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大学生のときに聴いた洋楽④:1981年

 前年12月のジョン・レノンの死の衝撃が冷めぬまま迎えた81年だったと思います。アメリカではレーガン大統領まで狙撃されるという事件がありました。音楽の世界ではまだまだディスコソングが売れる一方で、80年代の新しいサウンドが次々と出てきた年だったと思います。この年アメリカではMTVが開局し、ミュージシャンがこぞってビデオクリップを作るようになるわけです。国内でも、小林克也のベストヒットUSAの放送が始まって、日本でもテレビで洋楽の映像が気軽に見られるようになるという、大きな変化があったわけです。そういう意味で、80年代の洋楽ブームは、ここから始まったのだと言っても良いのではないかと思います。

 個人的には、フィールドワークを伴う卒論で絞りまくられて、なかなか厳しい1年だったのですが、年末にはなんとか就職も決まり、学生最後の年となったのでした。

1981年(昭和56年)の出来事

  • 1月 中国、江青に死刑判決

  • 2月 トヨタ自動車高級車ソアラを発売

  • 3月 ピンク・レディー解散

  • 3月 米レーガン大統領が銃撃され重症

  • 4月 スペースシャトル初の打ち上げ

  • 5月 フジテレビ系で「オレたちひょうきん族」の放送開始

  • 6月 最初のAIDS患者発見

  • 8月 IBMがマイクロソフト社のMS-DOSを搭載したIBM PCを発売

  • 10月 ロッキード事件公判で、榎本三恵子が「ハチは一度指したら死ぬ」と田中角栄の5億円受領を裏付ける証言。「ハチのひと刺し」が流行語に。


1981年の洋楽ヒットソング

Sexy Music / Nolands

前年からヒット連発状態でしたね、ノーランズ。Gotta Pull Myself Together(邦題:恋のハッピーデート)もこの年のヒットです。彼女たちのような音楽をキャンディ・ポップと称することもあるらしいのですが、このカテゴライズは日本独自のものではないかと思います。

Foxy / Susan Anton

この曲は、カメリアダイヤモンドのCMソングに起用されて大ヒットしましたね。これは日本とスペインでだけ発売された曲らしく、今AppleMusic等では配信されてませんね。

Modern Girl / Sheena Easton

ビルボードではこの曲の次の9 to 5(Morning Train)の方がヒットしているのですが、日本ではこちらのほうがよくかかっていたような…。やっぱりこれもTV番組かCMで使われてたような印象があるんですが、気のせいかな...。

Fame / Irene Cara

80年に同名の映画に出演し、自らそのテーマソングを歌って大ヒットしたのが、アイリーン・キャラですね。フラッシュダンスでさらに大ヒットするのは83年です。

Let's Groove / Earth, Wind & Fire

ディスコの帝王状態のEW&Fですが、この年も快調にヒットを飛ばしています。この時期の彼らは本当にノッてましたよね。

Celebration / Kool & The Gang

この曲も最近TVのCMで使われてましたが、やはり黒人グループのディスコソングとしては外せない名曲だと思います。

The Dude(邦題:愛のコリーダー) / Quincy Jones

大島渚監督の同名映画のテーマソングですが、典型的なディスコソングで、大ヒットしました。でもこれ、ヒットしたの多分日本だけですよね。映画はいろいろと物議を醸しましたしね。

Physical / Olivia Newton John

大スターとなったオリビア・ニュートンジョンですが、やっぱりまだディスコっぽい曲がヒットしてますね。彼女は78年に日本のイルカ漁に反対して来日公演が延期になったのですが、その後謝罪し、日本の海洋研究所に多額の寄付をして、この年再度来日してますね。

Wordy Rappinghood(邦題:おしゃべり魔女) / Tom Tom Club

ディスコソングではあるのですが、かなりヒネりのきいた曲ですよね。それでも、この変な歌はよく聴きました。今思うと、ラップの元祖のようにも聞こえますね。ちなみに、ラップといえば、この年アメリカで Blondie がRaptureという曲をヒットさせています(日本ではあまり売れなかったと思う)が、これにもラップパートがあり、この頃からラップという新しい音楽が広がり始めたといえるのでしょうね。

Lately / Stevie Wonder

名曲ですよね。大ディスコブームの中で、こういうホッとするようなバラードをヒットさせる、さすがのスティービー・ワンダーです。え、チークタイム用の曲??

Endless Love / Diana Ross & Lionel Richie

こちらも名曲! ライオネル・リッチーは、自身のソロアルバムを出す前に、この年にこのデュエット曲で全米No.1とってます。まだコモドアーズ在籍時代なんですね。

Woman / John Lennon

本当は(Just Like) Starting Overの方が売れたはずなんですが、わたしにはWomanの方が刺さりました。この曲を聞くと今でもホント切なくなるのですよね。それまで、ジョン・レノンのソロワークについてはあまり好きになれないものばかりだったのですが、この曲で、いよいよ再起動した感じを受けるんですね。それだけに、いろいろな感情がわくんです。あんな事にならなければ、もっとたくさんの名曲が生まれていたのではないかと、改めて思いますね。

All Those Years Ago(邦題:過ぎ去りし日々) / George Harrison

元ビートルズメンバー最初のジョン・レノン追悼ソングとして話題になったと思います。ポール・マッカートニーが追悼ソングを発表するのは、翌82年です。(アルバムTug Of War 収録の Here Today )

Under Pressure / Queen

しばらくあまりヒット曲がなかったデビッド・ボウイの名を久しぶりに聞いたのがこの曲でしたね。デビット・ボウイとクイーンの共作で、これは売れました。デビット・ボウイはその後83年にLet's Danceで大ブレイクするわけですが、この曲で手応えあったからのような気もしますね。

Bette Davis Eyes / Kim Carnes

今聞くと、あまり80年代っぽくは聞こえないのですが、この曲もこの年の大ヒットなんです。いい曲です。

Urgent / Foreigner

わたしにとって、80年代の印象的なグループのひとつが彼らなんですよね。このときのアルバム買いましたし。Waithing For A Girl Like You(邦題:ガール・ライク・ユー) もこの年のヒットです。

Just The Two Of Us(邦題:クリスタルの恋人たち) / Grover Washington Jr.

なんかよくわからないのですが、どうもこの曲を聴くと、バブル時代の空気感が蘇るんです。81年はまだバブルといえる年ではないと思うのですが、時代は着実にそっちに向かっていたということなのかなあ〜。ちなみに邦題に使われている「クリスタル」という言葉は、この年ベストセラーとなった田中康夫の「なんとなくクリスタル」からいただいたのでしょうね….

Keep On Loving You / REO Speedwagon

けっこうバンド歴の古いREOスピードワゴンですが、ヒットチャートに現れて彼らのバンド名を最初に意識したのはこの年だったと思います。彼らもその後、スタジアムロックとか、産業ロックとかの言葉で批判されるようになるわけですが、売れることの何が悪いんでしょうね。80年代になって、それだけロックというかポピュラーミュージックを聴く人が増えていたということだけだと思うんですよね。

Kiss On My List / Daryl Hall & John Oates

彼らも80年代を代表するミュージシャンですねえ。彼らの曲を聞くと、ホント80年代の風を思い出します。

Arthur's Theme (Best That You Can Do)(邦題:ニューヨーク・シティ・セレナーデ)/ Christopher Cross

日本でもCMソングとして起用され大ヒットしました。この方は今でも当時のスタイルのまま活動を続けており、数年前に来日公演に行きました。

In The Air Tonight(邦題:夜の囁き)/ Phil Collins

そしてついにフィル・コリンズの登場です。ずっとジェネシスを追いかけてきたわたしですが、それでも、フィル・コリンズがソロでこんな大ヒットをとばすというのは、全く想定外の出来事でした。わたしにとって、80年代は、ほとんどフィル・コリンズの時代だったわけなんです。熱い時代だったなあ〜(^^)

 一方、この年の邦楽の大ヒットは、寺尾聰のルビーの指環ですね。第2位が竜鉄也の奥飛騨慕情で、久しぶりに演歌のビッグヒットが出た年でもありました。ただ、この年は松田聖子、田原俊彦、近藤真彦のアイドル系が何曲も大ヒットを出していて、イモ欽トリオなる便乗グループまでブレイクするほど、アイドル系が盛り上がっていた年でした。エマニエル坊やなんてのが流行ったのもこの年でしたね(笑)。その他は、シャネルズ、五輪真弓、中島みゆき、松任谷由実、矢野顕子、横浜銀蝿、チャゲ&飛鳥、クリエーション、矢沢永吉、南佳孝などがチャートを賑わしていて、やはりニューミュージック、ロック系の人たちが着実に売上を伸ばしていたのでした。

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