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2021年冬・青春18きっぷ北海道珍道中紀行(03)途中下車で寄り道し、カーフェリーに一泊

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◎途中下車して渡り鳥観察 

(仙台〜小牛田〜新田)

臨時快速は白石・大河原に停車し、各駅で少しずつ乗客を飲み込む。岩沼で常磐線が合流、名取で仙台空港線が合流する。しかし快速とはいうものの、臨時の為なのか、思ったほどは乗客が増えない。
13:33に終点仙台に到着した時でさえ、座席が埋まり、数人が立つ程度だった。こりゃ2両編成でも、事足りると実感した。

東北本線仙台駅
仙台13:51発 普通小牛田行
E721系4両編成(撮影 仙台駅)

仙台に着いたが、今夜は八戸から北海道行のカーフェリーに乗るから、街歩きする余裕はあまり無い。ここで昼ご飯も考えたが、あまり空腹ではないし、カバンにはパンが入っているから、この後に空腹になってもなんとかなる。私はコマを進める事を優先し、13:51発普通小牛田行に乗車する。車両は郡山〜福島間で乗車したE721系4両編成。座席は殆ど埋まっており、空席探しに難儀する。
仙台を発車し、しばらくして広大な車両基地の脇を通過する。それが過ぎてしばらくすると岩切に到着。ここで利府方面へ向かう支線が分岐し、ここまで並走してきた東北新幹線と分かれる。混雑した車内も、陸前山王、塩釜で減っていき、松島を出たら地元客より旅行者の姿が目立つ。恐らくは北海道東日本パスか、私と同じ青春18きっぷ旅行者だろう。愛宕付近の松島丘陵を抜けると、品井沼あたりから一面の田園風景が広がった。

東北本線小牛田駅で乗り換え。
小牛田14:51発 ワンマン普通一ノ関行
701系1500番台2両編成(撮影 小牛田駅)
一ノ関行の行先表示

14:36、小牛田到着。ここで乗り換える。かなり昔だが、私が初めて東北本線に乗った時は、仙台から一ノ関まで普通が直通し、それに乗ったのだが、今は小牛田〜一ノ関がワンマン運転になった為に、殆どが小牛田で分断された。しかも、仙台〜小牛田の列車と小牛田〜一ノ関の列車が発着するホームは別なのだから、階段昇降を伴う乗り継ぎになり大変だ。小牛田は、東北本線だけでなく、陸羽東線と石巻線が分岐するのだが、それを2本のホームと4つの番線でやりくりするから、かような弊害が出るのだが、やはり階段昇降を伴う乗り継ぎはしんどい。
そんなこんなで14:51発のワンマン普通一ノ関行に乗り継ぐ。車両は例に問わず701系2両編成。車内は帰省客と旅行者が混在し、座席が埋まる。
ここで途中下車の虫がうずいた。青春エコドリームを新宿で下車してから、乗り継ぎ乗り継ぎの連続だ。この先進んでも、当初予定より早い旅程を進んでおり、寄り道する余裕がある。
正直言うと、さっきの仙台からの普通列車で騒ぐ子供の叫声から逃げたかった。親は居眠りしたりスマホいじり、騒ぐ2人の子供を全く無視。それところが、小牛田で乗り換えた一ノ関行にも乗ってきた上に、私の目の前で再び子供が騒いでるから、たまったものではない。

私は小牛田から4つ目の新田(にった)で下車した

新田駅で途中下車、乗車列車を見送る。
東北本線新田駅
新田駅の駅舎は、東北最古の駅舎らしい。

新田駅に下車した私を出迎えたのは、築127年の木造駅舎だった。駅舎内の説明書によると、東北最古の駅舎だという。残念ながら無人駅ではあるが、なかなかの風情の駅舎だ。
後に知ったが、この半年後に駅舎が建て変えられ、もうこの木造駅舎は見られないという。せっかく127年も使われ続けた貴重な木造駅舎だが、重要文化財等に指定されていない、たた単に古いだけだから、安易に建て替えられてしまったのだろう。少し残念な気かした。

駅舎を出て左手を進む。しばらく進むと左手に踏切が現れた。その踏切を渡った。

踏切を渡った先には‥‥‥。
オナガガモやオオハクチョウが

踏切を渡った先から、「コーッ!、コーッ!」という鳴き声が辺りに、そして空へ響き渡る。その先に足を進めると伊豆沼が広がっている。伊豆沼の湖面には、シベリア等の北半球の極寒地から越冬に来た渡り鳥のオナガガモやオオハクチョウが優雅に佇んでいた。そして時々、彼らの鳴き声が辺に響き渡る。
この伊豆沼は、水鳥や渡り鳥の生息地を保護する目的で、1967年に「伊豆沼・内沼の鳥類およびその生息地」として国の天然記念物に指定されており、また1985年にはラムサール条約にも登録された。
私は持参した一眼レフカメラで、彼らを撮影していった。こんなに間近にオオハクチョウを見られて撮影出来る場所は、そんなには無い。
私は鉄道旅行が好きで、鉄道ばかり乗っている旅人に思われるが、こんなアクティビティも大好きだ。私は一眼レフカメラに望遠レンズを取り付けて、彼らを追った。

優雅に泳ぐオオハクチョウ
これはオナガガモかな?
アップで見たら、意外と瞳がつぶらだと気付く
オオハクチョウを、こんなに間近に観察出来る。

ずっと鳴き声を聴き、優雅に佇んでいる彼らを観察し撮影したかったが、次の列車の時間があるから、時間に追われるように、伊豆沼を去った。 

駅近くで発見した懐かしい自販機、すでに使用不可だが
新田駅ホームの待合室も、風情ある木造建築


◎新幹線を挟み、カーフェリー夜行便にて一泊

(新田〜一ノ関〜盛岡〜八戸〜本八戸〜八戸港〜)

新田15:55発 ワンマン普通一ノ関行
701系1000番台2両編成(撮影 新田駅)

新田駅に戻り、しばらく待つと、夕陽を背後に15:55発ワンマン普通一ノ関行が入ってきた。新田滞在時間は、たった44分だったが、非常に楽しめた途中下車だった。駅からも徒歩10分程度で行けるし、列車自体も毎時1便程度あるから、気軽に途中下車して立ち寄れる。

一ノ関16:28発 普通盛岡行
701系1000番台2両編成

16:23、一ノ関到着。乗り継ぐ盛岡行は階段昇降した隣のホームからで、しかも乗り換え時間は5分しかない、にも関わらず駅改札口を抜けて改札口横にある駅記念スタンプをベタンベタンと捺印する。そして階段を昇り降りし乗車列車の盛岡行を撮影したら、発車メロディが流れた。私は撮影を終えて乗り込む。16:27、普通盛岡行一ノ関発車。

一ノ関駅記念スタンプ 

このまま進んでも、盛岡でかなりの待ち時間がある。極端な話、一ノ関を1時間後にでる盛岡行でも良いが、盛岡乗り換え時間が減るし、いい加減食事もしたいから、この列車に乗車したが、このまま盛岡まで行ったら、1時間半もの待ち時間が生ずる。そのまま八戸まで行っても良いが、八戸駅前はコンビニしかないから、同じ待ち時間なら八戸てはなく盛岡に振りたい。だがしかし1時間半は長い。
私は17:08着の北上で途中下車した。北上だと38分後に北上始発の盛岡行があり、それだと盛岡は適度な滞在時間になる。盛岡の長過ぎる滞在時間の何割かを北上に振り分ける算段だ。

東北本線北上駅

駅前に出ると、目の前に複合ビルか。なんとなく昔はデパートだったような雰囲気だが、今は見るからに活気がない。
せっかく途中下車したんだし、少し時間あるからと中に入ったが、人が非常に少なく、かなり閑散としている。入口に隣接し、北上のコミュニティFMのスタジオが。そして奥には観光物産館が。行くアテも無く観光物産館を見回ったが、あまり興味を引くようなモノが少ない、たが素通り的に出ていくのも何か躊躇う気分だったので、観光物産館で車内でつまめそうな菓子を購入した。

北上駅記念スタンプは、SL銀河だった。
北上17:46発普通盛岡行
701系1000番台2両編成(撮影 北上駅)

17:46発普通盛岡行で盛岡へ。外はもう真っ暗闇で、車窓の楽しみも無い。18:40、盛岡到着、ホームに降りると、流石に寒く感じる。
盛岡から先は東北本線は第三セクター鉄道に転換されたから、青春18きっぷでは乗れない。第三セクター鉄道だと、八戸まで2時間かかるが、新幹線だと最速30分台で行ける上に、第三セクター鉄道とは切符代で500円位しか差がない。故に盛岡から八戸までは新幹線を利用する。
乗車予定の新幹線まで57分も余裕時間がある。私は駅近辺を散策した。駅前に佇む、岩手県交通の懐かしい旧型のバスを撮影したり、駅ナカの立ち食いそば屋で夕食を摂っだりする。

盛岡駅前に止まる岩手県交通のいすゞLVキュービック
都会の排ガス規制のあおりで地方に売却された車両だ
夕食は、駅ナカの立ち食いそば屋で、かき揚げそばを。
八戸までは、【はやぶさ39号】新函館北斗行で。
盛岡19:37発 東北新幹線【はやぶさ39号】新函館北斗行
H5系10両編成(撮影 盛岡駅)
H5系の北海道をイメージしたエンブレム
行先表示、表示はグリーン車だが、乗車したのは普通車

八戸までの特定特急券付き乗車券を持って改札を入り、14番ホームに上がると、程なく列車が入ってきた。秋田行【こまち39号】と新函館北斗行【はやぶさ39号】の併結列車だ。ここで両列車は切り離され、【こまち39号】は在来線の田沢湖線へ、【はやぶさ39号】は東北新幹線を北上する。
乗車する【はやぶさ39号】を見れば、JR北海道所属のH5系だった。東北新幹線の主力車両はE5系ではあるが、北海道新幹線開業時にE5系と同型のJR北海道保有のH5系が建造され、この時は東日本所属E5系が45編成、北海道所属H5系が4編成という構成であり、本数で見れば言うまでもなくH5系がレアである。H5系の運用は固定されているらしく、調べたら判るのだが、下調べ無しに遭遇したから、驚きと共に自分の幸運に感謝した。
E5系とH5系、基本構造や設備は全く同じではあるが、車体のラインカラーや内装がE5系と変えており、JR北海道オリジナル車両だという主張が見える。
乗車し、普通車の空席に座る。全車指定席だが、特定特急券だと空いている指定席に座れる。自由席設定がない盛岡以遠の【はやぶさ】利用客向けの自由席特急券の代わりのようなモノだ。
席に座り、せっかくH5系に乗ったからと、北海道新幹線のイメージソングといえる、GLAY【Supermova Express 2016】を聴く。北海道新幹線のCMソングでもある。

GLAY【Supermova Express 2016】

北海道新幹線コマーシャル、JR北海道編

北海道新幹線コマーシャル、北海道編

【はやぶさ39号】は、盛岡から先は終点新函館北斗まで各駅停車。いわて沼宮内・二戸に停車し、盛岡から35分で八戸到着。せっかくJR北海道所属H5系に乗っているから、このまま新函館北斗まで行きたいが、今夜は八戸からカーフェリーに泊まる。後ろ髪ひかれる思いを抱きながら、八戸に下車した。

八戸に到着した、【はやぶさ39号】H5系
八戸20:25発 ワンマン普通久慈行
キハE131系2両編成(撮影 八戸駅)
久慈行 行先表示

八戸からフェリーターミナルへは、路線バス利用だが、そのフェリーターミナル行は八戸駅20:25発で八戸市街地を経由し本八戸駅に20:50に発車しフェリーターミナルへ。八戸からだと運賃500円だが、本八戸からだと300円。私は青春18きっぷを保持しているから、本八戸まで八戸線に乗車した。八戸から2駅9分の道のりだ。

八戸線本八戸駅

本八戸駅の駅前バス乗り場でしばらく待つと、フェリーターミナル行路線バスが来た。乗車したが、帰省ラッシュピークにも関わらず、今日は私含め4人しか乗ってない。GoToトラベルが中止になったからなのか、もしくはやはりあの流行病を警戒したのか。、

フェリーターミナル行路線バスはガラガラ。
本八戸駅20:50発 南部バス八戸駅フェリーターミナル線
八戸フェリーターミナル行 いすゞエルガノンステップ
(撮影 八戸フェリーターミナル停留所)
八戸フェリーターミナル

本八戸駅から20分で八戸フェリーターミナルに到着、いつしか雪が降ってきた。私はバスを撮影し、フェリーターミナルの中に行き、さっさと鉛筆で乗船名簿を記入し、窓口でチケットと引き換えた。そして売店で夜食を買い込み、タラップを進む。フェリーに乗船したら、明日は北海道だ。

今夜は苫小牧行シルバーフェリーに乗船
北海道へ通じる道
シルバーエイトのエントランスホール
今夜は最下等の2等だが、ガラガラで気兼ねなく過ごせる
頭上にはコインリターン式コインロッカーがあり便利だ

指定された2等に入ったが、誰もいない。誰も居ないのを良いことに、コンセントを独り占めし、充電関係のモノは全て充電する。そしてデッキに出た。

デッキから出港を見送る
しばらく本州を離れます

22:00、シルバーフェリー苫小牧港行、八戸港出港。私は寒さをおしてデッキから離れゆく八戸港、いや本州を眺める。フェリー出港のシーンは私は大好きで、出港時は大概デッキに出る。そういや、最近は船が出港する時に紙テープを投げるというのを見掛けなくなったなと、ふと思った。
私は漆黒の大海原を眺めながら、オーディオプレーヤーで元ちとせ【ワダツミの木】を聴いた。ワダツミとは日本神話で言う海の神様、なんとなく夜のフェリーに合いそうだなと、プレーヤーに入れてきた。


売店で買った夜食
むつ食品惣菜センターのチキンカツ(美味)
足らなかったからカップ麺追加
北海道ローカルに、滅法弱い

デッキで夜風を浴び、凍えた身体を船内の風呂で温め、ロビーで八戸フェリーターミナルの売店で購入した夜食を食べる。ドリンクやカップ麺、冷凍食品自販機の前に電子レンジあるから、熱々が食せるのが良い。

シルバーエイト乗船記念スタンプ

しばらく船内を散策したが、明日もあるからいい加減寝なければならない。昨夜は夜行バスで少ししか寝てない。私は2等カーペットへ戻り、横になった。

程なく、記憶が飛んでいった。

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