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1983年の洋楽ヒットソング

 1983年の洋楽シーンと言えば、もうマイケル・ジャクソンの大ブレイクに尽きると思います。アルバム、スリラーは、前年82年12月の発売で、同年10月に先行リリースしたポール・マッカートニー参加の The Girl Is Mine が全米2位となります。つまり、アルバムからのヒットはここから始まっているわけですが、本当に凄かったのは83年なんですよね。

1983年(昭和58年)の出来事

  • 4月 ベイルートのアメリカ大使館で爆弾テロ事件

  • 4月 フジテレビ「オールナイトフジ」放送開始 女子大生ブーム始まる

  • 4月 東京ディズニーランド開園

  • 7月 任天堂がファミリーコンピュータ(ファミコン)を発売

  • 9月 大韓航空機撃墜事件 ソ連機が領空侵犯した旅客機を撃墜

  • 10月 ビルマのラングーンで北朝鮮による爆弾テロ事件

  • 10月 アメリカ軍グレナダに侵攻

  • 12月 YMOが最後の国内ツアー「散会コンサート」を開催


1983年の洋楽ヒットソング

Billie Jean / Michael Jackson

1月のシングルカットで、これがマイケル・ジャクソンにとっても、久しぶりの全米1位を記録。

Beat It(邦題:今夜はビート・イット) / Michael Jackson

2月のシングルカット。そして2曲続けて全米1位を獲得

Wanna Be Startin' Somethin' / Michael Jackson

5月のシングルカットはアルバムスリラーの冒頭曲。これは全米5位。日本ではあまり流行らなかったような気も…。

Human Nature / Michael Jackson

7月のシングルカット。これは全米7位が最高位でした。でも、日本では先の Wanna Be Startin' Somethin' より、よく聴いたような気がします。

P.Y.T. (Pretty Young Thing) / Michael Jackson

9月のシングルカット。全米10位。ここまでで、アルバムスリラーから6曲シングルカットされているのですが、全曲がビルボードベスト10以内にランクインしたというとんでもない状況だったわけです。

Say Say Say / Paul McCartney & Mickael Jackson

10月のシングルカット。この曲は、マイケル・ジャクソン名義ではなく、ポール・マッカートニーのアルバム(Pipes Of Peace)収録曲なんですが、これも全米1位を獲得してまして、まあマイケル・ジャクソン関係のヒットが続いているということなんですね。まあ、ポール・マッカートニーも、スティービー・ワンダーの次はマイケル・ジャクソンと、いいとこつまみますよね(笑)

Thriller / Michael Jackson

そしていよいよスリラーの登場です。これは11月のシングルカットで、このMVが公開されたのは12月になってからでした。この歴史的なMVのインパクトは本当に凄かったですね。もうテレビで何度見たかわからないくらいですし、一種の社会現象にもなったと思います。ただ、曲自体はビルボード4位が最高位で、1位とってないんですよね。

 というわけで、なんかもう1年中マイケル・ジャクソンを浴び続けた年だったわけで、アル・ヤンコビックなんてパロディミュージシャンまで大ヒットするほどだったんですが、この年は、これだけじゃないんです。その他にも80年代を代表する名曲がたくさん生まれてる年なんです。

Every Breath You Take / The Police

この年のビルボード年間シングルチャートの1位はこの曲だったのですね(Billy Jeanを抑えての1位)。ポリスは1979年にMessage in a Bottleという全米No.1ソングを出していますが、恐らくそれを上回るヒットだったと思います。

Flashdance... What a Feeling / Irene Cara

Maniac / Michael Sembello

アイリーン・キャラも、マイケル・センベロも、どちらも映画フラッシュダンスのオリジナルサウンドトラックからのヒットです。映画も大ヒットしましたが、この曲も売れましたねぇ。

Maneater / Daryl Hall & John Oates

この人たちも、この時期「出せば売れる」状態だったような気がします。

Do You Really Want to Hurt Me?(邦題:君は完璧さ) / Culture Club

80年代のアイコンといえるグループのひとつですね。ここから結構長い間売れていたようなイメージがあります。

Uptown Girl / Billy Joel

マイケル・ジャクソンの影響か、ビリー・ジョエルの下手な踊りが全編でフィーチャーされてます(笑) 70年代後半から何が流行ろうが自分の音楽でヒットを続けてきたビリー・ジョエルでしたが、ここにきてちょっと80年代っぽくなりましたかね…

I Guess That's Why They Call It the Blues(邦題:ブルースはお好き) / Elton John

しばらくヒットチャートで聞かなくなったエルトン・ジョンが帰ってきました。まだいろいろあったようですが、この頃からアルバムもまた売れるようになってきたんだと思います。

Moonlight Shadow /  Mike Oldfield

孤高のミュージシャンの筆頭格マイク・オールドフィールドですが、この年こんなポップな曲でヒットします。ただ、ヒットしたのはイギリスを中心としたヨーロッパだけでして、ビルボードにはランクインしてませんでしたので、日本ではあまりOAされてなかったかもしれません。

Africa / TOTO

この曲は日本で耳にタコができるくらいOAされてましたね。わたしを含めて、日本の便器からネーミングしたというジョークを信じてた人、多かったでしょうねえ(笑)

Rock It / Herbie Hancock

フュージョンブームの中で、ファンクとジャズの融合というちょっと独自路線の作品を作っていたハービー・ハンコックが、かなりロックっぽい音と、聴いたことのない「スクラッチ」サウンドをひっさげて、突然の大ヒット。MVにレコードをこすってるシーンが無いために、あれはシンセの音かと思っていたのですが、まさかあんなことやって出してる音だとは。でもこれは、ハービー・ハンコックの「大発明」だったわけですね。

Hungry Like the Wolf / Duran Duran

わたしはニューウェーブと聞くと、何となく彼らを思い出すのですが、実際もうこの頃にはニューウェーブとか何とか、どうでも良くなっていたような気がします。まさに80年代を代表する曲ではないかと思います。

Let's Dance / David Bowie

デビッド・ボウイというと、ちょっと前にクイーンとコラボしたヒットがありましたけど、わたし的には何となく70年代のイメージが残っており、わりとクセの強いミュージシャンだと思っていたのですが、この曲でのイメージチェンジはちょっとびっくりしたのです。それにしても、これも流行りましたよね。

Puttin' On the Ritz(邦題:踊るリッツの夜) / Taco 

突如1920年代の曲のカバーで売れた一発屋、タコ! 日本版シングルのジャケットには蛸の絵がかかれるとか、レコード会社の悪ノリのおかげで、日本だけで売れたのかと思いきや、ビルボードの年間シングルチャートでもベスト30に入るヒットでして、案外世界的に売れてるんですよね。でも、なんだったんでしょうね、これ(笑)

Can't Take My Eyes Off You(邦題:君の瞳に恋してる) / Boys Town Gang

この頃かなり減ってきていた、ディスコソングだったんですが、この曲はけっこうヒットしましたね。日本だけかと思ったら、アメリカでも結構売れたようです。

Nathalie(邦題:黒い瞳のナタリー) / Julio Iglesias

日本では郷ひろみがカバーした曲が売れてましたね。多分それで元曲も売れたのではないかと。フリオ・イグレシアスといえば、一時期、オバ様方のアイドル状態だったような記憶が….

Children Of The Light(邦題:光の天使)/ Rosemary Butler

この曲を洋楽ランキングに入れるのは、本当は違うと思います。アニメ「幻魔大戦」のテーマソングですので。でもこれ、キース・エマーソンの作品なんですよね。間奏部分がエマーソンらしく主張しているのですが、「キース・エマーソンがこんな仕事するんだ…」とちょっと驚いたりしたもので(^^;)

 この頃、邦楽の音楽シーンでは、ニューミュージックと言われる人たちの存在感がどんどん増していたのですが、この年のシングル1位は大川栄策(さざんかの宿)、2位細川たかし(矢切の渡し)なんです。その他も、ヒロシ&キーボー(3年目の浮気)とか、日野美歌(氷雨)とかが、かなりヒットしてまして、その他にも都はるみや森進一もがんばっていたりするわけです。まだまだ日本では演歌とムード歌謡健在が示された年でしたかね。そしてその他は、ニューミュージックというよりは、アイドル勢がまだ相当な位置を占めてまして、松田聖子、中森明菜、原田知世、薬師丸ひろ子、近藤真彦、河合奈保子、柏原芳恵、田原俊彦、早見優とかとか。サザンオールスターズはコンスタントにヒットを飛ばしているのですが、まだまだ邦楽の世界はこんな感じだったのでした。


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