「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」 を観劇して

10/25~11/12にシアターオーブで上演していた、「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」を観劇しました。

有名な同名映画のミュージカル版(以下、舞台版)の来日公演で、日本では2014、2016年に帝国劇場でも上演されました。
この舞台、私の中で好きなミュージカル1,2位に位置するぐらい大好きな作品です。

映画版と大筋は同じですが、舞台版ははだいぶアレンジが入ってます。例を挙げると
・映画版の曲は使われず、全て新たにアラン・メンケン作曲
・時代設定が1990年頃(映画公開時の現代)から1970年代に変更
・デロリス(主人公)を保護する刑事の設定変更。デロリスに惚れていた高校の同級生に。
・ミサでシスター達が歌う際、キラキラの派手なシスター服を着用
などなど。

特に映画版の曲が1曲もないのは、原作ファンとしては残念なところですが。Hail Holy Queenも無し。
実際、自分も観る前は「メンケン作曲とはいえ原作の曲と違うのは無いわ…」と期待度小でした。

ところが…、実際見ると予想外の楽しさに観劇前の不安は全部吹き飛んじゃいました。
ミサで聖歌隊がキラキラのシスター服を着てノリノリでディスコを歌うシーン、
ギャング達が「絶対デロリスを捕まえるぞ!」と意気込みを歌うシーン、
フィナーレではでは修道院長までキラキラ衣装で加わり…
ライブみたいに明るくてハッピーエンドで観劇後に幸せな気分になれる舞台でした。

帝劇版、来日版と通算4回目ですが、この感動は今回も変わらず。
正直こんなにはまるとは思わず毎度楽しみにしている作品です。
今回は1度だけと思ったのですが、勢いで観劇後にリピーターチケットを購入してしまいました…

曲の盛り上がりももちろんですが、特に印象的なキャラクターが若い見習い、シスター・メアリー・ロバート。
舞台版では彼女の設定も掘り下げられています。
デロリスの影響で歌に目覚めて以降、それまでシスターでいることに何の疑問も持たなかった彼女が、今まで考えたことのなかった他の人生について考え始め、強くなりたい、勇敢になりたいと決意するところにも舞台版では焦点があたります。

教皇の前で演奏する前夜、ギャングに居場所がばれたためデロリスは一度修道院を出て警察に保護されますが、シスターたちを見捨てられないと自ら修道院へ戻ります。
この時デロリスを帰そうとする修道院長に対し、恐らく人生で初めて「No!」と立ち向かう…という、彼女の成長物語というのもひとつの見どころ。
この時に歌うソロナンバー「The Life I Never Led(邦題:私が生きてこなかった人生)」がとても良い曲で、一番好きな曲です。(さすがアラン・メンケンさん…)

この後シスターをやめるのか、考えた末シスターを続けるのか…
この話の中では答えは出ませんが、そんな彼女の進退も気になるところです。

ちなみに今回の来日公演で演じていたのはKim Sophieさん。
アジア系の人が演じていただけで「おっ」と思ったのですが、韓国系アメリカ人…と思ったら韓国生まれの韓国人らしく。
自国でミュージカル俳優として活躍した後、アメリカに渡り言葉を覚えるところからのスタートだったとか。
今回のこの配役、いろいろと自分と重なる部分もあったのではないでしょうか。

いろいろ舞台版について書きましたが、もちろん私は映画版も大好きです。
もし舞台版について「映画の曲と違うのか…」なんて残念に思った人がいたら全力で推したいです。
「それはそれとしてこのミュージカルは楽しい!」

2014年の帝劇版初演から、なんだかんだ(偶然かな?)毎年来日版と交互に上演されているので来年、再来年あたり帝劇で再演されないかなー…なんて思ってます。
森公美子のデロリスはインパクトすごいです。もう一度観たい。

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