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No Romeと夏

9月12日、もう夏も終わりというのに「No Romeと夏」なんてテーマを思いついてしまったので、筆を取る(実際はスマートフォンを握る)ことにしました。
夏真っ最中にこの記事を読んでいる方、夏の空気を感じながらNo RomeをBGMに読んでください。
夏でもなんでもない季節にこの記事を読んでいる方、夏の空気を懐かしみながらNo RomeをBGMに読んでください。

そもそも音楽が季節を限定してしまう現象、そんなに好きではないんですよね。わかりやすい例で言えば、クリスマスソングとか。ああいう曲ってその季節にしか基本的に聴けないですもんね。
ただ、No Romeというアーティストの音楽に、もし私がどれか季節を結びつけて考えるとすれば、それは夏。

2018年、夏

その理由は、私がNo Romeに出会ったのが、 夏だから。2018年の夏、No RomeはDirty Hitレーベルから初めてEPをリリースし、同レーベルのUKバンド、The 1975 を熱心に追いかけていた当時の私は、「レーベル繋がり」でNo Rome を知ることになります。

初めて聴いたのが、『Saint Laurent』。その中性的で中毒性のある、そしてスタイリッシュな音楽に引きこまれたのです。ネットとは便利なもので、それ以前のNo Romeの曲もたくさんYouTube等には出回っていて(正式にリリースされていないものが大半)、上記の曲を聴いてNo Romeにハマった私は、いわゆる「Unreleased songs」を掘り下げていくことになります。中でもお気に入りが、『Ain’t Coming Back』。こんな感じの「初期のNo Rome」の雰囲気が大好きなんですよね。バイトの帰り道、夏の夕空を見上げながらよく聴いたものです。

Blueboy Must Die

では、なぜ今回この記事を書こうと思ったのか。それはまさしく、新作EP『Blueboy Must Die』からの『Hackney Bounce』という曲が、初期のNo Romeを思い出させたから。これだよ、私が好きなNo Romeは、と。

1st アルバム『It’s All Smiles』に収録されているような、「アルバム向け」の比較的派手な曲も悪くはないと思うのですが、こういう展開が地味で少しトリッキーなサウンドデザインの、昔のNo Romeに近いスタイルがやっぱり刺さりますね。曲の終盤、スローダウンしてトーンが変わるやつなんか、昔の曲に時々出てくる手法です。

(あと余談ですが、No Romeって「ハハッ」っていう笑い声のサンプリング本当によく使いますよね。もはや彼のシグネチャー効果音と言えるかもしれません(笑)。最初に挙げた『Saint Laurent』にも出てきます↑。)

さて、No Romeを聴きまくっていたあの夏を少し思い出させた今回のEPは、2023年・夏の終わりにNo Romeがくれたプレゼントでした。

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