苅野進(かりの しん)|学習塾ロジム代表

子供向けロジカルシンキング指導の専門家。 大手人事・経営コンサルティング会社を経て、小…

苅野進(かりの しん)|学習塾ロジム代表

子供向けロジカルシンキング指導の専門家。 大手人事・経営コンサルティング会社を経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップにより問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組む。東京大学文学部卒。

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はじめまして苅野進です

自己紹介とnoteでの発信 皆さまこんにちは。 小学生から高校生までを対象に「ロジカルシンキング・論理的思考力」「問題発見力・解決力」が身に付く教室「ロジム」代表の苅野進です。 noteでは、 ・家庭で出来るロジカルシンキング ・算数、国語、理科、社会、英語といった科目への応用例 ・教室での様々な取り組みや生徒の反応 ・最新の教育事例紹介 などについて書いていきます。 産経新聞社の運営する経済情報サイトSankeibizでは、若い社会人の方向けに「今日から使えるロジ

    • 「比べる」力でわかりやすい文章が書ける!

      月に1回、ロジカルキッズワークで扱っているテーマについて、教室で扱っている類題や新しい問題をご紹介していきます。 今回は、「比べる」がテーマです。 「比べる」力は大きく2つあります。 理科の実験のように比較したい部分と揃える部分を分けて、差分の原因と仕組みを理解する力。 そして、国語において、書かれていない比較対象を読み取る力です。 例えば「彼は足が速いなぁ」というセリフを考えます。このセリフが発した「速い」という形容詞に関して、比較対象を考えてみましょう。自分より速

      • それだけかな?引き出しを増やしていこう

        小学生の「読解力」を高めるワークとして意識したいのが、「経験の引き出し」を増やしてあげることです。 今日は、拙著『ロジカルキッズワーク入門編』の19番が題材です。 例えば「人が泣いている」という状況から、「痛い」しか読み取れない場合、それは経験がないからです。 「悲しいから泣く」 「嬉しいから泣く」 「安心して泣く」 この力は読書やテレビ・映画などで身につくものなのですが、このテキストのワークのように 「Aくんがニコニコしている」どうして? というテーマでわいわい

        • 授業の最後は作問!

          とある日の中川先生の算数授業風景です。 この日は、最大公約数や最小公倍数の求め方や等差数列などを学習しました。 授業内ではいろいろな問題の解き方だけではなく、注意すべきポイントやひっかかりやすい問題の特徴なども学びます。 一通り学習がすんだ後の仕上げは、「問題を作ってみよう!」のコーナーです。 子どもたちは、各々、今回学習した内容の問題を自分で作り、その問題の解説と解答まで作ります。 など、子どもたちは問題を作ることを通し、問題への理解を深めます。 「この問題を出し

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          読解力

          今日は、拙著『ロジカルキッズワーク』で扱っている「読み取る力」をテーマに1題考えてみたいと思います。 低学年の読解でつまづきやすいのが、具体例と抽象概念の区別です。 この3つの要素は A 結論 B 理由 C 具体例 と言えます。 難しい言葉で言うとBとCは階層が違います。理由がいくつあるかと問われて、BとCを挙げてしまう場合、この「階層の違い」を理解できていないことになります。この判別は簡単ではありません。 この3つだと、 X 結論  Y 理由(1) Z 理由(2) と

          OPTION B

          子育てにおける様々な決断の難しさは「今という時期はもう二度と来ない」という恐怖心によるものが多い。 今の時期にしかできないこと。今やらないと。 そういった恐怖心が本質から目を遠ざけます。 1度きりのチャンスである中学受験。ここであの中学校に入れないと、望む教育は受けられないのではないか。 それは大きな間違いです。 入れなくても良い教育を受けるチャンスはいくらでもありますし、合格したとしても、思い描いていたような教育によって我が子がぐんぐん変わっていくなどという夢物語は

          「失敗上手」が成功する

          他の人より先にトライする。 低コストで次にいかす「失敗上手」こそ貴重な能力です。 保護者の方が「この能力が大事だ」と気づいたのなら、自ら積極的に動かないといけません。まだまだ「失敗を避けろ!」という外圧が多いので、知らず知らずのうちに「失敗恐怖症」となってしまいます。 多くの大人はこの能力が物を言うような環境で生きてこなかったため、指導する立場になったとしても「失敗は悪」という前提で接してしまっているのです。 ご家庭で「失敗力」を伸ばすコツは、保護者が積極的に「失敗」を見

          【夏期講習】歴史導入の紹介(動画あり)

          ロジムの夏期講習は今月26日から始まります! 夏期講習の対象学年は小学1年生~中学2年生まで。受講スタイルは、自宅からオンラインでも通塾でもOKです。(席数には限りがありますのでお早めの申込をおすすめします) 夏期講習では平日に学校のある学期中ならば2ヶ月分〜3ヶ月分に相当する範囲を、短期的に深く学習します。通常の授業では行わないあるテーマを追究する講座が多いのも特徴です。 今回は、小学5年生を対象とした「歴史導入」の授業を紹介します。 小学5年生の社会は、夏休み明けか

          【夏期講習】歴史導入の紹介(動画あり)

          テストは競争力を育まない

          「入試などのペーパーテストに向けて競争することは、社会に出てからの競争に立ち向かう力を養うために役立つ」という説を聞かされることは少なくない。 しかし、おそらくほとんど役に立ってはいない。 なぜなら、テストにおいて禁じられているが、社会においてはもっとも重要な役割を持っているものがあるから。それは「他力を使う」能力だ。 問題を目の前にした時に、自分の手持ちの能力で対応できないときに、瞬時に「他力」を使いこなして結果を出せるかどうかは、競争においてはもっとも重要な能力だと

          合格したからうまくいかない子

          東京は例年より早い梅雨入りになりました。 新学年から約2ヶ月経ちましたが、今回は「合格」についてのお話を。 合格がマイナスに働く生徒というは確実に存在します。 自分で考えることを避け、自分の弱点に取り組むことを避け続けたけれど合格した。合格したんだからこれまでの「逃げ」の姿勢を問題視する必要はなくなったと考える生徒です。 保護者も夢の学校に合格したということで我が子の弱点などすべて解決されたような気持ちになっています。実はこのタイプの生徒&保護者には何を言っても効果がな

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          新学年のつまづきは「復習」のテクニックで超える

          新学年になって2ヶ月が経とうとしています。 新しい環境に慣れ始めてきた頃かと思いますが、勉強についてお悩みが増えてくる方も多くいらっしゃいます。 勉強におけるつまづきの多くは「復習」がうまくできていないことが原因です。 学習塾や家庭教師には新しいことを学べることを期待してしまうのですが、このためには市販の教材でも優良なものが多いです。 しかし、復習は各自が各自にあった形で進めないといけませんので、こちらの方がスキルの高い指導者にフォローしてもらう必要があります。 新学

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          「仮説思考」で初見の問題に立ち向かう力が身につきます

          この回のロジカルシンキングのテーマは「仮説思考」です。 小学生がかなり苦手としている「ある程度の確度の根拠で考えを進めてみる」というスキルです。単純で正解不正解がはっきりした問題になれていると、知らない問題だと判断すると動きが止まってしまいます。そんな状況でも、過去の似た問題や似た状況を参考にしたり、論理的にある程度信憑性がある推論により試行錯誤することで答えに近づいていくことができます。 慣れていない小学生への指導のポイントは「考える姿勢」を評価して、「推論の質」に対して

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          【小学3~6年生対象】文章を書くコツをつかむ!ロジムのライティング講座

          学習塾ロジムは今月より、小学生を対象の作文・論述講座『ロジカル・ライティング』をオープンしました。 お子さんは作文にこんな悩みを抱えていませんか 自分の考えを他者に伝えることに苦手意識がある 書き方のコツがわからない 中学入試の記述式問題が苦手だ 公立中高一貫校対策をしたいけど、文章題が不得意… 苦手意識を作ったこれまでの作文指導とは 『自由に感じたことを書こう!』の号令のもと原稿用紙が渡され、完成した作文に対し”てにをは”や細かい修辞方法の訂正点を指導者が赤入

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          ロジカルシンキング授業実況中継

          ロジカルシンキング とある回のテーマは「儲かっていない八百屋さんを助けてあげよう」でした。 ここで生徒から「おんなじようなのもあるな」と一言。 これをきっかけに、グループ分けに進みます。同じ集客でも に分けることが出来ました。 講師は3つだけ意見を出したのですが、ここで生徒がしたり顔で一言。 「先生はバランスが悪いね!それぞれに1つずつは出さないと!」 本日のテーマに気づいてくれました! 分解しておけば、考えに穴が出来にくくなります! ここでさらに「思いついた!」という

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          優秀な大学生はどうぞイギリスへ

          イギリスがThe High Potential Individual routeという制度を5/30にオープンさせます。 シンプルに「世界の大学ランキング」で50位以内の大学の卒業生が企業の雇用契約がなくても滞在VISA得られるというものです。 2〜3年の滞在が可能で、起業でも仕事探しでもご自由にどうぞというシステムになる模様。 残念ながら日本では「このような制度について議論」しているうちに人材が流出するだけなのでしょう。「残念ながら」なのは取り残される側にとってです。そも

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          粘り強さが身につく声がけ

          ポイントは2つ (1)結果を褒めない (2)過程を褒める 子どもの時間感覚は大人とは違います。 1ヶ月後の成果のために目先の1日の我慢が出来ないのです。子どもにとっても1ヶ月は大人に比べて遥かに長く感じています。 そんな中でも粘り強く取り組む姿勢を身につけるには、成功体験が必要です。しかし、そもそも人生経験がないので成功体験自体もまだ足りないのです。 子どもにとっての成功体験は、結果が出たということだけではありません。「褒めてもらえた」という経験も成功体験です。非常