人生は川のようなもの

1959年(昭和34年)東京生まれ。 これだけ生きてると、人生いろいろなことを経験する…

人生は川のようなもの

1959年(昭和34年)東京生まれ。 これだけ生きてると、人生いろいろなことを経験するもの。 僕の人生のできごとをつれづれなるままに。

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  • 「眩惑のブロードウェイ」徹底解説

    ジェネシスが1974年にリリースしたコンセプトアルバムThe Lamb Lies Down on Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ) 。リリース50周年をむかえた今年(2024年)、このアルバムをまさに50年間聴き続けたわたしが徹底解説を試みます。本当の50周年、2024年11月22日までに完結できるか(笑)

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    ジェネシスと、メンバーのソロについての記事をまとめました。メンバー、元メンバーのソロについて触れている記事も含みます。

  • 洋楽ヒットソング1972〜1990

    1972年〜1990年、わたしが洋楽を聴き始めた中学1年から、30歳になるまでの洋楽のヒットソングを年ごとにまとめました。

  • 潰瘍性大腸炎の記録

    潰瘍性大腸炎の発症から闘病、そして長期寛解に至るまでの記録です。

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〜第5章〜 アルバム全曲解説 (11)B面-5 The Chamber of 32 Doors

歌詞はこちら アルバムのB面最後を飾るこの曲(*1)は、Counting out Time 同様、ピーター・ガブリエルがHeadry Grange のリハーサルに持ち込んだ曲のようで、これも詩・曲ともにピーターの作であるとされています。それだけに、アイランドスタジオで急遽作られた Carpet Crawlers と違って、この曲は最初から The Lamb のストーリー内で想定されていたシーンだと思われます。ストーリー的には、B面トップの Back in N.Y.C と対を

    • 〜第5章〜 アルバム全曲解説 (10)B面-4 The Carpet Crawlers

      歌詞はこちら B面4曲目のこの曲(*1)も、Grand Paradeと同様、ロンドンのアイランドスタジオに戻ってから、急遽追加された曲です。曲は主にトニー・バンクスとマイク・ラザフォードによって書かれ、印象的な歌メロはピーター・ガブリエルの手によるものです。ピーターは、ロンドンの義父母宅にこもって、そこにあった古いピアノを使ってこの歌メロを完成させたのだそうです。急遽追加で作られたにもかかわらず、これほどの名曲が誕生するというのが、彼らの神がかったところですね。この曲はイギ

      • 〜第5章〜 アルバム全曲解説 (9)B面-3 Counting out Time

        歌詞はこちら アルバムのB面冒頭からはじまった回顧3部作の最後は、レエルの初体験を回想する歌です。この曲は、Headly Grangeのセッションにピーター自身が原案を持ち込んで作られたものです。つまりこの曲は、アルバム中唯一の、歌詞も曲もガブリエルが作った曲とされています。Headly Grangeのブートに当時のセッションが残されていますが、仕上がったバージョンはこのときのセッションとはほど遠いコミカルな雰囲気となっており、途中段階で相当な変更が加えられていることがよく

        • 〜第5章〜 アルバム全曲解説 (8)B面-2 Hairless Heart

          この曲は、アルバムで最初に登場するインストゥルメンタルです。B面1曲目からはじまる、追憶三部作の2曲目です。 【テキスト】【歌詞】とその内容 インストゥルメンタルですから、【歌詞】はないのですが、もともとこの曲は、前曲Back in N.Y.Cの【歌詞】最後の方で、 と歌われて、それを受けて展開されるシーンです。【テキスト】の方では、このように解説されます。 つまり、これは精神の世界を旅しているレエルが、その中でさらに見た夢だという建て付けになっているわけです。結局レ

        〜第5章〜 アルバム全曲解説 (11)B面-5 The Chamber of 32 Doors

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          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (7)B面-1 Back in N.Y.C.

          歌詞はこちら さて、ここからアナログ盤(*1)B面に入ります。 A面最後の曲 The Grand Parade of Lifeless Packaging の終盤で、ギャング仲間や兄のジョンをドリームドールの中に見つけて恐怖に駆られたレエルは、人形が並ぶ工場のフロアから逃げ出すわけですが、どうもまだ工場の建物の中にいるようなのです。このあたりあまりはっきりと【テキスト】や【歌詞】に書かれていないのですが、この建物内で、レエルは過去の事を回想するのですね。このB面冒頭から始ま

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (7)B面-1 Back in N.Y.C.

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (6)A面-6 The Grand Parade of Lifeless Packaging

          歌詞はこちら LPのA面最後となるこの曲は、アルバム制作の最後の最後、つまりロンドンのアイランドスタジオに戻ってから、ピーター・ガブリエルが曲が足りないと言い出して、それを受けたトニー・バンクスが、急遽ひとりで作った曲です。前曲 In The Cage がその後もライブの定番曲となるほどの名曲だったわけで、A面はそこで終わっても良かったとも思うのですが、ピーターは、敢えてもう1曲追加する必要があると考えたのです。ところが、ストーリー的にはこれは本当に必要だったのか?というよ

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (6)A面-6 The Grand Parade of Lifeless Packaging

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (5)A面-5 In The Cage

          歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 曲の冒頭では、前曲Cokoo Cocoonを受けて、ドラッグを使用したような状態で、安心しきって寝ているシーンが歌われます。(*1) 一方【テキスト】では、レエルが突然目を覚ますところからスタートします。 すると、自分を包んでいたはずの繭は消えており、そこが洞窟の中であることをはっきりとレエルは認識し、パニックとなるわけです。 そして、この洞窟は鍾乳洞であることが語られるのですが、普通は1cm成長するのに100年以上かか

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (5)A面-5 In The Cage

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (4) A面-4 Cockoo Cocoon

          歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 前の曲、Broadway Melody of 1974の最後で、ブラックアウトしたレエルが意識を取り戻します。 すると、何か繭のようなものに周囲を覆われていて、聞こえる音は水滴の音だけなのです。前の曲で最後にドラッグの使用がほのめかされていたのは、次に、主人公レエルが、非常に気持ちの良い状態で目覚めるということにつながる伏線らしいのですね。 また、この「水滴の音」は、レエルは洞窟の中にいることを示唆しているわけです。 そ

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (4) A面-4 Cockoo Cocoon

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (3) A面-3 Broadway Melody of 1974

          歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 さて、アルバム3曲目ですが、ここでピーター・ガブリエルの言う「言葉の洪水」となります。この曲では、「肉体から精神が離脱していく瞬間にレエルが見る幻影」が歌われています。この幻影は、パレードのスタイルをとっており、まさに次から次へといろいろなものが目の前を通り過ぎていくというイメージです。ところがその内容が非常に意味の分からないシーンばかりなのです。恐らくピーターは、ここでお得意の言葉遊びを炸裂させており「意味不明な情景」を表現

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (3) A面-3 Broadway Melody of 1974

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (2) A面-2 Fly on a Windshiled 

          歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とその内容 レエル登場のオープニングから一転、雰囲気のあるメロトロンコーラスをバックにした静かなギターのストロークで、2曲目が始まります。レエルがブロードウェイで横たわるヒツジを見た次の展開です。ピーターが抑え気味に歌い始めます。 このタイムズスクエアに降りてきた「死の壁」が、どういうものかは【テキスト】でくわしく説明されています。 この47thストリート(*1)に出現した雲は、視界をさえぎるのではなく「一瞬前まで反対側にあった3次元

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (2) A面-2 Fly on a Windshiled 

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (1)A面-1 The Lamb Lies Down on Broadway

          いよいよ、この記事からアルバムの収録順に1曲づつ解説していきます。この作品、インナースリーブの物語、歌詞が一方だけで完結するようになってませんので、適宜引用しながら紹介します。たまにピーターのライブMCも混ぜてストーリーの流れが分かるようにしようと思います。これまでもわりと無自覚に物語のことを「テキスト」と書いてきましたが、以後、ストーリー部分の記述を【テキスト】歌詞は【歌詞】、ピーターのライブMCは【MC】と区別するようにします。 歌詞はこちら 【テキスト】【歌詞】とそ

          〜第5章〜 アルバム全曲解説 (1)A面-1 The Lamb Lies Down on Broadway

          〜第4章〜 The Lambの内容 (4)謎の前書きとその解釈

          さて、第4章のしめくくりとして、インナースリーブを埋め尽くしているあのストーリー(以下【テキスト】と言います)の謎の冒頭(前書き)部分についての説明をここでしたいと思います。この後の【テキスト】と歌詞については、次の第5章で、1曲づつ記事化するつもりですが、この部分は歌に含まれていない一節ですので、ここで書いておくことにしました。 それにしても本当に訳の分からない書き出しなのです。このアルバムをはじめて手にした高校1年生のとき、LPに翻訳がついていなかったので、英語の辞書を

          〜第4章〜 The Lambの内容 (4)謎の前書きとその解釈

          〜第4章〜 The Lambの内容 (3)brother John は兄なのか弟なのか?

          今回は、ちょっと息抜き的なテーマで行きたいと思います(笑) The Lambのストーリー、全歌詞を通じて、brother John と表現されるレエルの兄弟(最後は同一人物ということになるわけですが…ネタバレですがいいですよね、今さらw)は、レエルの兄なのか弟なのか問題です。 基本ストーリーにも、歌詞の中にも、レエルより年上なのか、年下なのか、これを決定できるような記述は一切無いのです。しかし、日本語に訳すとき、これは割と大きな問題でして、兄と訳すか、弟と訳すかの判断材料

          〜第4章〜 The Lambの内容 (3)brother John は兄なのか弟なのか?

          〜第4章〜 The Lambの内容 (2)RAELの名前の意味とは、The Lambの意味するものとは

          主人公はなぜRAEL(レエル)という名前なのか これもまず一番最初に、ピーター・ガブリエル本人は、こう言ってるのです。 ガブリエル自身も、この名前に決めるまでには結構時間をかけたらしく、本人も納得してるネーミングのようなのです。彼は一貫して「特定の国籍と結びつかない名前」を探したと言っており、実際そうだったのでしょうが、当然ながらいろいろな説も言われております。 ・REALのアナグラム説  一番かんたんな説明は、これですね。つまりREAL(=真実)の真ん中2文字を入れ

          〜第4章〜 The Lambの内容 (2)RAELの名前の意味とは、The Lambの意味するものとは

          〜第4章〜 The Lambの内容 (1)ストーリーの「参考」となったコンテンツ

          どのような芸術作品にも、そのベースというか、創作者がインスパイアされたネタというものがあるものです。ピーター・ガブリエルも、The Lambのストーリーを作るに当たって、様々なコンテンツを下敷き、参考にしています。これらは、これまでピーター・ガブリエルが直接言及したものだけでなく、研究者などに指摘されてきた資料も含んでいます。The Lambのストーリーを解釈するための「補助線」として、たいへん重要なものだと思います。 ●ウエスト・サイド物語 1961年公開のアメリカのミ

          〜第4章〜 The Lambの内容 (1)ストーリーの「参考」となったコンテンツ

          〜第3章〜 The Lambの制作 (3)アイランドスタジオでの最終作業とアルバムの完成

          8月19日にGlaspantでのバックトラックのレコーディングを終えたメンバーは、各自が自宅に戻り、次にロンドンにある、アイランドスタジオでの作業にうつります。 仕上がらない歌詞 通常レコーディングが全て終わっていれば、最後の作業は、ステレオへのミックスダウンだけとなるわけですが、この時点でまだボーカルトラックがほとんど録音されておらず、様々な作業が同時進行で行われるという、バタバタなフィニッシュ作業となるわけです(*1)。 ピーターは、相変わらず歌詞が仕上がらず、「

          〜第3章〜 The Lambの制作 (3)アイランドスタジオでの最終作業とアルバムの完成