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北海道周遊パス紀行(15) 本州へ戻ると、悪天候で旅程が狂う。

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青函フェリー・函館フェリーターミナル

五稜郭駅から歩いて20分で青函フェリー函館フェリーターミナルに到着。窓口で予め予約した便の乗船券を購入する。しかし出航まで1時間近くあるから、私はロビーのソファーに横になって仮眠した。
しかし寝ている内に出航時間を過ぎて乗り遅れるというアホな事態になったら怖いから、あまり眠れない。
出航まで30分を切った頃にフェリーターミナルビルを出て、フェリー乗船口まで出向く。まだ乗船が始まってないから、寒い中しばらく待つ。

函館港02:00発 青函フェリー青森行
あさかぜ5号(撮影 函館港)

出航15分前に乗船開始、車両甲板から乗船する。乗船するフェリーは【あさかぜ5号】、係員に乗船券の半券をもぎって貰い、車両甲板を通り階段を上り客室へ。運良くカーペット席で壁にコンセントがある箇所を確保し、スマホやモバイル充電器、デジカメを充電する。しばらくすると、帰省の乗船客がドカドカと乗船し、カーペット席は混み合った。

【あさかぜ5号】の客室は非常に少ない
元々は車両航送をメインにした船だからか?
(青函フェリーHPより引用)

旅客定員は103人とあり、この乗り具合からして、今日のこの便は満席と言うか満員だろう。定員103人とはフェリーの規模からして、かなり少ない気がするが、青函フェリーは車両航送がメインで、旅客は“車両航送の序で”なのだろう。同区間を航行する青函フェリーのライバルとも言える津軽海峡フェリーは旅客メインで、青函フェリーより大型で、旅客定員が500人以上かつ、色々なクラスの豪華な客室を有するフェリーで運航されているが、最下等の2等でも青函フェリーより1000円以上高い。節約旅行の私は、1000円以上の価格差は、無視できない。
カーペット席がかなり埋まり、深夜便に関わらず定員に近い乗り具合だろう。とりあえず横になるスペースは確保できてはいるが、寝返りは無理そうだ。

02:00、青函フェリー【あさかぜ5号】函館港を出航

午前2時、青函フェリー青森行【あさかぜ5号】、函館港を出航。例により私は寒さを押して甲板に出て、離れゆく函館港、いや北海道を眺めた。北海道を隅々まで回ったが、今回も思い出深い北海道だった。次はいつ来るだろうかと思いながら、遠ざかる函館の灯りを眺めた。このまま数時間は、漆黒の闇の津軽海峡を南下する。

フェリーで食べるカップラーメンは旨い

甲板で潮風を浴びて身体が冷えたから、例のごとく自販機でシーフードヌードルを買って、湯を注ぎ数分待って、麺を啜り込む。やはりフェリーで食べるカップラーメンは旨い。しかし何故フェリーで食べるカップラーメンは旨いだろうか。それに、今まで乗ったフェリーには、必ずカップラーメンの自販機がある。フェリーによっては、自販機のお湯が出るフェリーと、自販機の給湯機を止めて、洗面所や流しにある給湯器のお湯を使うのもある。シーフードヌードルをすすり込み、スープを飲み干して、私はカーペットに戻り横になる。航行時間が3時間50分しかないから、少しでも寝ていたい。

青森到着、眠い目をこすり車両甲板から下船する

05:50、青森港到着。本州に戻ってきた。車両甲板に降り、そこから下船する。行きも青函トンネルの予定が青函フェリーになったから、青函フェリーで往復した事になる。数日前に見た青函フェリー青森フェリーターミナルが目の前にある。
フェリーターミナルから青森駅への移動だが、普段は約40分以上かけて歩いていたが、今回は疲れたから路線バスを使う。幸いにもフェリーターミナルから徒歩圏内に青森市営バスの停留所がある。
フェリーターミナルから10分ほど歩いて、青森市営バス新田停留所へ着く。あらかじめスマホでバス時刻を調べたから、バスが来る数分前に停留所に着いた。
しかし、通過予定時刻になってもバスが来ない。バスだから定時運行は無理なのは解るが、しかしこれは雪での遅延なのか、もしかしたら年末年始運休なのか、不安になりだした頃にバスが現れて、ホッとした。大都市では見掛けなくなった、ツーステップバスに乗り込むと数人しか居ない。私は最後尾の席に座る。

青森駅西口まで私を運んだ青森市営バス
早朝の為か、ガラガラだった。

今まで歩いて40分程度だった青森駅までの道程だが、青森市営バスば10分足らずで私を青森駅西口へ運んだ。バスを降りて青森駅を見ると、様変わりしていた。今までは西口はこじんまりとした駅舎だったのか、何時の間にか立派な橋上駅舎に化けていた。 

青森から日本海側への路線は運休・大幅遅延を示す赤線が
津軽新城の次の鶴ヶ坂で普通列車が立ち往生

橋上駅舎に上がり改札口に来たら、運行情報は絶望的な情報が掲示されていた。青森から日本海側へ行く奥羽本線は、青森から2つ目の津軽新城から先が豪雪で不通だという。スマホの運行情報を見れば、初発の奥羽本線上りが、津軽新城の次の鶴ヶ坂で立ち往生している情報が掲載されていた。
今日の予定は、日本海側を辿って新潟あたりで泊まるプランだが、悪天候による列車運休を予期し、新潟での宿の手配はしていない。しかし、その予感が的中し、予知能力が功を奏したのと、予定が崩れたという悔しさが脳内を交錯した。
改札前では、男性旅行者が駅係員に食って掛かっていた。手にはJR北海道とJR東日本の普通列車が乗り放題の北海道東日本パスが。どうやら日本海側を辿る予定だったのだろう、もしかしたら五能線を辿る算段だったかもしれない。しかし悪天候不通ならどうしょうもない、五能線リゾート列車【リゾートしらかみ】も運休との掲示がされている。代行バスも出ないし代替交通機関もない。これは諦めるしかない。
ぼんやりと券売機の上に掲げられている運賃表の路線図を眺めても、どう考えても東北本線を辿るしか道は無い。運行情報を見れば、日本海側は駄目だが、八戸へ向かう青い森鉄道はほぼ定刻運行だった。私は八戸行に乗るべく、改札口で青春18きっぷに日付を入れてもらう。

青い森鉄道青森07:56発(定刻07:52発)普通八戸行
青い森701系2両編成(撮影 青い森鉄道青森駅)
数日ぶりに逢う、青い森鉄道キャラクター【モーリー】

07:56、遅延の津軽線の接続を受け、定刻より4分遅れて普通八戸行青森発車。八戸まで青い森鉄道だが、往路の時と同様に、青春18きっぷの特例乗車の恩恵にあずかる。この後の旅程をいくら考えても、選択肢は八戸へ出て、八戸~盛岡間を別途支払いの新幹線利用しかない。新幹線出費は痛い出費と言えば否定はしないのだが、最近は年末年始は必ず大規模寒波が到来し、交通網がズタズタになってるように見える。昔はこれ程交通網が乱れる事は少なかった気がするが、最近は過去に例を見ない大寒波が増えた気がする。出発時の滋賀県彦根の例年の3550%の災害級豪雪もそうだ。そして現場のマンパワーが削減されたのも見逃せない理由だろう。人件費削減なのか、元から人のなり手が減ったのか、それとも鉄道施設の老朽化もあるのか?、はたまたそれらが複合した要員なのかはわからないが、昔と比較しても鉄道が災害に弱くなったのは事実かもしれない。

ガラガラの青森発八戸行普通列車

野辺地から内陸部に入ると、俄然積雪が増した。そんな中、普通列車はドカ雪に我関せずに雪煙を巻き上げ飛ばしていく。乗車している701系はステンレス車体の安風情な通勤電車だが、流石に東北向けらしく耐寒耐雪の装備は完璧で、雪の中を爆走しているが、車内は暖房が効いていて暖かく、なんとも頼もしい車両だ。
三沢で帰省客が一気に乗車し、私一人だったボックス席も埋まり、約10分近い遅れの09:35に八戸到着。青森はどんよりとした曇り空だったが、八戸は晴れていた。やはり同じ青森県でも、青森市のある津軽地方と八戸市の三八上北地方とは天候が違う。
ここから盛岡までは新幹線利用。帰省客のUターンラッシュにもろ当たったが、盛岡までだから座れるだろうと踏み、盛岡までは指定席特急券ではなく、指定席特急券より安く、空席があれば座れる特定特急券と乗車券を購入する。窓口も指定席券売機も、帰省客で長蛇の列なのには、閉口していまう。

八戸に東京行【はやぶさ16号】が入線した

八戸10:17発の東北新幹線新青森始発【はやぶさ16号】東京行に乗車し、たまたま空いていた空席に座る。盛岡まで設定されている特定特急券は、指定席の空席に座れる。次の停車駅が盛岡だから、八戸時点で空いていたら、その席は盛岡まで誰も来ないのは確定だ。席に座り、八戸駅で購入した、焼き鯖寿司を食べる。

八戸駅で購入した焼き鯖寿司
流石は新幹線は速い

30分もかからず、新幹線【はやぶさ16号】は、私を盛岡へ運んだ。速すぎて物足りない気がする。ホームに降りたら、入れ替わりに帰省のUターン客が乗り込んで行く。改札を出るべくホームを歩くと、【はやぶさ16号】に併結される、秋田からの【こまち16号】がホームに入ってきた。私は両列車の併結作業を眺めてから、新幹線改札を抜けた。

盛岡11:04発 ワンマン普通一ノ関行
701系2両編成(撮影 盛岡駅)

盛岡から再び青春18きっぷの旅に戻る。盛岡11:04発普通一ノ関行は、東北の通勤電車701系で、ワンマン列車らしく2両編成。既に車内の座席は埋まっており、私は立つ羽目に。まあ、全員が一ノ関まで行かないのは確実だから、途中で座れると踏んだら、11:04に盛岡を発車して、数駅でロングシートの端に座れる。車内にはまだまだ立つ人もいたから、幸運だと言えば幸運だ。

一ノ関12:44発 ワンマン普通小牛田行
701系2両編成(撮影 一ノ関駅)

12:32、一ノ関到着。ここで小牛田行に乗り換え。乗り継ぎ客や一ノ関下車客と共に跨線橋を渡り、小牛田行に乗り込むと、あらかた席が埋まっており、後ろの車両で一箇所のみ空いていた席に、腰を降ろす。
さて、この先どうしょうかと思いを巡らした。明日の晩に大阪に着けたら良い。何処に泊まるべきか、頭の中で考えた。最悪、仙台なら朝の初発に乗れば大阪には辿り着けられる。しかし、それだと丸一日列車に軟禁される。今日中に行ける場所まで距離を稼ぎたいし、かと言って泊まる場所の選定もある。
最優先事項は、仙台以遠で安く泊まれる場所に考えがまとまった。

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