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Jane Birkinと洋服について思う事

ジェーン・バーキンが亡くなった。

76歳だった。
以前から心臓病を患っており脳卒中を一昨年に起こしていたらしい。パリの自宅で亡くなっているところを発見されたそうだ。

いつもは好きな音楽の事を書いているのだが、洋服が1番好きだ。洋服自体も好きだし着こなしを考えたり、洋服の歴史を知るのも好き。そんな好きな物に大いに関係している1人の偉大なファッションアイコンを亡くしてしまったので、今日は洋服について書こうと思う。

・Jane Birkinと言うファッションアイコン

若い頃のジェーン・バーキン

⚪︎ジェーン・バーキン
ロンドン出身の女優、歌手、モデル。
2人目の夫、「セルジュ・ゲンズブール」をパートナーとしてからフレンチロリータとしてファッション界にも影響を与えた。エルメス社の社長が偶然飛行機でバーキンと隣り合わせた際、バーキンが籐のかごに無造作に物を詰め込んでいるのを見て、何でも入れられるバッグをバーキンに贈ったものがHERMESの「バーキン」である。(wikipedia参照)

個人的にはそこまで詳しい訳でもないし、そんなに深追いしていたわけでもない。映画もほぼ観てないし、音楽もあまり聴いてない。だが、片田舎の古着屋の端くれとして、レディースアイテムを仕入れる時やコーディネートを組む時に着こなしやどう言うアイテムを使っているのか等を参考にしていた。

特に若い頃のジェーン・バーキンのファッションをELLEやVOGUEが定期的に取り上げるし、いつの時代でも「ファッションアイコン」として輝き続けていたのだ。

・Jane Birkinの着こなし

兎に角、ベーシックなアイテムでシンプルなのにとてもカッコ良く見えるし可愛い。それでいて品がある。もちろん、顔面がとてつも無く美人でスタイルが良いと言うハンデはありますが、だとしても着こなしがいつも素敵なのです。

ボーダーやTシャツ、デニムなどカジュアルでありながらも、女性らしさを感じる着こなし。シンプルで流行に左右されず誰にでも真似しやすい。そう言う所がとても魅力的。

Tシャツにデニムにヒールと言うシンプルな着こなし


これぞ「ジェーン・バーキン」と言う様なジェーン・バーキンを象徴するスタイル。

無地の白Tにパッチワークの様なボロいデニム。髪も適当に結えている。それに真っ赤なヒールに大きめの籠バッグ。取手はバンダナの様な物が巻かれている。スタンダードなアイテムなのに洒落てるし何なら品がある。

同じ様なスタイル。裾はカットオフ。
ベルトとヒールの色を合わせて上品。
ニットとブラウス。
それにスキニージーンズを合わせた着こなし
コートのスタイル。
程よくワイドめなデニムを合わせている。
ノルディック柄にブーツカットの
切りっぱなしのジーンズ。それに籠バッグ。
取手はやはりスカーフの様な物が巻かれている。


・何故Jane Birkinが洒落て見えるのか?

先程も言ったのだが、顔面がえげつない程に綺麗だから洒落て見える訳でも、スタイルが尋常じゃ無く良いから洒落て見える訳でもない。

先程ご紹介したジェーン・バーキンの着こなしをもう一度よく見てほしい。何故ジェーン・バーキンが洒落て見えるのか。それは、

自分に合ったサイズを着ている。
上下のバランスを考えている。

と言う至ってシンプルな事。これだけの事なんですがそれが結構難しいし、上下のサイズやバランスを無視した人が圧倒的に多い。ジェーン・バーキンが女性だから女性だけに言える事では無く男女共に言える事である。

ここ数年の大流行で「オーバーサイズ」なるものが流行っている。上だけ、下だけならまだしも上下共にデカいサイズを着ている。ワンサイズアップとかでは無くSサイズの人がXXLを着たりと言うとんでもないデカさ。

洋服なんて物は人それぞれの自由だし、好みだし正解は無いと思っている。しかし、自分に合った適正なサイズを知って上下のバランスを変えるだけで格段に見栄えが良くなるし、洒落て見えるし、自分のスタイルを持っているから人と違ってカッコ良く可愛く見える。そう言うのを知るともっと洋服が面白くなるし、もっと洋服の事が好きになる。自分が洋服を好きになった様に、ハマった様に皆様ともその気持ちを共有したい。「衣食住」で1番最初に来ているのは紛れもなく「衣」ですからね。

顔面がとてつもなく綺麗だとかスタイルがズバ抜けて良いとかは二の次だと思っている。おまけ的な物。

もうオーバーサイズは良くないですか?

・シンプルな物を身に纏うと言う事

シャツにデニムと言うベーシックな物を
いつも身に纏っている。


更にジェーン・バーキンが洒落て見えるのは

シンプルでベーシックな物を着ている

と言う事。

見た目の派手さも無いし、流行りに流されない普遍的なアイテムを着ている。でも、先程言った様に、自分に合ったサイズ、上下のバランスを考えた着こなしをしている。

そこがカッコ良いし洒落て見えるのだ。これが、ベーシックなアイテムでもサイズやバランスが滅茶苦茶だったらダサく見える。サイズやバランスが如何に大事か。

そして、ベーシックな普遍的なアイテムを着ているからこそいつ見ても新鮮だし、全く古臭く無い。当時の流行り物を着ていたら古臭く見える。

突飛な派手な物を着ている訳でも無いし、無駄に重ね着しまくったり、アクセサリーをじゃらじゃら付けたりしていない。どうしても足し算したくなるが逆。"引き算の美学"

派手じゃ無くて良い。オーバーサイズじゃ無くて良い。どこそこのブランドとか、アクセサリーじゃらじゃら付けたり無駄な事をしなくて良い。いつだってシンプルな着こなしで素の自分で勝負している。

それをジェーン・バーキンの着こなしを見て思うのだ。


・最近の洋服について思う事

ここからは個人的な意見だが「全身〇〇のハイブランド」で固めた着こなしと「ヴィンテージの何万円もしたバンドTにヴィンテージジーンズ」の着こなしは同じだと思っている。
どちらも金に物を言わせて「高い物を着ていればお洒落」と言う勘違いをしているに過ぎない。

「流行り物を着ている人はダサい。俺、私は古着を着ているから人とは違う。個性的だ。」と思って古着を着ている人も結局、バンドTやチャンピオンのスウェット、NIKEのTシャツなどの人気のスポーツ物を着ている。"皆が求めている流行っている古着"を着ているに過ぎない。

このどちらも購入するお客様が悪い訳では無い。完全に売り手側の責任である。
悪戯に煽るメディア、SNS、お店、店員。「このバンドTはレアだ。ヤバい。」「このブランドはだれそれも着ていた」「このハイブランドを着ていたらカッコ良い」「このNIKEは珍しい」

全て本来どうでも良い情報である。そう言う茶々を入れるお店や店員、メディア、SNSが多過ぎる。そうやって流行を作って消費させようとしてくる。

本来、「洋服とは自己満」であると思っている。上記の着こなしをしている人々も自己満だと言われたらそれまでだが、果たしてそれは本当に「自分自身で考えて」「自分自身で判断して」「自分自身で決めて」いるのだろうか?

茶々を入れるお店や店員、メディア、SNSにそそのかされていないだろうか?素の自分で良い。余計な装飾は要らない。

自己満なので田舎の端くれ者に何を言われても響かないと思うが自分はそう思う。騙されないで欲しい。

ジェーン・バーキンの着こなしを見てそう思った。こう言うお洒落な女性を増やしたい。男性ももちろんですけどね。

自分が好きな物を自信を持って着るのが1番良いと思います。人に何と言われようと、思われようと。「サイズ感やバランスも考えるともっと良いよ」と言うオジサンの話でした。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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