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私がミュージカルにハマったわけ

ミュージカルを見始めてから今年でだいたい5年になります。
ほぼ大学を卒業してから観劇を始めたので、同年代の舞台好きにと比べると観劇歴は浅い部分もありますが
あっという間に自他共に認める舞台オタク、と言えるまでになってしまいました。笑

どうしてこうなったのか?改めて考えてみました。

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初めての観劇は劇団四季の「ウエストサイド物語」です。

大学4年の年末でしょうか、学生割引席の存在を知り1人でふらっと観に行ったのがすべての始まりでした。
なぜ1人で突然観に行ったのか?

一言でいえば「現実逃避」です!

当時は卒業できるか単位ぎりぎり&卒業研究が上手くいかない&就職も決まらない(大学4年の10~11月です)…と、
我ながらダメダメ大学生でした。(だいたい原因は自分の怠け癖ですが。)
「いっそのこと逃げたいなあ…」なんて考えていたころ、なんとなく劇団四季の電車広告を目にし、「なんだか楽しそう」という単純な理由でチケットを取ったのでした。
ちょうどウエストサイド物語は、高校時代に部活(マンドリン部)で音楽を演奏したことで馴染みがあったので選びました。

2500円の学生バルコニー席なので舞台への距離はとても遠く、オペラグラスの存在も知らなかったので役者さんは小さくしか見えませんでした。
が、こんなに衝撃を受けたのは初めてでした!
音楽はどれも格好良く感動的で、演じる役者さんの歌やセリフも美しく「これが生の舞台か…!」と感動しました。

どうも疲れている時や悩みを抱えているときほど影響を受けやすいとは常々思っているのですが、
恐らくこの瞬間がまさにそうだったのでしょう…。
学生時代のちょっとした悩みを抱えた状態に、ミュージカル観劇という楽しい経験が上手い具合に符合してしまったというわけです。

どうにか卒業して就職した後、四季作品から観劇をはじめて徐々に他の舞台にも手を出すようになったのでした。
今では素直に作品を楽しむことももちろん、キャスティングの違いや応援する俳優さん(いわゆる「推し」ですね…)がきっかけで見に行くことも多く
見事に沼にはまっていっております。

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ミュージカルを見たことがない場合、「いきなり歌いだす意味が分からない」と感じる人もいるのだとか。
不思議なことに私はそんな感想は全く抱きませんでした。
そもそも音楽は好きで、ミュージカルをすんなり受け入れられる環境でもあったというのも大きいのかもしれません。

運の良いことに、小中高の音楽の先生はどの人も授業中にミュージカル系の映画鑑賞の時間を設けてくれる先生でした。
小学校ではサウンドオブミュージックを抜粋で見せてくれましたし、中学では劇団四季のミュージカル李香蘭、
高校ではロンドン公演のキャッツや映画版アニー等々。

特に中学で観たミュージカル李香蘭のビデオは印象に残っています。
歌の上手い人といえばテレビの音楽番組にでるようなJPOP歌手しか知らなかったので、「テレビだけが歌の上手い人じゃないんだ…!」と驚いたものです。

ちなみにその李香蘭のビデオ、13、4年前に観たものですが当時と同じ主演女優(野村玲子さん)でまだ上演してます。
今思えば中学の先生は相当なミュージカル好きだったなあ…。

当時はハマりはしなかったものの、こういった経緯で定期的に観ていたためミュージカルという形態を普通に楽しめるようになっていたのだと思います。
小中高の音楽の先生たちに感謝です…。

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母は今の私のハマりようを見て呆れ半分、
「こんなにのめりこむなら、小さい頃から見せて子役とかやらせてみればよかったわ…」
なんて冗談を言いますが、それは絶対違うな!と思っています。

あくまで観客側で、純粋に作品を見て楽しめるからこそここまでハマったのであって
絶対に演じる側にはなりたくないな、という思いは強いです。
どの俳優さんも、演じる側には演じる側の楽しみや目的、やりがいがあって活躍されているとは思いますが
どうしても演じる側のプロの視点で観劇してしまい、今のように深く考えず素直に、という視点での観劇が難しくなってしまうのでは…と思います。
(自分に演じる側になれる能力があるのか、についてはともかく)
あと、見た目が華やかな分裏側は想像を絶する…なんて舞台に限らずよくありますよね。
私は素直に楽しいところだけ楽しみたい!

いい所だけつまみ食いしているようで、なんて勝手な楽しみ方だ!とは思いますが、
観客にはその分の対価が「チケット代」という形で表れていると理解しています。
または、応援している俳優さんがいる場合はたまーにお手紙を送るとか。

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不思議なもので、ぴったりはまる趣味を見つけてからというもの行動力がついたような気がします。
観たい、と思ったら即チケット予約…なんて行動も(金銭的に決して良いことではないですが)そうですし、
昨年は観劇目的で1人でNYまで行ってしまいました。
海外旅行は経験がありますが、今までの自分と比べるとまさか自分が1人海外なんて考えられなかったのである意味成長ですよね。
(この時の思いだし観劇記録も書きたいな…)

最近のこういった経験により、仕事やそれ以外でも行動することへのハードルが下がったような気がします。
以前よりも「とりあえず思い立ったらやってみる」という思考になっているなあ、と感じることが多々あるのですよね。

まさかあの時の現実逃避目的のウエストサイド物語が、現在に影響しているなんて我ながら不思議だと今でも思います。
月並みだけれど、何が人の人生に影響するかわからない…というやつですね。

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