オステオパシーを東洋医学的な見方から考えてみる。

オステオパシーと言われると
どうにも怪しいとか言われるのは
割とやる側が結局信じるかどうかみたいなことを言いがちで
結局、軽いタッチでなぜ変化が出るのか
納得させれるような言葉がなかなか出てこない
というのが最大の問題なんじゃなかろうか。

自分で使うかどうかは別として
現実的に皮膚への接触で交感神経、副交感神経への効果はあって
(身体心理学でいう秒速5cmの背中への接触で抑うつや不安が軽減)
その結果、緊張状態の筋肉が緩むとか
内臓の緊張が取れたことで筋肉が緩むとか
自律神経の不調感が消えるとか
諸々の現象が起こることは想像に容易い。

そんなことで、と言われるかもしれないけど
内臓なんかは分かりやすくて
左頸部の疼痛に胃や横隔膜への介入をすると軽減するのは
すごく簡単な実感を得れると思う。

これを東洋医学的な視点で読み解いてみると
頭蓋や仙骨を重視した方法論というのは
督脈の調整とも言える。

尾骨下端から前頭骨を通り、上歯茎までを通る経絡で
陽脈である大腸、胃、小腸、膀胱、三焦、胆と関わる。
食べたものを取り込んで、最終的に毒と分け、身体に不要物質を流していく
というイメージが出来る。

つまり、オステオパシーでよく言う
自己治癒能力を上げる、という言い方は
身体に栄養を取り込む力を上げる
身体から毒素を排出する力を上げる
という二軸で捉えることが出来る。

当然、身体に栄養が取り込めなければ、元気も出ない。
気、血、水も身体に吸収が出来なければ増えることもない。
一方、身体から毒素が排出出来なければ、あらゆる滞りの原因になる。
腰痛やなにかの炎症反応も、熱や水の流れの悪さが
原因であることは東洋医学的に説明が出来る。

オステオパシーの効果として
脳脊髄液そのものへのアプローチが言われているが
漢方で見ると、五苓散という余分な水分を排出する効果の薬が使われている。
脳脊髄液を津液として捉えるのならば
五苓散で循環を失った津液を排外するのは理に適っている。

よくある指摘だが、頭蓋に隙間はないとか
大きさが変わらないとか言われるが
結局、頭蓋に触れるということで起きてる事象は
頭部を通る経絡を通した調整なのではないか。

経絡の通りというのは得てして筋膜のラインとも重なる
(胆経-ラテラルラインなど)
足の内外の倒れやすさみたいなテストだって
おそらくこの前提で調整がかけれる。

効果が大きいとされている自律神経に対する効果は言うまでもない
調整している箇所、触れ方などを考えれば説明がつく。

ただオステオパシー側から
あまりこういう視点での話が出てこないというか
鍼灸師さんがオステオパシーやってることも多いのに
こういう分析をしているのを見ないのは不思議だなとは思う。

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