これ以上のお菓子爆食いを防ぐため、お菓子食べすぎ問題について真剣に考える。そのためにまずポテチとチョコレートをつまむ用意をする。飲み物は……コーヒー牛乳にする。

今回はお菓子がおいしいという事実を伝えるために筆を手にしたわけだが、筆だと思って手にしたのがポッキーだったのでそのまま食べることにした。

お菓子、おいしいね。
本当マジで。
おいしいね。

お菓子というと子供が食べるものというイメージがあったりもするが、私の場合は真逆だ。子供の頃はお菓子なんて一つも食べたいと思わなかった。
特に甘いものが嫌いだった。チョコになんか用はない。ケーキ? よそでろうそくフーフーされてろ。おはぎ? おはぎ!? なにこれ、うっへ。食の中心であるお米様をなぜ甘いあんこで包む!? 囚われたお米様を救うため、私はひのきの棒を手に立ち上がったのだがそれはまた別のお話。

誕生日やクリスマスのケーキもまったく興味がなかったし、バレンタインにしたってチョコの代わりに豚の角煮をくれと言っていたほどだ。そうか。チョコを誰からももらえなかったのはそういうわけか。豚の角煮だってもらってないけど。まあ、調理に時間がかかるから。

そんな私だったが、いつからだろうか、甘いもの大好き人間に変わってしまった。
きっとこういうことなのだろう。
子供の頃は甘ったれた世界で生きてきたため、甘いものなんか食べたいと思わなかった。しかし、大人になって苦虫を噛み潰したような社会に出るともうどこにも甘さなんかない。だから甘いものが食べたくなるのだ。

さあ、今こそあんこと手をとり、お米様を優しく包みあげて差し上げましょう。おはぎを作るのです。おはぎを食べるのです。神棚の代わりにおはぎ棚を、仏壇の代わりにおはぎ壇を。こうして宗教法人おはぎ教はまたたくまに信仰を広めていったなんていう甘い話はない。

とにかく最近の私ときたら、子供の頃に食べてこなかった反動なのか、お菓子バクバク3バクバク、合わせてバクバク6バクバクといった状況だ。

大人になってお菓子が好きになるなんて厄介な話だ。
現状、大人買いして子供食いしているわけでござんす。へっへっへ。

これは体によくないのではないか。
なんと私はそこに気がついたのだ。だって大人だもん。

そこで、しばしの間、お菓子断ちをすることにした。とはいえ、完全にやめてしまうとかえって食べたくなってしまう恐れがある。なので、多少のお菓子は備蓄しておくとする。
最近はまっている堅あげポテトを5袋に、バームクーヘンの詰め合わせを箱で、ひねり揚げを3袋、ジャイアントコーンを6本、駄菓子の定番うまい棒を輪切りにした商品うまい輪を味ごとに3袋ずつ。
あれ、ちょっと待って。つい数行前にお菓子断ちって言ってなかったっけ。
それから「フィギュアがほしいんだよ、フィギュアが」とレジで店員さんに言い訳をしながらヒロアカのチョコエッグを20個ほど大人買い。
いや、もう追加のお菓子の話はいいや。

とにかく、私は鉄の意志でもってお菓子を遠ざけることにしたのだ。嘘くさく聞こえるかもしれないが。
今度こそ本気だ。
小腹が空いてもお菓子は食べない。
頭を使ったあと甘いものがほしくなってもお菓子は食べない。

(上手から白衣を着た男性が登壇)
さて、このように人間にとって必須の栄養素であるお菓子を口にしなくなると、人はどうなってしまうのでしょう。誰もが恐れて踏み込まなかった領域に、我が研究グループはどっぷりと肩まで浸かってみたのです。

そこで、研究員たちは驚きの結果を目撃することとなります。

被験者は、お菓子断ちをして三時間のAさん。
パソコンに向かって作業していたはずのAさんでしたが、おもむろに立ち上がり、台所の戸棚を物色し始めます。彼が見つけたのは、ハチミツでした。なにやらメロディを口ずさんでいます。「お~腹がすぅいたよ はぁらぺこお腹だ」なんとプーさんです。プーさんになってしまいました。片手にハチミツの入った壺をかかえ、もう片方の手でどろりんちょハチミツをすくいとり、べろんべろんと舐め始めたのです。

そうなのです。ハチミツっておいしいのです。
蜂って本当えらいなあなんて明日が締め切りの仕事のことを完全に頭の外に放り出し、ファンシーなことを考え始めてしまうのです。

そのAさんからハチミツを奪うとどうなるでしょう。我々は追加検証を敢行。
すると今度は、砂糖です。砂糖を舐め始めました。

禁断の実験から、我々は貴重なデータを採取することに成功したといえるでしょう。


ふうん。
結果として言えることは、ただ一つ。
やはりお菓子はおいしいということなのだった。

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