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【アートレビュー】大地の芸術祭⑤・最後の教室/新潟/越後妻有

松之山エリアです。
地方芸術祭にありがちなナビ問題。
近くにランドマークがある場合はそちらを目安に。なければ住所で検索して探しました。
「最後の教室」は残念ながらお亡くなりになられたクリスチャン・ボルタンスキーさんの作品です。
廃校となった小学校を活用しています。
「死にとうない」という恐怖と不思議な安らぎを覚えるボルタンスキーの作品。
追悼の意も込めながら、生前の思いを辿る鑑賞でした。


作品について

2003年に同じ場所で作品を展開した作家。再び計画を詰めるために作家が現地を訪れたのは記録的な大雪となった2006年の冬だった。そこには2003年に見たのとは全く異なる風景と雪に閉ざされた学校があった。5ヵ月もの間深い雪に閉ざされる地域を、作家はそのとき実感したのかもしれない。場の記憶を建物の中に密度濃く、重く閉じ込めた作品となった。一般公開に先立って行われた集落向けの内覧会には地域のお年寄りが多く参加した。その際、地域・学校にまつわる物を持ってきてもらった。それらはエントランスから最も奥にある小さなスペースにひっそりと集められている。
(公式HPより抜粋)

入口からして廃墟感。
明るめに撮れていますが、実際は明るさに順応するまで時間がかかります。
敷き詰められた干し草のにおいと足の裏の感触、静寂、暗闇、と感覚をフル活用される空間です
扇風機が異様
電球はボルタンスキー作品ではおなじみですね。儚さを感じます。
2階へ上がるとこんな感じ。明るく撮れていますが、それぞれの部屋の看板が廃墟感を増長させます。
あかりのある方へ向かいます。
目に悪い明るさです。
3階だったかな。別フロアへ行くと棺桶が並んでいます。おそろしい。
当時使われていたものを覆っているのか、白い布が被せられていると色々想像が膨らみます。
ただただ怖い
透明の棺桶?
最後の部屋を覗き込むとこのようなからくりのゴーストたちが。国立新美術館へ行ったことのあり方ならわかる演出。

お化け屋敷感たっぷりですが、多くの人がボルタンスキー作品を好きになる理由は生死への表現の中にあるやすらぎではないでしょうか。
私自身正直ストレートすぎて大好きとは言い難いのですが、それでも心に残ります。それは最後まで人生のテーマに真摯に向き合ってきたその生き様を素通りできないからなのです。

公式HP


次回は美人林へ。引き続きボルタンスキー作品。日本においては遺作になるのでしょうか。2022年作品「森の精」のご紹介です。


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