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気候変動によりレジリエントな住宅がより求められている

case | 事例

  • 気候変動の問題が深刻化するにつれ、レジリエントな住宅設計は建設業者や建築家にとってより重要な課題となってきている。フロリダを襲った史上初のカテゴリー5ハリケーンにおいても生き延びた住宅を建てた住宅メーカー・デルテック社は、極端な天候に耐えるように、自然の力をいなすように住宅を設計している。同社は、強風に耐えるだけでなく、断熱材、ヒートポンプ、省エネ家電、屋上太陽光発電などを使用する持続可能な建築を手掛けるが、「レジリエンスこそが持続可能性の根幹をなす」とCEOは語る。

  • ハリケーンに強く、気候変動への影響も少ない住宅地を開発する企業も現れている。フロリダ州コルテスの住宅地開発では、レジリエントな建物を評価するシステム「LEED」において最高レベルの評価を全ての住宅が取得している。同住宅地デベロッパーのパール・ホームズは、洪水対応として全住宅を定められた基準高度より約5メートル高くしおり、街区内の道路も同様に嵩上げしている。送電網が利用できないときに電力を供給する住宅用蓄電池も各戸に設置されている。

  • サンフランシスコで活躍する女性建築家Cary Bernsteinは「全ての人が平等に気候変動の影響に対応できるよう公共政策は対処する必要があり、現行の建築基準法の基準を上回る対策をするべきだ。長い間、技術を活用することで気候の影響を無視してより快適で健康的な個人的環境を提供することができたが、レジリエントな未来のためには、総合的に見ると戸建住宅は持続可能なものではなく、密度を高めて土地を利用することや、居住の文化を変えていく必要がある。」と語る。

insight | 知見

  • 沖縄の住宅の9割以上が鉄筋コンクリート(RC)造である理由は、戦後復興の米軍統治の際にRC造が台風に強いということで広まり、その後行政も積極的に推進してきたからだと聞きます。ここ数年九州では台風による洪水・災害の発生とともに、木造住宅が流される光景などをよく報道で目にしますが、九州でも沖縄のようなRC造建築を推進していかないといけないのかもしれません。

  • 記事では建築家が戸建住宅はもはや持続可能ではないと過激なことを言っていますが、過去に作られた基準で現在の気候変動に対応できないのであれば、公共政策として住宅の構造やまちの作り方を真剣に考え直すべきなのは指摘のとおりだと思います。