同じクラスのギャルの子

新学期になって校内でもそこそこ有名なギャルと同じクラスになった事があった。本当にギャルだ…と思った記憶がある。

キーホルダーはじゃら付いてるし制服はちょっとお洒落に着こなしてるし多少メイクはしてるし、でも性格は着飾ってなくて自分の意見はきちんと言う子だった。

ぼくはその子の事は知った時から関わりたくはないけど遠目からなら見てみたいなとは思っててちょいちょい観察していた(失礼である)

同じクラスになって何度か話す機会があった。

実際話したら似た思考の持ち主だったことが分かった。前回の記事で話した通りぼくは白か黒かどちらかはっきりして欲しい人間である、曖昧な答えは嫌いだった。そのギャルの子もそうだった。だから会話が続いた。

何度か勉強も教えた。その子に言われた。「かなめって別に馬鹿じゃなくね?だって私に勉強教えてくれるししかも分かりやすいし、何で馬鹿って周りに言わせてんの?」って。何度も否定したけど面倒になったんだと言ったらその子は「中身が残念な奴らね」と笑った。

確かに素行はそのギャルの子は良いとは言えなかったけど、その歳の子らしいなって今思う。自分もそのくらい羽目外しておけば今になってグレなくて済んだのかとは考える時もある。

だがその子は突然いなくなった。

辞めてしまったのだ。

つまらなかった学生生活が帰ってきた。これ程までに人を失ってつまらねええええって思った事が無かった。そこまで親しくも無かったけど、あの子はぼくにとっては特別な存在であった。 一言欲しかったが逆に何も言わずに去るのがその子らしかった。

そのギャルの子と話してた内はぼくから離れていたクラスメイト達がぼくのスペースにずかずかと入り込んで黙っていなくなった子のある事ない事言い出した。

流石に腹が立った。

人の見た目云々でどうこう言うなよと言う奴ら本人が人の見た目で噂をたて、それを肴に盛り上がる。

くだらねえ。

けどその時のぼくはまだ子供だった。だからどう怒っていいのかそもそもこの感情はなんなのか全く分からなかった。何もその場で言えなかった。

ふと思い出した話でした。

その子の事だから多分今も元気に生活してると思う。

あの時ぼくと話してくれてありがとう。ぼくは何とか生きてます。







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