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中東ビジネスと不思議なイスラム文化


アッサラーム・アライクム!LocationMindのサラと申します。中東地域でのビジネス進出を担当しています。
本日はイスラム文化圏でのビジネスや文化の違いについて書いてみたいと思います。LocationMindでは中東でのビジネス開拓を進めており、サウジアラビアやアラブ首長国連邦に出張したり、現地の企業とやり取りをしてきました。
その中で経験したことを以下の3つのテーマについて書いてみます。
①アラブビジネスのIBM
②ラマダン(断食)について
③サウジアラビア出張に行く前に観るべき映画:「王様のためのホログラム」

①アラブビジネスのIBM


イスラム圏での仕事に対するルーズな習慣は、イスラム社会のIBMと呼ばれます。
・”I”→Inshallah(インシャラー)=神の御心のままに、神のみぞ知る。
・“B“→Bukra(ボクラ)=明日やる。
・“M“→Malesh(マレーシ)=まあ、気にするな。ドンマイ。
 
見ての通り、適当そうな言葉が並びます。
中でも有名なのがIのインシャラーですが、アラビア語の会話の中にはこのインシャラーがよく登場します。何かの予定の話や約束をする時、最後にインシャラー、と言ってきます。かなり意訳すると、「たぶんね」みたいなニュアンスになります。
アラビア語が分からない私も、インシャラーだけは聞き取ることができますが、この言葉を聞くと不安になります。相手が約束を守る気があるのかどうか、わからないからです。

例えばこんな感じです。
私「いつ、日本に帰ってきますか?」
現地人スタッフ「来週くらいに帰ろうと思います。インシャラー」
(*その後、彼は1か月以上たっても日本に帰ってきませんでした。)
 
とは言うものの、背景をよく知っていくと、これらの言葉はただの無責任な言葉ではないようです。イスラム教徒にとって、この世に起こるすべてのことは神様(アッラー)が決めているので、神が望むのであれば予定通りに事が運び、望まなければ予定通りにいかない、という考えがあるからです。
そのため、待ち合わせに遅れても、ミーティングをすっぽかしても、日本人のように過剰に謝ることはなく、相手に対しても怒っている人も見たことがありません。すべては神様の思し召し、と捉えているから、何が起きても怒らないのかもしれません。こういった意味で、寛大な人が多いように感じます。

②ラマダン(断食)について


イスラム教徒は一年に一度、ラマダン(断食)の季節があります。2023年のラマダンは3月22日から4月21日までで、現在はちょうどラマダンの最中です。
ラマダンはイスラム教徒が断食などを行う期間のことで、太陽が出ている間は水を飲むことや、食事をすることが禁止されています。日没後は食事をとることができますが、勤務時間に当たる時間帯はほぼ食事をとらずに仕事していることになります。そのため、この期間は仕事のペースが落ちたり、取引先からのメールの返事が返ってこないなどの影響が出てきます。 
先日、イスラム教徒の同僚に誘われ、日没後の夕食会(Iftar)に参加してきました。断食にも挑戦しましたが、辛すぎて途中で断念しました。1か月断食を続けるのは大変な根性が必要です。

③サウジアラビア出張に行く前に観るべき映画:「王様のためのホログラム」


最後に、サウジアラビア出張中に観て感動した映画を紹介します。主演のトム・ハンクスがサウジアラビアの国王に3Dホログラムをプレゼンするために出張するストーリーです。
https://www.youtube.com/watch?v=HQ4kodiyKlo
どこからともなく現れる大量の従兄弟、道がデコボコで車が揺れるところなど、サウジアラビアのあるあるが忠実に表現されています。特に、アポイントを入れてもなかなか面談相手に会えない様子など共感しすぎて泣けました。
中東に興味があれば是非見てみてください。特にサウジアラビアに出張したことがある人、これからサウジアラビアに出張に行く人にとてもお勧めの映画です。出てくるサウジアラビア人の運転手も人懐こくて可愛くて癒されます。なんとなく元気の出る映画です。
以上、中東ビジネスに関する3つの話題について、書いてみました。
最後まで読んでいただき有難うございました!サラーム!

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