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WEB VRイベント演出のTIPS!制作から配信まで 【岡山県笠岡市 x LODGE、自治体初の「VR交流イベント」】

こんにちはオープンコラボレーションハブLODGEです。
先日LODGEでは岡山県笠岡市と共催で、自治体初、VRでの交流イベントを開催しました。

オンラインイベントが大変多い中で、少し違ったコンテンツ体験を提供したい、というニーズも高まっていると考えます。その選択肢の一つとしてWeb VRイベントを企画し、下記のような演出をおこないました。

・VR上でWEBカメラや資料を投影。大型スクリーンで見ているような会場づくり
360度画像体験コーナーなどVRイベントならではの演出
展示スペースなど移動しながら楽しめるコンテンツづくり

アートボード 2-100

本企画の制作・配信で工夫した点をご紹介していきたいと思います。WEB VRでのイベント開催/参加に興味がある方のお役にたてれば嬉しいです。
※この記事では実装・開発の細かい手順はご紹介しておりません。各ツールのチュートリアルをご参照ください。

制作①:空間デザイン

イベントを開催するVR空間のデザインを作ります。今回のイベントでは笠岡市のふるさと納税で人気商品のシャインマスカットをプロモーションしました。ブドウのモチーフにちなんで、キーワードから連想したオブジェクトをデフォルメしたり、フィールドの形もブドウに見立てたりして全体を整えてきました。3DモデリングツールはBlenderを使っています。

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制作②:プラットフォームの採択

今回はDOORというWeb VRプラットフォームを選択しました。

DOORはNTTドコモが提供しているもので、hubs by mozilaをベースに日本語対応されています。

細かい仕様の部分では若干hubs by mozilaの方が自由度は高いですが、インフラの安定性、ローカルプロモーションイベントでの日本語対応という点で今回はDOORを選択しました。


制作③:VR上での演出と実装

blenderで制作したデータをDOORのルームレイアウトで配置していきます。

スクリーンの設置
会場の画面や資料などを設置し、見え方を確認します。
資料が会場から満遍なく見える大きさを検証しましたが、アバターの想定身長1.7mに対して、一番大きいスクリーン高は7m相当となりました。

ちなみに実際の映画館のスクリーンにもこのくらいの大きさのものがあります。VRの世界でも現実のスケール感覚は役に立つかもしれません。

なお、各オブジェクトをスクリーンを置く位置には「Media Frame」というオブジェクトを置いておくと、VR空間へ画面を任意の大きさで設置できて便利です。

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○×ゲーム、360度画像、展示スペースなど空間を回遊する仕組み

せっかくVRで参加いただいているので、会場を歩き回るコンテンツも用意しました。イベント中に2択クイズを出題しての移動してもらったり、
笠岡市の見所の展示場所や、ブドウ農園の360°画像を用意するなど
トークイベント以外の内容も充実させました。

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〇×クイズの様子。解答によってステージ前の紫、緑のパネルに動いてもらいます


配信①:負荷実験

DOORでのルーム入室推奨人数は最大25名とされています。今回の配信ではWEBカメラを2画面共有、資料共有1台と負荷のかかる処理をおこなっているので念のため参加想定人数の15名をいれて見え方に影響がないかを確認しました。テクスチャやポリゴン数などパフォーマンスが下がりそうな項目は極力クリアしておきましょう。

配信②:バックアップとしてYouTube Liveでの配信

各々の環境によって会場に入室できない方がいる場合を想定して、
参加画面をそのままYouTubeに流す配信を行いました。

スクリーンショット 2021-09-13 20.40

配信③:配信での留意したこと

音声については、ハウリングの対策(登壇者は必ずイヤホンマイクで話す、お客さんへはミュートをお願いする)や、アバターとの距離の遠さに比例して発話者の声が小さくなるので、参加者に会場の中心で聞いてもらえるように案内するなど、リハーサルを入念に行いました。

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課題点や気づき

本番では、参加者もチャットなどで積極的に使っていただくなど、登壇者とコミュニケーションをとりながら、無事に終えることができました。登壇者同士のとのやりとり、取り上げるトピックがとても良かったと感じています。配信方法は関係なく、良いコンテンツに欠かせないのはイベント内容の本質的な面白さだと実感しました。

制作面での改善点としては下記のようなものが挙げられました

・音声が聞こえづらいというフィードバックもあり、発言者の声を会場全体に声を届ける設定ができるかなどをリサーチする

・操作に慣れない方が、オブジェクトに引っかかってうまく移動できない様子も見受けられたため、会場の作り方を工夫する


今後の展望

Web VRのイベントは実験的な要素が多いため、イベント単体で開催すると、zoomで行うイベントの廉価版となってしまいがちです。

今回の会場を別のイベントや展示企画と結びつけるなど、VR空間での「出来事」と「場所」を結びつけることによって、継続的に付加価値をつけていきたいと考えています。


第2回 岡山県笠岡市 x LODGE VR交流イベント開催

今回ご紹介した内容と同一のイベントを9/28(火)14:00-15:00で行います。ご興味がある方はぜひ参加をご検討ください!


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