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141. お庭でBBQ

Bonjour!🇫🇷 毎週金曜日に更新のフランス滞在記をお届けします。
今号は、コロナ禍にフランスから帰国後、お庭でBBQをした時のお話。

引っ越す前にボーボーになった庭をなんとかしようと思い、庭中の枝葉の伐採をすることにしたわたし。

最初はきちんと枝を折って燃えるゴミの袋に詰めていたのだが全くそれで間に合うような量ではなく、穴を掘ってそこで燃やすことにした。初夏を感じる日差しの下、ガツガツとスコップを土にいれて額に汗をかく。この家に引っ越したばかりの頃、畑でも始めようかとか、芝生を敷き詰めてヨガができるようにしようかとか、色々と妄想しているうちに妊娠して子育てが始まって・・。

そんなこんなで、すっかり観賞用になってしまったこの広いお庭。そんなことを考えながら穴を掘っていたら、同じ地区に美味しい焼肉屋さんがテイクアウトメニューを始めたという風の噂を聞いて、そうだ、せっかくだからこの庭とさようならする前にBBQでもやろうかと思い立った。玄関先には以前キャンプ場で友達とBBQをした時に余った木炭だってある。最後くらいこの広ーい庭を満喫したいではないか、と思ったのだ。

まさか枝の伐採からBBQの流れになるとは・・
美味しそうなお肉が手に入りましたよ!
焼けたかな?
いい匂いがしてきました

お肉を買って、家の中にあるものテーブルを作り、家の本棚の柱に使っていたレンガを集めて簡易的なバーベキューコンロを作った。火を起こして、青い青い空の下、近所の人のことも匂いも気にせずジュージューと焼いた肉や野菜を頬張る。美味しそうだね、焼けたかな、と会話が弾む。

ゆっくりゆっくり2時間ほどかけてお昼ご飯。
・・これを至福と言わずしてなんと言おう。

これもキッチンはわたしだけのものではない、と気がついたからなのだろうか。


それにしても、お庭BBQがこんなに簡単で幸せなものなんだったら、もっとやっておけばよかった。そう気がついたのはきっと引っ越しという大きなイベントが迫っていたからだろう。大体そんなものだ。

広いお庭の一箇所にちょこんと固まりBBQをするという贅沢な使いっぷり。
スペースを持て余している感が満載なのだが、これもわたし達らしくていいのかなと思った昼下がり。わたし達なりの形でご縁のある場所と出会って、そしてわたし達なりの形でさようならをしていくのだろう。

Au revoir!

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