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7月31日は蓄音機の日

1877年にトーマス・アルバ・エジソン(1847〜1931)が蓄音機の特許を取得した日ということで、7月31日は「蓄音機の日」とされてるキュイ。

彼の発明の多くは、すでにあった他人の研究に改良を加えたものだキュイ。まちがいなくエジソン独自の発明と言えるのが、蓄音機だキュイ。

最初の錫箔円筒式蓄音機を完成させたのは1877年12月6日。エジソンが30才のときで、この頃はすでに自分の研究所を持ち、100以上の特許を有しているキュイ。

蓄音機の評判は、前年にグラハム・ベルとの電話機開発競争にやぶれたエジソンにとって、特別なものだったキュイ。

蓄音機に録音されたエジソンの肉声👇

翌日にはこの試作機をニューヨークに持ち込み、『サイエンティフィック・アメリカン』誌(世界で最も古い一般向け科学誌)の編集室で実演してみせるキュイ。

「おはよう!この機械をどう思いますか?」

レバーを回すよう促された同誌の編集長は、エジソンがあらかじめ吹きこんであった声を聞いて驚愕したキュイ。

エジソンは「フォノグラフ(話す機械)」という名称でこの装置の特許をとり、翌年78年蓄音機の販売に乗り出すキュイ。

当時の販促用ポスター

エジソンの蓄音機は「話す機械」として喧伝され、大いに評判を呼んだキュイ。人々は特別列車で彼の研究所があるメンロパーク(ニュージャージー州)を訪れ、時の大統領はホワイトハウスに彼を招くほどだったキュイ。

当初、彼は蓄音機を口述筆記用に使ってもらおうと考えていたが、取り扱いの煩雑さや肉声の聞き取りにくさからさっぱり売れなかっキュイ。

評判のわりに性能が低く、実用化にはほど遠いシロモノだったんだキュイ。そんなとき、再びベルがエジソンの前に立ちはだかり、蓄音機の実用化に名乗りをあげたキュイ。ベルは1888年、実用化に成功してるキュイ。

 エジソンは蓄音機を具体的に何に使うか、使い方を生みだすマーケティングを製作の時には考えていなかったキュイ。ジャズや交響曲を録音して、人々がその環境にひたるなど思いも浮かばなかったんだキュイ。

エジソンは、アシスタントのサム・インサルにこう言ってるキュイ。
「サミー、だれも蓄音機なんか盗まないよ。 そんなもの売りものにならないからね」 


なお、蓄音機を活用して、世界初のしゃべる人形をエジソンは1889年に販売してるキュイ。

しゃべる人形(人形の下に蓄音機が付いている)

子どもたちの歌声が録音されているのだが、その声はノイズと合わさり、非常に不気味に聞こえるキュイ。これが愛くるしい人形から発せられるという違和感に、全然売れなく、即製造中止になったとか。エジソンの声が録音されたバージョンもあったが、やはり不気味で販売不振。マーケティング能力はないようだキュイ。

復元された音声はこちら👇

メンロパークの魔術師と言われた、大発明家である偉人エジソンには、性格的欠点がいくつもあったキュイ。

癇癪持ちで、金銭欲が強く、人のアイデアを盗み、ありもしない戦争兵器をつくったと自慢し、二人の妻と子どもたちとは惨憺たる関係にあったetc.

この話は結構有名なので、ここでは取り上げないキュイ。今回お話ししたいのは、エジソンの宗教観の変遷、生涯にわたる心霊現象への関心、そしてなんでも簡単に信じ込んでしまう性格についてだキュイ。

青年時代のエジソンは、自然を「至上の知性」と呼ぶ汎神論者であり、神、魂、あるいは来世というものは信じていなかったキュイ。歯に衣着せぬ自由主義思想家で、人間性といったものに対しては無関心。いたって冷淡だったキュイ。

『ニューヨーク・タイムズ紙』(1910年10月2日号)のインタビュー記事で、ウィリアム・ジェームズ(米国心理学・哲学者)の死に際して、こう言及しているキュイ。

「どんな人間であれ、その頭脳が永遠に不滅であると信じる理由などまったくない。それは、私の蓄音機のシリンダーの一つが不滅であると考えるのと大差ない。そう、頭脳とは肉でできた機械のひとつーよくできた機械であるがーにすぎない」 

エジソンが吐いたその言葉は、宗派を問わず、キリスト教徒の激しい反論を呼んでしまったキュイ。 

ギボンズ枢機卿は徹底的に彼を責め、カトリック宗派の定期刊行物『コロンビアン・マガジン』は、エジソンを評して物質主義者と呼び、まるまる一冊を割いて彼を攻撃したキュイ。

ところがある日、実験室へ向かう途中で、エジソンに何かが起きたようなんだキュイ。

『アメリカン・マガジン誌』(1920年10月号)は、“来世と交信する方法を探るエジソン”と題したインタビュー記事を掲載したキュイ。エジソンは来世を信じるようになったばかりか、なんと死者と交信するための電信装置を実際に研究してるそうだキュイ∑(゚Д゚)

トーマス・A・エジソン世界の先端を行く発明家―が、心霊現象研究のための装置を科学に基づいて開発中

1920年のエジソンの日記には、死後の世界や霊魂交信装置について書かれているキュイ。

ここのところしばらく、この世を去った人たちと交信できるかどうかをたしかめるために、ある装置をつくる作業をしている。もしこれが、ほんとうにできるとしたら、いわゆる霊能者が使っているようなオカルト的で、怪しげで、超自然的な手段ではなく、科学にもとづいた方法で実現されることになるだろう。 

もし私たちが人格と呼ぶものが死後も存在し、その人格が、この世でまだ肉体とともにある私たちとの交信を願っているとしたら、それをごくかんたんに可能にするような装置が、二、三種類ある。私がいま作ろうとしているのもその一つで、そう遠くない将来、完成できるだろうと思っている。

もし、この世の命を離れた人々が、私が彼らのためにつくっている装置を使えなかったり、動かしたりできないのであれば、私たちが考え、想像しているような形での死後の世界が存在する可能性は小さくなるであろう。
一方、もしこの交信がうまくいけば、もちろんたいへんなセンセーションを巻き起こすにちがいない。

また、『サイエンティフィック・アメリカン誌』のインタビューで、エジソンはこうも語ってるキュイ。

もしも、われわれの人格がいつまでも存続するなら、この世で獲得した記憶、知性、さまざまな能力、および知識もその人格とともに保持されると考えるのは、ごく論理的であり科学的である。したがって、いわゆる死ののちにも人格が存在するなら、 この世を去った人間が、 現世に残してきた人たちとの交信を望むはずだと考えてもおかしくはない。

…...来世でのわれわれの人格が、物質に影響を及ぼすことができると信じたい気持ちが私にはある。もしこの推論が正しいとすると、来世で生き延びているわれわれの人格が、なんらかの作用を与えたり、動かしたり、さらには操作することができるほど感度のいい繊細な装置を開発できれば、・・そんな装置があれば、なにかを感知し、記録できるのではなかろうか。

いま使われている方法には、原始的で、子どもじみていて、非科学的なものが多く、理性あるたくさんの人たちがなぜあんなものを信じるのか不思議である。 この世を去った人格と話す方法を見つけることができるとしても、それは、科学者の目からするとばかばかしい、あんな子どもじみた珍妙なしかけでないことはたしかであろう。

彼がどんな機械をつくろうとしていたかは、わかってないが、おそらく強力に増幅した電磁波を使った電話のようなものだったと推測されてるキュイ。エジソンは、かなりマジで研究に取り組んでいたようキュイ。

結果的に、エジソンは『霊界通信機』を作ることはできなかったキュイ。

『ニューヨーク・タイムズ 誌』(1926年10月15日号)では、友人に対し「(霊界通信装置を信じている)彼をがっかりさせるのがいやだから、霊魂と交信するという話をでっち上げたのだ。 しかしほんの冗談のつもりだった」と負け惜しみともとれるような事を言ってるキュイ。

またエジソンは幽霊探知機も作っていたキュイ👇

キリスト教の指導者たちは、国の内外を問わず、魂の不滅を信じる有神論者の一員としてエジソンを受け入れるようになったキュイ。

エジソン自身は最後までキリスト教徒にはならなかったが、2度目の妻ミーナ・ミラー(エジソンより18歳若かった)は、終生、敬虔なメソジスト派信徒だったキュイ。彼女は、進化論をサタンの陰謀と考えている、こちこちの原理主義者だったらしいキュイ。

『フォーラム誌』(1926年11月号)のインタビュー記事「人間の魂は不滅か」では、今やエジソンは、"魂"について雄弁に語り、神を偉大な力"にして "創造主〟と呼ぶような人間になっていたキュイ。

「今日、確率的な見地からしても、人間の知性、魂の不滅を信じる側が圧倒的優位に立っている」とエジソンは述べているキュイ。

彼はキリスト教を、世界でもっとも賢く美しい宗教だとほめたたえたが、教義よりも、イエスの道徳律をより重視する信仰として発展することを願っていたキュイ。

神学者は教義の議論をやめ、「……愚かな懐疑主義者には崩すことのできない明証を積み重ねること」にもっと時間をかけるべきだ、と強調しているキュイ。

その後のインタビューも、世界各地の新聞で大きくとりあげたキュイ。

その中で彼は、人間の心が、知性や記憶を司る何十億という微小な粒子でなり立っているという推論を披露するキュイ。その粒子は宇宙空間からやってきて、他の生命体が棲む星々から、知恵を運んでくるそうだキュイ。私たちが死ぬと、粒子は消散するか、またはミツバチのように群れをなして他人の頭蓋内に入り込むキュイ。

エジソンは、その粒子をよく"小さな人々"と呼んでいたキュイ。彼によれば、時々、粒子同士の争いが起こるそうだキュイ。

小さな人々については、彼は日記にこう書いてるキュイ。

彼らは意見の相違をめぐって争い、やがて強いグループが主導権を握る。 少数派が規律に従い、同調することを受け入れれば、調和は保たれる。しかし時には、少数派が耐え切れなくなることがある。 「こんなところはうんざりだ。 出ていくぞ!」。彼らが人間の肉体の中で分担していた仕事を放棄すると、その人間は病気になって死ぬ。こうして少数派は出ていくが、当然、主流派も出ていくことになる。かくて、すべての粒子は解放され、新天地を目指す態勢に入るのである。

“小さいおじさん”が見えるという芸能人はいっぱいいるけど、エジソンには“小さな人々”という、つぶつぶの声が聞こえていたんだキュイね。

世界各国に現れる小さなおじさん

エジソンは、その長い一生のあいだ、ずっとオカルトに魅せられていたキュイ。超能力も信じていて自分でも練習してみたり、魔術師にあっさり騙されたりしてるキュイ。

エジソンのなんでも信じ込みやすい性格については、次回またお話しさせていただくキュイ〜🤗

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