蟻塚とかげ@爬虫類館出版局

日曜翻訳家 / 「爬虫類館出版局」で隠密活動中 / 成瀬巳喜男原理主義者 / 海外マン…

蟻塚とかげ@爬虫類館出版局

日曜翻訳家 / 「爬虫類館出版局」で隠密活動中 / 成瀬巳喜男原理主義者 / 海外マンガ勉強中

最近の記事

読蜥蜴の毒読日記 24/3/22 ③

それは「原作」と呼ばれる #2映画『アメリカン・フィクション』と 小説 “Erasure” by Percival Everett について 「フィクションにおいてフィクションを捏造するとは?」  世の中にはちょっと聞いただけで「それは面白そう!」と感じるコンセプトを持っている映画や小説があるものです。  例えば「インテリの黒人作家がステレオタイプの黒人観にうんざりして、チンピラの黒人を主人公にした小説をでっちあげると、その本が大評判になって大弱り」みたいな。  こん

    • 読蜥蜴の毒読日記 24/3/22 ②

      それは「原作」とよばれる #1映画『ザ・キラー』2023 と 漫画“The Killer”(“Le Tueur”の英訳版) について 「殺し屋は何と闘い、フィンチャーは何に敗れたか」  映画『ザ・キラー』の原作はフランスのバンド・デシネ “Le Tueur” です。  オリジナル版は全13巻。第1巻の刊行が1998年で最終13巻が2014年。足かけ6年の長期シリーズです。私が読んだ英訳版電書総集編だと1巻の頁数がだいたい60頁超くらいですからBDのなかでは長い方の作品にな

      • 読蜥蜴の毒読日記 24/3/22 ①

        小説番外地 #1ウィリアム・ゴイエン 『息づく家』(1949) “The House of Breath” by William Goyen(Dzanc Books 2014 電書版)  私の2024年初読書はこの作品でした。  1月に読了したのですが、余りも驚愕したため、長いことレビューを書けずにいました。 なにしろ今までにお目にかかったことがないほど、異様な表現方法をとり、そこに妥協がない小説だったので。    そんな奇妙な小説 『息づく家』はこう始まります 『……そ

      読蜥蜴の毒読日記 24/3/22 ③