿いいキュイね。キュイもハーブ好きで、ミントやバジル育ててたけど、結局すぐ枯らしちゃたキュイよ🥹ミントなんか生命力強いはずなのに、なぜキュイ〜⁇

ハーブって、ちょっとあるだけで料理が華やかになるし、シーズニングで使うと複雑な味になっていいよね🧂✨アロマも好きキュイよ💕

なおの言うように、植物には薬理学的活性をもつ化学成分が多数含まれていて、人々の健康に役立ってくれてるのを考えると、“自然の恵みに感謝”ってなるキュイ🙏🏻✨

薬 (drug) という言葉は、「乾燥した植物」を意味するスウェーデン語の druug に由来するってのも、もっともキュイね。

でも、ハーブは副作用が少なく、より安全でより効果のある天然の代替薬だと安易に考えるのは、待って欲しいキュイ。ハーブ療法のかなりの部分が、今も代替医療とみなされてるんキュイよ!

え〜、そうなの?だって、世界中の人間は古くから、その土地で手に入る植物を用いて医療知識を発展させてて、部族の治療師とかが専門知識のデータベースとなってたんでしょ?世代が進むにつれ薬草医やシャーマンたちは、植物に関する情報を充実させて、ハーブ療法は強力な医療体系となってったんじゃないの?長い歴史の中で、本当に危険なものとか、効き目がないのは排除されていき、今や副作用や禁忌も分かってるでしょうに。

やっぱり、普通の薬に比べたらハーブの副作用は少ないと思うし、自然治癒力を引き出すからこそ、副作用と似てるけど全然違う“好転反応”てのがあるんだと思う。

出た〜!好転反応!”体の毒素が出てる“ってやつキュイね。好転反応に科学的根拠はないキュイよ。体調が悪くなったら、マジですぐに使用中止するキュイ。好転反応は、効果がないのに使用の継続を勧める金の亡者の常套句だから、それを耳にしたら注意するキュイよ!

確かにハーブ療法の歴史は古く、伝統的な薬草については、綿密に調べ上げられてるキュイ。しかしこれこそ、代替医療のハーブ療法と、科学的なハーブ医療とでも言うべきものを分けているものなんだキュイ。

18世紀に入るとハーブ療法は、古代からの行き当たりばったりなやり方から、より系統的で科学的なものへと変わり始めるキュイ。

科学者たちは、植物に含まれる有効成分を突き止め、それを単離したいと考えたキュイ。そして単離した有効成分を濃縮し、より効きやすい形にして人々に届けたいと思ったんだキュイ。

安価に大量生産できるよう工業的に合成し、さらには成分分子を操作して、性質を改良することさえ試み始めたキュイ。

とくに重要なのは、どのハーブは安全で効果があり、どれは危険で効果がないのかを知るために、ハーブが患者にどんな影響を及ぼすかを明らかにしようとしたことキュイ。

標準医療は莫大な金と時間のかかる途方もなく高いハードルを越えなければならないけれど、有害だったり効果がなかったりする薬から人びとを守るには、厳しいレベルの検証をクリアする必要があるんだキュイ。

ハーブ医療と言われる、植物由来成分の効果については、標準医療の薬と同じ水準の精査をクリアしてるキュイ。

しかし、ハーブ薬の大半はこのレベルの精査を受けていないし、広く人気のあるハーブのなかにも、科学的根拠の乏しいものがあるんだキュイ。

なかには、何らかの症状に効きそうなものもあるけど、ほとんどの場合、同等かそれ以上に効く標準医療の薬があるキュイ。だから、代替医療とみなされてるんだキュイよ。

伝統的ハーブ療法って、行き当たりばったりかなぁ?メディカルハーブの分厚い辞典もあるし、検定とかもあるじゃん。しっかり研究されてるモノだと思ってた。

それに市販のハーブ薬じゃなくて、患者ごとに特別に調製されたハーブ薬ってあるし。

中国の漢方医や、アーユルヴェーダのヒーラー、ヨーロッパの伝統的ハーバリストなどの専門家がいて、患者の症状だけでなく、病歴や生い立ち、性格や環境も問診して、何種類かのハーブを混合し、患者にピッタリあうものを調合してくれるって知ってる?そうやって寄り添ってくれてるのって良いよね?“3時間待ちの3分診療”より、だんぜん信頼できると思うよ。

科学的根拠も、治験を受けてないだけで全くないわけじゃないと思うし、経験則ってあるじゃん。
それに“個別化されたハーブ薬”は、臨床試験にはそぐわないんじゃない?

そもそも、工場で“化学合成”された薬ってね。なんか不自然じゃん。

どうも標準医療って、人間の自然治癒力を信じてないように思えてならないんだよ。「切る」とか「焼く」って自然に思えないし、薬は化学物質の塊だから「毒を飲んでる」って思っちゃう。

“天然”は化学物質が含まれてなくて、だから安全だと信じてるクチキュイね。

すべてのものは化学物質キュイ。植物も、空気も人の身体も全身が化学物質でできてるキュイよ。だから、化学物質=悪というのは、勝手なイメージキュイ。

そもそも天然由来が良く、合成品が悪いという考え自体が間違ってるキュイよ。天然の物でも毒になる物質はいくらでもあるし、合成品でもすべて害があるというわけではないキュイ。トリカブトやタバコは植物キュイよね?

ハーブに見出された有効成分は、まったく別の目的のために植物が進化してきた結果キュイ。人間の病気を治すために植物があるわけじゃないんだキュイ。だから、当然毒もあるキュイ。たとえば、外敵から守るために進化したものとかキュイね。

合成だろうが天然だろうが、化学的に同じなら機能的に全く変わらないキュイ。製造コストで言えば、合成の方が有利キュイ。

なのに企業は“天然由来”と強調するキュイ。合成だと製品が売れないからキュイ。“ナチュラル”“自然派”と言われれば、消費者は喜んで買ってしまうんだキュイね(気持ちは分かるキュイ〜)。

それに、“個別化されたハーブ薬”についても、水準の高いランダム化臨床試験がいくつか行われているキュイよ。そして、概して残念な結果に終わってるキュイ🥺

個別化されたハーブ薬は、偽薬または標準的なハーブ薬よりも良い成績を出すことができていないキュイ。となれば、あんまりお勧めできるものではないキュイね。悪くすると高価な偽薬であり、良くても、普通のハーブ薬(たとえば市販されているペパーミントなど)より高くつくからキュイ。ただし、不安を聞いてくれる話し相手へのお礼だと思えるなら、許容範囲なのかもしれないキュイね。

でも、合成品も天然由来も全く効果が同じかというと、そんなことないでしょ。

例えば、りんごをそのまま食べることにより、ビタミンCは他の成分の助けを受け、それ以上の効果を発揮してるかもしれないじゃん。

母なる自然はひとつの植物のうちにさまざまな物質を複雑に混ぜ合わせ、それらすべてが調和して働くように計らったんだから、植物全体を使うことで、部分の和よりも大きな効果が生み出せるハズ。

“相乗効果”ってのがあるでしょ?単離させた薬よりも、植物を全体として使うことこそ理想的な薬のありかたじゃない?自然は何が最善かを知ってるんだよ。

“自然は最善を知っている”。確かにその通りかもキュイ。でもそれは、自然は“人間にとっての”最善を知っている、ではないキュイ。自然はそれほど人間に都合よくはできてないキュイよ。

どうやらハーブ療法は、“植物は人間を癒すために作られたものだ”という前提が、根底にあるんじゃないキュイ?

たしかに、近代医学の開祖と言われるパラケルススは、「癒しのわざは自然に由来し、医師に由来するにあらず。」と言ってるキュイ。でも、それに続いて、こうも言ってるキュイ。「それゆえ医師は虚心坦懐に、自然よりはじめるべし。」

自然は出発点ではあるが、よく効く薬を手に入れるためには、植物に含まれる成分のうち、治療に役立つものを知らなければならない(そしてときにはそれを操作しなければならない)と考えたのが、科学キュイ。

現代の医薬品は、副作用をあまり出さずに確かな効果を発揮するように作られてるキュイ。“科学は人間にとっての最善を知っている“んだキュイ。

残念ながらハーブ薬のなかには、有害反応が重いため、どんな受益性があるにせよ、危険性が確実にそれを上まわるものがあるキュイ。有効性に期待が持てるものもいくつかはあるけど、それを大きく上まわる数のハーブ薬が、有効性が証明されていないか、あるいは有効性が否定されているか、さらには確実に危険であることが判明しているにもかかわらず市場に出回ってるんだキュイ。

医薬品の副作用を恐れて、下手にハーブ薬に手を出すと、危険だったり、悪くすると命にかかわることがあるので、見極めが重要キュイ。

ウソ!そんな危険な薬が、市場に出回ってるの?

なら本当に、そのハーブ薬が安全なものかどうかを自分で確認するのが必要だけど、実際どうすればいいのか分からないな。

有害反応が重いハーブ薬って、例えばどんなの?

例えば、こんな話があるキュイ。

1990年代初頭のベルギーで、突如として説明のつかない腎障害に襲われた患者が2人現れたキュイ。医師が少し話を聞いてみると、2人とも、さまざまな漢方薬を含む痩身療法をやっていることがわかったんだキュイ。

それらの漢方薬と腎機能不全に関係があるのではないかという考えは、この時点ではあくまでも勘にすぎなかったキュイが、 近隣の医療記録を調べると1991〜1992年にかけて、女性7名が同様の腎機能不全を起こし、全員が同じ漢方の痩身療法をやっていたことが判明したんだキュイ。

その医師は1993年に『ランセット誌』に調査結果を発表し、およそ1年後「漢方薬腎症」として知られることになる70の症例を突き止めて続報したキュイ。そのうちの30症例は死に至るものだったキュイ。

結局、腎機能不全を起こしたケースに共通して混合されていたハーブは、《アリストロキア》の名前で知られるものであることがわかったキュイ。

そしてまた、1990年代末までには、このハーブは癌にも関係しているのではないかという疑いが生じたんだキュイ。ベルギーの医師たちは、漢方薬腎症と診断された患者の40%に多重腫瘍の兆候があることを見出していたキュイ。

これだけの科学的根拠が得られたことで、いくつかの国ではアリストロキアを含む製品の販売が禁止されたが、ハーブ療法家やハーブ薬の製造業者のなかには、この植物は安全であり、腎不全や腫瘍には何か別の原因があるはずだと言う者もいたキュイ。

だって、アリストロキアは何世紀ものあいだ使われてきたハーブであり、毒性を示唆するようなことはこれまで何ひとつなかったんだキュイ。古代ギリシャ人も、ローマ人も、中国人も、アメリカ先住民も、蛇に噛まれたときや頭痛のとき、なにかにつけてアリストロキアを治療に用いてきたんだキュイ。おかしいじゃないキュイ?

実は、彼らがアリストロキアと腎不全との関係に気づかなかったのは、腎障害の発症が数カ月、あるいは数年後になるためだったんだキュイ。ハーブを使った患者はみな、徐々に身体を毒されていたんだキュイね。

えっ、めっちゃ怖いじゃん。伝統的ハーブ療法として世界中で使用されてきてたのに、ずいぶん後になってから毒性が分かるなんて。

因果関係が分かってないだけで、実際は健康被害を出してるハーブ薬って、他にもたくさんあるのかも。

たぶん、たくさんあるキュイよ。新たな危険性は毎月のように発見されてるキュイ。

例えば、母親にラベンダー・オイルやティーツリー・オイルを胸に塗られて、乳腺が発達しちゃった3人の少年の例が報告されてるキュイ。そうなったのは、ハーブが女性ホルモンに似た働きをし、男性ホルモンの働きを抑えたためらしいキュイ。

また、危険なハーブのリストにあがってるので言うと、中国産の麻黄から抽出される《エフェドラ》という薬なんかがあるキュイ。

科学者たちはかなり前からエフェドラの副作用を心配していたため、それに似た《プソイドエフェドリン》と呼ばれる安全な薬を開発したんだけど、食欲不振の作用があるエフェドラに目をつけた業者たちは、ダイエット食品や健康食品としてエフェドラを宣伝してるキュイ。実際に日本でも、インターネットで手軽にエフェドラを購入できちゃうキュイ。

また、麻黄の主成分のエフェドリンには幻覚作用があるキュイ。向精神薬取締法では、濃度が10%以上のエフェドリンは覚せい剤原料として扱われてるんだキュイよ。

エフェドラを使用した結果として、2005年までに、19,000人が激しい反応を起こし、164人が死亡していることを示す強力な科学的根拠があるキュイ。

今日、ほとんどの国でエフェドラの販売は禁止されてるキュイが、使用含量を規制したうえで健康食品には使用できる国もあり、ネット経由で日本にも流通してるのは怖いことキュイ。そして、それらのホームページにはエフェドラの危険性に関してまったく触れられていないんだキュイ!

え〜!危険性についての記載がないなら、どうやって安全なものなのか判断すればいいの?含有量が少なくても、その健康食品を一度にたくさん摂取したり、長期的に使用を継続した場合の安全は、誰が保証してくれるん?

ハーブ療法も病人を治すという標準医療と同じ目的をもってるけど、医師は効果の証明されていない、それどころか危険でさえある薬を患者に投与したりすれば、医師免許を剥奪されて裁判沙汰になり得るのに、誇大広告を打つだけ打うって危険性を知らせない、健康食品やアロマオイルの販売業者は責任とれるの?

医者は薬で儲けてるって話だけど、そういう業者の方がよっぽど悪どいな。

テレビや雑誌、新聞などのメディアだって、”ナチュラル”“トラディショナル”“ホーリスティック”という言葉で患者を煽るけど、健康を損なう危険性については詳しく報道してくれないもんなぁ。

植物力って信じてるし、やっぱり合成より天然ハーブを使いたい気持ちはあるんだけど、何を持って判断すればいいんだろ?

自然を愛するがゆえに天然ハーブで治療したい、自然と一体化したいという願いは、どうしたら叶えられるんだ?

“医者が薬をたくさん出すのは儲かるから”ってのは、今や都市伝説キュイよ。一昔前はそうだったけど、薬価が下がって医薬分業が進んだ現在では薬価差益はほとんどないし、薬を多く出しても診療報酬があがるわけじゃないキュイ。国もお金ないから、医療費にそんな出せなくなってるキュイ。まあ、高齢の開業医には、まだそういった慣習が残ってるかもだけど、薬好きの患者もいるからキュイね。

さまぁ〜ずの大竹さんなんか病院&薬好きで、相方の三村さんは正反対だから、トーク番組で「病院行け!薬もらえ!」ってよく三村さんを叱ってて、あのやりとりは面白いキュイ。

天然のハーブで治療したいって気持ち、よく分かるキュイよ。キュイだって、薬やサプリは補助的なもので、口にする野菜や食べ物から必要なものとりたいキュイ。人間も自然の一部だから、効果があるなら自然なものを使いたいというのは当然キュイ。

ただ、ハーブ療法のうち効果があるとの科学的根拠があるものは、ごく少数キュイ。手間ひまかけて安全なものを探すより、確実な効果がある医薬品をとった方が合理的だキュイ。それでもハーブ療法をやりたい場合の注意点は、後で話すキュイね。

まずは、その”自然を愛する“気持ちが、むしろ自然を破壊している恐れがあるという、皮肉ともとれる現状を聞いて欲しいキュイ。

なに?それってどういう事?

ハーブ療法に携わる人々は、自然を愛し、自然を保護してるんじゃないの?

企業は自社でハーブ畑や無農薬農園を持ち、植物の成長を助ける虫たちや原生動物などの自然と共生するスタイルで、環境保全活動を行っているんでしょ?

たしかに、そのような企業もたくさんあるキュイ。

ただ一方で、ハーブ薬や漢方の原料となる野生植物が今、絶滅の危機にあるんだキュイ。あまり報道されないからピンとこないかもだけど、実は身近な植物も絶滅の危機に直面してるキュイよ。

             【後編】に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?