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cero / Summer Soul (2015)

暑い。暑すぎる。。。

もう夏なんですかね。
夏と言えば皆様はどんな歌を思い出しますか?
「夏が来る」「夏の思い出」「楽園ベイベー」「夏祭り」「真夏の果実」「あー夏休み」

いえいえ、『cero』の「Summer Soul」ですよね?

あっ、違いましたか、、、すみません。
下らない余興でもう140字も無駄にしてしまいました。それでは今日の音楽です。

・ceroと言うバンド

髙城晶平、荒内佑、橋本翼からなる東京のバンド。3人それぞれが作曲、アレンジ、プロデュースを手がけているハイブリッドなバンド。
バンド名の『cero』は"Contemporary Exotica Rock Orchestra"の略称で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の一節である「やさしいセロのような声」から。

後々触れるが、『Suchmos』を聴いていた時にYouTubeの関連動画で見つけ聴いてみるとイントロからもう好きだった。ブラックミュージックからの影響が色濃く反映されていて、ソウルやヒップホップな趣きがめちゃくちゃ当時の自分には新鮮に聴こえてどハマりした。その後すぐにこの「Summer Soul」が収録されているアルバム「Obscure Ride」を購入し何度も何度も聴いた。

カクバリズムと言うインディーズレーベルに所属しているのだが、この角張さん率いるカクバリズムのアーティストがカッコ良い方達ばかり。

・インディーズレーベル『カクバリズム』

まず、そもそもの始まりからが凄い。
当時、「STIFFEEN RECORDS」と言うレーベルを安孫子さん(元『銀杏BOYZ』、当時は『GOING STEADY』)と角張さんで共同で運営していたのが始まり。

元々はパンクやハードコアが好きで、好きなバンドを売り出す為にやっていた。その後に角張さんが『YOUR SONG IS GOOD』の音源をリリースするために2002年に設立。今の「カクバリズム」になるわけです。

過去には星野源率いる『SAKEROCK』、『星野源』等、
今現在は『YOUR SONG IS GOOD』を始め、『cero』、浜野謙太率いる『在日ファンク』、澤部渡のソロプロジェクト『スカート』、『思い出野郎Aチーム』、『VIDEOTAPEMUSIC』等々、錚々たるメンツでめちゃくちゃ好きな方達ばかり。

角張さんの著書「衣・食・住・音」(2015)は個人的にバイブル。インディーズでやって行くには?好きな事で飯を食うには?そんな事が角張さんの経験と共に書かれており、古着屋の端くれとしてやっている身としては心臓に突き刺さった。かなり参考にして来たし、これから道に迷った時にまた読み返そうと思う。結局、カッコ良いと思う事、自分にも人にも嘘を付かずにやって行く事が大事なんだなぁ。

角張渉 著 【衣・食・住・音】

・Suchmosとの出会い

前述した様に、こんなにも素晴らしい音楽と出会えたのは何よりも初めに『Suchmos』との出会いがまず1番デカい。

この出会いが無ければ、『cero』との出会いも無かったし、カクバリズムにも出会えて無い。もっと言うと、邦楽にここまでハマって無いし、こんなに好きになっていない。それくらいにめちゃくちゃデカい存在なのだ。

そんな『Suchmos』との出会いは、当時の職場の後輩にこれ良いんで聴いて下さい!と半ば強引に渡され、嫌々ながらに聴いたのが始まりだった。

これを読んで頂いている皆さんはどうか分からないが、人から勧められる音楽って素直に受け入れられなくないですか?
これだけ音楽の事をあげている自分が言うのもなんですが、直ぐには受け入れられ無い。大分受け入れられる様になって来たが、20代の頃はもっと受け入れられなかった。

だから、今こうやって書く時はオススメです!と言わずに淡々とただ「これはこう言うバンドです」とか、「このバンドとの出会いは」、「これが好きなのでハマりました」とか自分の体験を述べるまでにしているつもりだ。

良いも悪いも、後は受け取る側に委ねてハマる人はハマるし、ハマらない人は感性が合わないだけだと思っている。それくらいのテンションでやっている。

話をSuchmosに戻すが、この時も(8年とか9年前?)あまり受け入れられなかった。だが、その職場の後輩がめちゃくちゃオススメしてくるので一回聴いてみようと思いCDを借り、帰りの車の中で聴いてみた。CDをカーナビに入れる。一曲目の「YMM」のイントロが流れた。

めちゃくちゃカッコ良かった。

何がスゴイのか具体的には分からなかったが、兎に角、衝撃が走った。鳥肌が立った。テンションが上がって来て車の中で踊り出さずにはいられなかった。危うく事故りそうになった。

・Suchmosが与えた影響

それからどハマりして、PVも観漁っていると「Jamiroquai」の流れを汲んだアシッドジャズ、「Stay Tune」が「Virtual Insanity」をオマージュしている事などが分かった。だが、まんまパクっている訳では無く、どこか未来的でかなり新しさを感じた。この時にこんな音楽性のバンドはいなかったし、後に車のCMに使われるとも思わなかった。全く想像出来なかった。

そして、何と言っても凄いのは、

あの音楽性で世間に受け入れられた事。
あの時あれだけ流行った事。

そして、

確実にそれからの邦楽がガラッと変わった事。

確実に変わった。
少なくとも、あの時代であれだけ流行ったのは類を見ない。ああ言う大衆ウケしなさそうな音楽で多くの大衆が良いと思った所が凄い。あの感じで大衆ウケは無理だと思っていた。
しかし、彼らはやってのけた。

更に言うと、今の邦楽がこれだけ素晴らしい音楽に溢れているのも彼ら『Suchmos』の活躍無しでは有り得ない。彼らが活躍したからこそ突破口が開けたし、ああ言う音楽が受け入れられる土壌が出来たと言っても過言では無い。と、個人的には思っている。

このStay Tuneは2016年だが、YMMが収録されている「THE BAY」も2015年。ceroの「Obscure Ride」も2015年の発売なのだ。2015年から今の良い邦楽の流れが始まっていると思っている。

・2015年と言う時代

Suchmosとは違うベクトルでこの年に同時に生まれたのが

『never young beach』
『yogee new waves』

厳密に言うと彼らの代表作的な物が生まれた年である。

never young beach(ネバヤン)はこの年に「YASHINOKI HOUSE」と言う邦楽史に残る(と個人的に思っている)大名盤を発表する。
『細野晴臣』直系の南国的な趣き。
yogee new waves(ヨギー)も「SUNSET TOWN」と言うEPを発表し、その後、「PARAISO」と言う、細野晴臣と同じタイトルのアルバムを出す。

2バンドとも細野さんや『はっぴいえんど』の影響が色濃くある。こう言うバンドってこの時は彼らくらいで、この時代にそんな音楽をやるんだ!と当時はかなり興奮しました。細野さんやはっぴいえんどが後々に評価された様に、そして今なお語り継がれている様に、後世に語り継がれて後々に伝説的な扱いになりそうな予感がしている。ユーミンみたいなそんな立ち位置になりそう。そんなバンド達も生まれた年。

・最近の日本の音楽

今まで挙げてきた彼らの活躍によって、より邦楽の裾野が広がったし、受け入れられる土壌が出来たし新たに音楽を始めようと思う若い人達も出て来易くなったんじゃないかと思う。『SIRUP』が売れたのもSuchmosなんかの流れがあったからだとすら思う。

自由に、誰もやってない事をやろうと言う意気込みやセンスが最近のバンドやアーティストも素晴らしい。勿論、どの時代にもそう言う熱量がある方達がいると思うが、今の日本の音楽にも素晴らしい音楽は沢山ある。と言うか、どの時代の音楽にも負けず劣らず、一つまた歴史が変わった様な、新たなスタンダードになった様なそんな気がしている。

最近の日本の音楽は、、、とか、
あの時のこのバンドを超えられるバンドは居ない、、、だとか言わずに是非、最近の日本の音楽にも耳を傾けて下さい。価値観が変わります。

あっ、こうやってオススメされると受け入れられませんよね。自分はこんな感じで最近の日本の音楽にのめり込みましたよ〜

ラストにceroで好きなやつをもう一曲。

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