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【2020CL東京3位】ヤーコン式三神カメポチャのすゝめ

はじめまして。Lon(@Lon50_poke)と申します。

みなさんCL東京お疲れさまでした。
今回は、先日開催されたCL東京にて、三位に入賞した「ヤーコン式三神カメポチャ」の解説記事になります。

前半の無料部分ではCLに挑むにあたっての下準備の話(環境考察やデッキ選択、練習で気をつけたこと等)を、後半の有料部分ではデッキの詳しい解説や対戦レポート等より実践的な話を書いていきます。

特に採用・不採用カードの理由、当日の対戦レポートについては僕の思考を詳しく言語化できるように努めています。

かなり濃い内容に仕上がったと思うので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。

[記事に入る前に]
CLに向けて一緒に練習してくれた方、当日応援してくれた方、かつた軍団、そしてチームいかさまのみんな。本当にありがとう!!!

▼目次は以下のようになっています。

■デッキレシピ紹介

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まず、当日に使用したレシピがこちらです。

従来の三神デッキでは、以下のような点が欠点でした。
①後攻時の展開の遅さ
②高火力TAGTEAMへの弱さ(レシリザ・MM・ロップリン等)
③エネルギーの重さ
④テテフ・デデンネ等によるベンチの圧迫

上記の欠点への解答として、自分は「ヤーコン」という結論に至りました。
既存の三神デッキと比較すると、かなり新しいデッキコンセプトだと思います。

デッキコンセプト採用・不採用の理由など詳しいことは後半で書きます。


「ヤーコンは運だけ」「所詮パチンコじゃない」「ご都合デッキ」そう思っている方も多いと思います。実際に練習時にパチンコパチンコ~!と煽られることが何度もありました笑
しかし、決してそんなことはないと思います。

パチンコデッキと敬遠することなく、是非とりあえず試してみてほしいと思っています。

■当日の戦績

予選
1.後⭕ 水バレ
2.先⭕ グランブル(葱さん)
3.後❌** レシリザ**
4.先⭕ ゾロペル
5.後⭕ レシリザ
6.先⭕ ロストマーチ
7.先⭕ 三神ヴァディ(たかふみさん)
8.後⭕ 三神ケルディオ
9.先⭕ 三神ケルディオ(ホドホドさん)
10.先⭕ フーパLO(ともぽんさん)
トナメ
1.先⭕ レシリザ
2.先⭕ サナニンフ(しゅんさん)
3.後❌ ルカメタ(サーニーゴさん)

予選9-1(11位抜け)、準決勝敗退で3位でした。


■環境考察

まず、環境を考察するにあたって、新しく収録されたカードの中から環境に影響を及ぼしそうなカードをいくつかピックアップすることにしました。

⑴ロップリン

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なんといってもGXが場に3体いるだけで鉢巻込270まで届く化け物的な火力が魅力的。また、無色エネで動くため様々なデッキで採用することができます。どこからでもロップリンが飛んでくる環境になると予想できるため、場に出すGXを絞れるorロップリンを出されても一撃で倒せるデッキ選択が重要になると考えました。

⑵三神

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HP280という高耐久に加え、技も優秀で、非の打ち所がないパワーカード。非GXを三体、GXを二体倒してゲームを終わらせられるため、三神への回答のない非GX、GX主体のデッキは軒並み淘汰されると予想しました。
相方としてケルディオを選択したデッキタイプが主流になると考えました。

⑶タッグコール

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タッグチームのポケモンだけではなく、優秀なタッグサポートまでサーチできる壊れカード。
これまで、ブルーの探索だけでは少し物足りなかったTAG単構築の構築の幅が広がったと考えました。
具体的には、グズマハラからダブル無色、(ウィークガード)、フライパン、無人発電所と三種の神器を持ってこれるルカメタや、数種類のTAGが入ったTAGバレット等を想定していました。

⑷混沌のうねり

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無人発電所、トキワの森、巨大なかまど、ポケモン研究所など、デッキの軸に成りうるスタジアムを封じることができる優秀なカード。
今まで無人発電所が障害だったデッキ(ゾロアーク系統やケルディオ等)に採用されることが予想されました。
また、混沌のうねりが飛び交う環境では、展開をスタジアムに依存するデッキ(主に化石系統)は最後まで勝ち上がりにくいとも考えました。

これらのキーカードと、CL前の自主大会の結果や自分たちの練習等を含め、予想していたtier表が以下のものです。

Tier1(10回戦で2~3回当たりそう)
・レシリザ
・三神+ケルディオ
Tier2(10回戦で1~2回当たりそう)
・レッドパーフェクション(炎型MM)
・ゾロアーク系統
Tier3(その他、1回当たるかも?)
→その他の有象無象

Tier1~2のデッキについて軽く解説します。

●レシリザ
ヤブレカブレ!ムジンハツデンショ!カキ!と呪文を唱えると試合に勝てることはあまりにも有名ですね。
基本的にレシリザ+カキor溶接工で完結しており、少ないパーツで強い動きができる点がとても魅力的。
早い段階で自分の盤面が完成しやすいことから、やぶれかぶれや無人発電所といったカードを採用しやすい点が特徴です。
ジラーチでデッキを回す型であれば、盤面のGXを絞ることができてロップリンに弱くなく、かつロップリン自体をデッキに採用できることも評価が高かった理由です。

▼練習用に作成した想定レシピ

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●三神(+ケルディオ)
先述した通り、HP・技・GX技どれを取っても非常に強力です。
序盤にエネを付ける手段が課題でしたが、ビクティニひかるミュウによって安定したエネ加速が可能な上に、多少のテンポロスはGX技の追加効果で捲ることができます。
三神の苦手な高火力GX相手には混沌のうねり+ケルディオを押し付けることができ、幅広い対応力が魅力的です。
相方としては、
ケルディオ>MM>ムウマージ>>フェロマッシ>その他
の順で採用されると予想していました。

▼練習用に作成した想定レシピ
(けんてぃーGX杯準優勝のレシピを参考にさせていただきました)

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●レッドパーフェクション(炎型MM)
レシリザと同じく、強い動きがカキと溶接工で完結しているためシンプルにパワーが高く安定して強い動きを押し付けていくことが可能です。
レシリザと違って後攻でもターボストライクから強い盤面を作ることができる点が非常に優秀です。
しかし、以下の3つのデメリットが目立ったためTier2に位置づけました。
①無人発電所やアローラベトベトン等の特性メタで止まってしまう
→予選10回戦の安定感はレシリザに軍配が上がりそうだと考えました
テテフ・デデンネ等の負け筋が並びやすい(=相手のロップリンの火力が上がる)
→これに関してはロップリンを返しできちんと倒せる盤面を作ることができれば問題なさそうですが、今までよりプレイがシビアになることは明白でした。
③ケルディオの突破手段に乏しい
→鉢巻霞切りでもケルディオを一撃で落とせないのが厳しいです。そもそもレッドパーフェクションに水エネとゲッコウガを入れなければいけないこと自体がデッキパワーの低下に繋がると思っています。

(練習用の想定レシピは凱選手がJCSで使用したレッドパーフェクションのレシピを参考に作成しました。原案が有料記事であるためレシピの掲載は控えます)

●ゾロアーク系統
取引によるドローとキャットウォークによる2枚サーチによってなんでもできます。
特に中~終盤のリセットスタンプ+ムサコジorプルメリといった動きが非常に強力です。
しかし、三神の280という高いHP(ライオットビート+鉢巻ライオットビートでは倒せない)とGX技に屈することが多く、シビアなプレイを通す必要がある点が難点でした。
大型TAGに対する回答をしっかり持つことができれば十分に戦えると考えてTier2に。個人的には2.5くらいの意識を持っていました。

▼練習用に作成した想定レシピ
(ルガゾロ、ゾロUB、ゾロペルフェロマッシ等何個か試しましたが1番手に馴染んだものを掲載しておきます)

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(たしかどこかの枠を削って島巡りの証を入れたはず)


基本的にはレシリザ、三神の2強でその下に多様なデッキがまんべんなくいるといったイメージでした。実際に予選上位卓ではレシリザと三神を多く見ました。

ルカメタやサナニンフに関して「レシリザのブロアーやぶれかぶれで崩壊するだろう」と安易に考察を止めてしまった点は反省しています。


■デッキ選択で意識したこと

今回のCLに挑むにあたり、デッキ選択において以下の3点を意識しました。

①8-2できるデッキであるかどうか
今回のCLは7-3以上でCL愛知の優先枠を獲得できるため、7-3が非常に大きなボーダーだったと思います。
そこで、目標を8-2に設定しました。7-3ではなく8-2というよりシビアなラインに設定して練習することで、多少の環境読みのずれや下振れを引いたとしても完走できるだろうと考えたからです。
そのため、どうしようもない事故+不利マッチ二戦以内に抑えられるようなデッキ選択を心がけました。

②盤面のGXを絞れるか(ロップリンで崩壊しない)
先述した通り、ロップリンはかなりのキーカードであるという認識でした。多くの採用が見込まれるロップリンで崩壊するということは、それだけ多くの負け筋を作ることにつながると考え、盤面のGXを絞ることができるデッキを選択しました。
実際にtop8のデッキのうち6つのデッキにロップリンは採用されていました。

③メタ要素よりもデッキパワー
環境考察で述べた通り、レシリザと三神の下には多様なデッキがまんべんなくいると考えていました。そこで、何かひとつのデッキに対する強力なメタカードを入れるのではなく、デッキパワーをあげることでより多くのデッキへの勝ち筋を残そうと考えました。

その結果、最終的に「三神カメポチャ」「ジラサンルガルガン」「レシリザ」の三種類のデッキが候補として残りました。
せっかくなので、今回使用しなかった2つのデッキレシピも軽い解説とともに後述しようと思います。

直前にデッキに大きな欠陥が見つかって握れなくなることも考えて、この3つのデッキはどれを持っていっても戦えるように調整を続けていました。


■練習において大切にしたこと

まず僕はポケモンカードが天才的にうまいわけでも、歴が長いわけでもありません。
そんな僕が大型大会で勝ち上がるためには正しい練習を他人より濃い密度で行うことが重要だと考えました。

ここでは、僕が実際に行った練習方法を何個か紹介しようと思います。
※多くの人にとっては当たり前の内容が多いかもしれませんが、昔の僕のように「勝ちたい!...けどどうすればいいのかわからない。」といった方の手助けになれば幸いです。

①一人回し(1つのデッキで)
基礎中の基礎です。が、やはり勝つためには基礎の徹底がとても大切だと思います。
新しくデッキを作ったら、まずそのデッキが回るかどうか回してみましょう。
このときに、なぜデッキが回らなかったのかだけではなくなぜデッキが回ったのかまで注目できると良いデッキが作りやすいと思います。

ex)
・サポに触れないターンが多く回らなかった。
→サポの枚数が足りていないのではないか?サポに触れるカードが少ないのではないか?採用しているドロサポは本当に適切なのか?
・リーリエではなくシロナを打てている試合は回った。
→リーリエとシロナの配分を逆にしてみよう。

②一人回し(一人二役で)
デッキを2つ用意して一人回しをすることで、比較的短時間で経験値を貯めることができます。
また、実際に相手側の手札や思考がわかるため、有効なプレイを発見しやすいです。
特に、不利マッチほどこの一人回しで練習してみることをオススメします。実践で役に立つ発見がきっとあるはずです。

③試合内容を言語化する
主に、なぜ勝ったのか、なぜ負けたのかを明確にすることが大切です。
ふわっと振り返るのではなく、「対戦相手と感想戦をする」「メモを取る」など言葉にすることで意識に残りやすくなると思います。
練習で勝てたマッチを本番でも勝つために、逆に練習では負けたマッチでも本番では勝てるために必要なことだと思っています。

④他人からアドバイスをもらう
客観的な視点から自分のプレイを見つめ直すきっかけになります。また、自分にはなかったアプローチを知ることができて戦術の幅が広がります。
試合では、細かな正しいプレイの積み重ねが勝利に繋がると考えているので自分のプレイを見つめるきっかけは多ければ多いほど良いと思っています。

⑤先攻後攻を意識して練習する
当たり前の話ですが、じゃんけんは50%で勝ち、50%で負けます。
つまり、勝ち上がるためには「先攻を取った時に逃げ切って勝てる」ことと「後攻を取った時に捲って勝てる」ことの両方が必要です。
後攻から捲る練習をするために、あえて後攻を選ぶこともありました。
特に、予選で複数回当たると予想したマッチ(レシリザや三神、MM等)は、先攻後攻をまんべんなく練習するようにしました。


さて、ここまでお読みいただきありがとうございます。

ここから先は有料となっています。
▼内容は以下の通りです。
■デッキの構築経緯
■採用・不採用カードの解説
■簡単な回し方
■サイド落ち確認の優先度
■CL当日の対戦レポート
■最終候補だったデッキの簡単な解説
①レシリザ
②ジラサンルガルガン
■最後に
●Special Thanks

ヤーコン型の三神カメポチャというかなり目新しい構築のため、デッキの解説や対戦レポートは自分の思考をできるだけわかりやすく書き起こしているつもりです。
※万が一、ご不明な点があれば質問していただければ対応致します。

もし興味を持っていただけたら、購入していただけると幸いです。


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