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気候変動配慮時代のビジネス地区を目指すシンガポール・ジュロンレイク地区

case | 事例

  • シンガポール西部のジュロン・レイク地区(JLD)は、都心部以外で国内最大のビジネス地区となる複合開発地区であるが、持続可能で包括的かつ強靭な都市計画のモデルとなることを目指している。地区では「シンガポール・グリーンプラン2030」で示された持続可能な成長へのコミットメントを体現するとともに、働きやすさ、住みやすさ、自然の調和との共存を促進することを志向している。

  • 限られた土地資源の中で補完的な施設や用途を1つの開発に併設すること(事例として、地域図書館、スポーツ施設、コミュニティ施設、芸術施設などを一つにまとめた「タンピネス・ハブ」);シンガポールの「自然の中の都市」ビジョンの実現に向け2030年までにすべての世帯が公園から徒歩10分以内に住めるようにすること;都市の変貌の中でアイデンティティを失わないよう記念物、建造物、遺産などのシンボルを計画的に保存・配置すること;地区の40%以上を公園、緑地、水域として確保され2045年までに排出量ネット・ゼロを達成すること、など各面で計画的に開発が進められている。

  • また、2040~50年に開発完了予定の未来の都市であることから、より多くの若者が今後の課題に対処するための革新的なアイデアを提案できるよう、今年のULIハインズ学生コンペティションでJLDがテーマ設定する中、20チームがJLDへの提案に参加し、早稲田大学のチームOmusubiなどがファイナリストとして残った。

insight | 知見

  • 持続可能な地区開発ということで、福岡市の箱崎九大跡地開発の参考になるかなと記事読みました。JLDは全体で410haの開発範囲がありスケールの差(箱崎は約30ha)はありましたが、土地資源の効率的な活用、住みやすさと働きやすさ、自然と緑、歴史文化、排出量削減、持続可能で包括的かつ強靭といったテーマは現代の開発には共通するものですね。

  • 未来の都市開発であるからこそ若者からの提案が必要だ、というのは大事な視点だと思います。開発事業に関しては著名建築家や、実績のある企業コンソーシアムからの提案は実現可能性という面から採択されるのは自然だと思いますが、それとは別に若い新しい視点をもらう意味から、記事にあるような第三者の企画を活用することは良いアイデアだと思います。