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【解説】「ばりぐっど」って一体何なん?コミュニティという言葉を使っている理由

 僕はよく、自分の自己紹介の時に、「SCCの宮里です」という時と「ばりぐっどの宮里です」という風に分けて紹介することがあります。そこには(株式会社という民間企業として今日は来ました)という意味と、(ばりぐっどというコミュニティの一人として、この場所に来ました)という意味に分かれるのですが、ここでは、「なぜ」そのようにばりぐっどを、「コミュニティ」としているのかを、説明してみたいと思います。

 もちろんばりぐっど、は「人が減っても大丈夫な世界」を作るというゴールのための、「組織」として設置したものです。現在は、ばりぐっどコミュニティには、Webの情報発信を行うばりぐっど編集部、AI開発とアート活動を行うばりぐっど大学、紙媒体の情報発信を行うばりぐっど新聞、など「ばりぐっど」を冠につけて、いろいろな組織、プロジェクト、プロダクトが存在しています。

 さて、ここから本題に入りたいと思います。

【前提条件】
・僕たち人間は幸せになるために生きている、というところが出発点。ここは疑いません。
・人間は、自分自身を意味のある組織や共同体に、帰属させたい社会的な生き物である。(実際、自分もそうです)

この2つを所与の前提として、考えます。

そして、ばりぐっどをコミュニティという形態にしたのは、2016年の夏から2017年の春先くらいまでの半年超、『人間をどうやってハッピーにするか』という観点で現場を見ながら、下記のような、認識を持ったのが理由です

【現状認識①空間と人間が受ける影響の割合】

①<物理空間から受ける影響>
 国、県、市町村の物理的な区分けは、基本的に"時間の経過に関係なく" 線引きされていて変わらない(もしくは著しく遅い)。昔は、自分の考えの多くはこの物理的空間から大半の影響を受けていた。

②<バーチャル空間から受ける影響>
 一方、現代のわれわれの思考に与える影響に「今物理的に身体がどこにいるか」はほとんど 関係がなくなっていっている。そしてこの②のバーチャル空間から受ける影響は"時代とともに"その相対的割合は①の物理空間よりも大きくなっている。
ex)今でいえば、お気に入りのYoutubeのチャンネル、自分がFacebookやInstagramでつながっているアカウント。すべて自分のスマホで見れる。一方で昔は、地域、家族、リアルな友達、近所の本屋で買える雑誌。テレビですら、家族と共有しているリビングという物理空間で、かつ選択できるのは6チャンネルのどれかから一つ。

①<物理空間から受ける影響>と②<バーチャル空間から受ける影響>を、僕たちの問題意識である「人が減っても大丈夫な世界」を文脈に当てはめると、今後時間の経過とともに、重要度は②>①となり、これは不可逆的、という認識を持っています。よって、物理的な要素をできるだけ廃して、いろんな人が入りやすい、帰属意識を感じやすいものにしたかった、というのが一つ目の理由です。

【現状認識②既存の組織形態の限界】

・株式会社は、その原理的に中央集権的であり、非民主的であり、個人の満足を作るのは比較的早くに、上限が来る。お金を稼ぐ組織としては最適な一方、帰属意識や非金銭的な価値を提供できないケースもままある。
・もちろん素晴らしいマネジャーに恵まれればそうでもないかもしれないが、そもそも僕のような一般人のマネジメント能力は上限が知れている。

もうすこし噛み砕くと、株式会社という組織は、「働いても働いても、会社の資本/業績/実績にはなりやすいが、自分の資本/業績/実績にはなりにくい」という性質があります。

 そして、僕として、株式会社では難しいだろう、と思っていたのが「作ってみた / やってみた」の小さなトライ&エラーする文化の創出、カルチャーの創出です。要は、『やってダメならまたやってみよう!』な空気を作りまくるカルチャーは、株式会社だけではできないだろうと思ったというところです。

 挑戦心あふれる方々に対して、株式会社だと「採算合わないからダメ」「マネタイズは?」という、しょっぱいことを言いたくない。

そして仮に言わなかったとしても、「言われるのでは?」という余計なことを考えてほしくない、という部分が大きいです。それは実際にはSCCが主導でやっていたとしても、そこに所属している、一人一人にとっては、活動の基盤となっている組織の名前や形が持つ意味は大きい(既出の前提条件の通り)

つまりまとめますと、

【理由①】時間と物理的条件で、価値が変わりにくい組織体にしたかった。
【理由②】株式会社っぽい影響をできるだけ排除したかった。

という二つ理由から、コミュニティ、というくくり方をしてスタートしたら、今に至っている、というのが実際のところです。


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