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MarkeZineDay 2018 Autumn その3

9月20日 Day1

【A-1】デジタル与党時代のマーケター心得
【B-2】現場が知りたい今日から使えるデータ基点のコンテンツ開発手法
【B-3】Sansanの顧客基盤が統合されるまで。
【B-4】データに回帰するECマーケティング
【A-5】ITの力で顧客ベースを強化し、ロイヤルティを構築するには?
【A-6】「私だけの体験」で、顧客の笑顔を増やす方法
【A-7】2018年度マーケティングオートメーション実践編ひとまとめ
【B-8】ロイヤルカスタマーとつながる自社アプリの活用
【B-9】ライトニングトーク

【A-5】ITの力で顧客ベースを強化し、ロイヤルティを構築するには? 武内 一矢 和田 千弘 安成 蓉子

モデレータが安成さんで「すかいらーく」の和田さんと「トラストバンク(ふるさと納税)」の武内さんとのトークセッション形式。

顧客のロイヤリティ定義
武内さん:
ふるさと納税はユーザは寄付者となる。サイト自体のロイヤリティ向上はもちろん、納付先自治体のファンづくり(当事者化)
旧来のメインターゲット層
・お礼の品が欲しい人
・地域を応援したい人
今後意識すべきターゲット層
・決め手に欠ける人:手続き等よくわからん人
・漠然と罪悪感を感じる人:首都圏の税は下がっているのにお礼の品をもらっていいのかな?

和田さん:
重視していることは、食事は1人より複数の方が楽しいということ。絶対的に重視していることは「健康」「安心・安全」へのコミットメント。その次に「お値打ち感」「他では食べられない食事/時代に適した食事」と続く。今後は「環境保護」に力を入れていきたい。

ロイヤリティを高めるためのIT活用
武内さん:
MAを使ったユーザごとの寄付促進。
集中して届くのは嫌!→食品以外もありますよ
上限額がわからない→シミュレーションできる
応援したい自治体がない→いくつかのサンプルを紹介
忙しくて手続きの暇がない→ポイント制があり後から交換できる

和田さん:
T-Pointを導入することで行動履歴の取得が可能。MAにはsalesforceを活用して天気APIや位置情報と連携している。そこから例えばお店に近いユーザにはpush通知でクーポンの配布などを行なっている。
セグメント例:ブランド別(ガスト、バーミヤン)、キッズorノンキッズ、アルコールorノンアルコール、性別、TV告知

自動配信のシナリオでは雪が降った時にお天気クーポンとして牡蠣鍋を送ったりしている。特に雨の日クーポンは良い!

意外な成果・失敗談
武内さん:
7月の西日本豪雨発生時におけるソーシャルログインを利用したした新規登録数が通常月の約8倍となった。
→豪雨に見舞われた自治体を応援したいというユーザが多い。

和田さん:
店と店との間で、ITリテラシーの差がある。以前は近隣地域にビラを配りそのビラを持って来店してもらっていたのでダイレクトでわかっていたことが、webクーポンとなると本当にクーポンを配られていうのか心配になる。また、局所的に来店率が200%になったりと店舗に迷惑をかけてしまう事がある。店舗とマーケティングの相互理解が必要でここをクリアすると売り上げが向上する。

今後挑戦したいこと
武内さん:
個人的な思いになってしまうが、地域を活性化させたい。そして経済が回るようにしていきたい。ふるさと納税はその最初のきっかけになると考えている。

和田さん:
どれくらいお客さんがきているのかをもっと正確に知りたい。ビーコン設置したりともう少し正確な紐付けをしていきたい。

感想
モデレーターとの対談形式のセッションであった。しかしほとんどモデレーターの方は間に入る事ができなく打ち合わせ通りのストーリーで面白みは欠けてしまった。すかいらーく×ふるさと納税というアドリブな話を少し期待していた。すかいらーくの施策である天気と位置情報の組み合わせは色々なところで聞く事ができた内容で今後のスタンダードになっていくのだろう。


【A-6】「私だけの体験」で、顧客の笑顔を増やす方法
三浦 裕大 中田 敏文

CX(顧客体験)とは何だろう?
何でCXをやらないといけないの?
→CXをやるやらないで10倍の差がある。

全てのデータをユーザ軸で一元管理する。

ここで顧客体験のイメージ動画を再生
若い女性がスマホを操作しECショップを閲覧。すると背景が変わりあたかも実際のショップを歩いているかのイメージに切り替わる。
「いらっしゃいませ!」と仮想店員。その仮想店員と操作しているスマホの画面が重なる。
女の子:「今度、、Fesに行こうと思ってるのですが、、」
仮想店員:「それでしたらこちらの服はいかがでしょうか?」
スマホの画面にはオススメした服を自分が試着している様子を閲覧できる。
女の子:「可愛い!けど野外Fesだから雨が降ってくるかも、、」
仮想店員:「それでしたら、防水加工のこちらはいかがでしょうか?」
女の子:「素敵!これにしよう」
そうすると、その商品がスマホ画面でカゴに入る。
女の子:「あと、、音楽Fesに似合う帽子もあるかな?」
仮想店員:「もちろん!こちらはどうでしょうか?」
スマホの画面でオススメの帽子が自分の頭に次々と表示される。



仮想店員:「ありがとうございました!」
そして背景は自宅の戻り、買い物に満足した女の子がFesを楽しみにして終わる。

KARTEのサービスでできることの例
・久しぶりのユーザーにクーポンを配布する。
・お気に入りや閲覧履歴を簡単にwebサイトに導入できる。
・時間外の対応はチャットbotにできる。
定性的な測定ができる。
→ユーザがリアルタイムに操作しているサイトを管理ページ上からリアルタイムで操作の様子を確認できる。離脱の確認等のに活用できる。

ここからは実際にKARTEを導入している三井不動産を紹介
リアルとネットの垣根を超えたCX
→店頭タブレット、シューズ試着会、コラボイベントでリアルと共生

・具体的な施策として、ポップアップ、アンケート、スタンプラリー等
→ポップアップがあるorないでABテストを行う。ないと比べてCVRが30%アップ。
→購入者向けサイトに評価アンケートを設置すると回答率は高く76%

導入・運用して苦労した点
運用体制作り:各チームの意見取りまとめ、調整、誰がやるか?
UI・UXのコンセプト、骨太方針決め:文言などの細かいところがぶれる。
施策の評価:目標値の設定や施策の良し悪しの判断

まとめ
・マスとは1人1人の集合体
・お客様に迎合するのではなく新しい発見をもたらすようにする
・生活に根ざす

感想
顧客体験と言われると分かるような分からないようなあやふやなイメージを持ってしまうが、ここで紹介された動画は非常に分かりやすくとてもワクワクする内容であったのであえてテキストで起こしてみた。紹介の中でリアルタイムの管理画面について触れているが、顧客体験の状況を正確に捉える良いツールだと思った。離脱の状況、滞在時間、タッチポイント、取れるデータは膨大にある。
このリアルタイム性も今後のキーワードになって行くだろう。


【A-7】2018年度マーケティングオートメーション実践編ひとまとめ 池田 朋弘

MAをこれからどうやろうか、どう使おうか?伝える事がちゃんと伝わっているのか?

やりたいことは、ユーザ視点を間近にすることでコニュニケーションバグを無くし、価値が正しく伝わる社会を実現すること。

なぜ今MAなのか?
・情報が膨大に増え続けていて、ユーザの1つ1つの情報に接する時間は減る。
・できるだけひとりひとりのユーザに対してちゃんとした情報を届けてあげたい。が手動で行うのは不可能なので、その膨大な作業を自動化させたい。

そこでMAツール
色々なパターンがあって出し分けしている場合にMAツールが発揮する。
2〜3パターン程度の少ない場合にはメールで十分である。

MAを駆使して行いたいことは、
1.リードジェネレーション:新規顧客獲得
2.リードナーチャリング:見込み顧客育成
3.リードクオリフィケーション:見込み顧客から顧客になる可能性が高い層を選別する

STEP1 プランを立てる
・シナリオの整理を行う。
・抽象的なカスタマージャーニマップは必要ない。
・手元にあるユーザのデータをまずは整理する。それから営業や店舗、CS等へのヒアリングを行う。最終的に顧客へヒアリングを行う。
・そして簡単なシナリオをたくさん作る。

アクセス解析シナリオ用のコンテンツ
・1コンテンツを見ただけではユーザを能動的に変えるのは難しい。
・複数の見せ方で攻める。
・1つのコンテンツを頑張って作るより複数同じ内容を作る。
ユーザ

webサイト訪問
↓(SEO、広告、メール等で誘導を行う)
記事Aを閲覧
↓(SEO、広告、メール等で誘導を行う)
記事Aと似た内容の記事B、C、Dへ誘導
↓(SEO、広告、メール等で誘導を行う)
記事B、C、Dの中に本当に見せたいD(キラーコンテンツ)を仕込む

記事Dを閲覧した顧客が商談に結びつく

MAツールへの実装
先ほどのキラーコンテンツを表示したユーザに対してポップアップやpush通知で訴求する。またインサイドセールスによる商談を獲得する。電話での内容は手動でMAツールに入力する。ここをちゃんとやるのが大事。

PDCA分析
定量的な分析
数字を出す。例えばアクセス解析シナリオでは見込み顧客は100、商談に繋がりそうな顧客は10、即商談の顧客は5。

定性的な分析
顧客を出す。データベースに溜まっている人をリサーチに活用して、見込み顧客は〇〇、〇〇、商談に繋がりそうな顧客は××、即商談の顧客は△△。

電話インタビューによる課題発見
例えば、何らかのインセンティブをつけてユーザに協力してもらう。そして普段配信しているメールを読んでもらい感想を聞く。我々が当たり前に理解している事がユーザには理解していないことは多々ある。

感想
ポップインサイトのツールの紹介と絡めながら、アクセス解析シナリオという文脈で一通りのMA説明をして頂いた。
ポイントは1つのメッセージを伝えるのに複数パターンを作り納得感を高めてCVにつなげるということと、ユーザテストを繰り返し行うことでコンテンツの質を高めることだ。


【B-8】ロイヤルカスタマーとつながる自社アプリの活用
金子 洋平

顧客との接点としてアプリを活用したらどうでしょうか、という話。

アプリ VS web
・月間の利用者数
アプリ:330万 vs web:890万 3倍
・滞在時間
アプリ:201.8分 vs web:10.9分 20倍

アプリは利用者数は1/3だが滞在時間は20倍である。またモバイルでECを利用する割合はアプリが60%でwebが40%である。

アプリの特徴
・アクセシビリティ
・快適な操作性(目的の情報へワンタッチ)
・財布の代わり
・GPSやカメラを活用できる

ここでyappliを導入している釣具の「キャスティング」の事例紹介

アプリ導入前の課題
・新規獲得
・店頭/EC/イベント連動
・自社ECへの集客

アプリで行った施策
・動画をたくさん用意して紹介
・GPSと連動して近くの店を調べる
・簡単会員登録(web上でもアプリから簡単に会員登録できると誘導を行う)
・店にたくさんあるリールにバーコードを添えることで、店でバーコードをスキャンさせることでアプリで詳細を確認できる
・アプリ告知+限定アイテム販売でエンゲージメントの向上
・push通知でキャンペーン告知

結果
・店頭売り上げ27%アップ!
・会員となるきっかけがアプリが半数以上。

オムニチャネルにおけるアプリ
・新規顧客、見込み顧客がweb経由のECモール利用に対して、ロイヤルカスタマー、既存顧客はアプリ経由のECや店舗利用率が高くなる。

感想
まだアプリを導入していない会社に対して説得力のある数字を示すことでアプリ導入を促すセッションであった。
yappliはプログラムを知らなくても管理ツールからiOS版とandroid版の両方を簡単に制作できて、かつOSのバージョンアップにも自動で対応してくれる面白い会社だ。導入後にはKARTE、salesforce、GA等外部連携も整っていてオールインワンで一気にデジタルマーケティング化が可能だ。


【B-9】ライトニングトーク

初日の最終セッションはライトニングトークで締めくくり。10分程度のセッションが5つ。駆け足で紹介する。

1.全体設計重視のマス×デジ施策 助川 健太郎
結婚準備口コミ情報サイト「WeddingPark」を5メディアで展開。
ターゲットをプレ花嫁と卒花嫁に分けた。
結婚式は準備から楽しめるというのをテーマにYoutube上で広告動画を流したところ、完全視聴率が高かった。

2.AIによるインスタのいいね予測 長谷川 直紀 高橋智貴
インスタに投稿する前に我々の作ったAIに判定してもらうことでいいねの数を予測する事ができる。精度は0.6なので正確な数値は出せないが特徴は抽出できる。例えば3枚の画像の中でどれが一番いいねをもらえるかは高い精度で検出できる。

3.データ統合とマーケターのスキルセット 中川 祥一 堀田 遼人
JapanTaxiがデジタルマーケティングを進めた話。

4.Amazon分析による消費者インサイト 杉山 開一朗
Amazon内で売り上げを伸ばすにはどうすれば良いかという話。

5.元芸人マーケターのBtoBセミナー 井上 裕司
東京NSC10期生の卒業生で、少し前まで芸人をやっていた井上さんがReproでセミナーをたくさん主催して集客しているという話。自分自身がコンテンツのようになり集客するというなかなか面白い試み。


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