見出し画像

2027年台湾有事、中国武力侵攻ス

 この記事は2022/08/10-20:11(台湾時間)時点における、筆者の考えを記述したものです。直感的に感じた中台関係に関わる見通しを記述しており、明確な根拠や理論が無いものが含まれます。予めご了承下さい。また、後年見返す場合には補遺を合わせて御覧くださると現在の状況を思い出せるかと思います。

結論

 ナンシー・ペロシ米下院議長訪台以降、中国軍による台湾への圧力が高まっているが、8/9,8/10に出てきた報道から、中国は一国二制度による台湾統治路線を捨て、武力侵攻による併合と強権的統治を行う路線を明確にした。また2035年の北京~台北間の高速鉄道開通をわかりやすい形で国民に明確に示すことで期限についてコミットしたと見られる。以上より従前から懸念される2027年の台湾有事発生はその蓋然性が高めたのではないか?と考える。

理由

2本のニュース-私は如何にして中国の台湾武力侵攻を確信するに至ったか

中国の地図に北京と台湾結ぶ高速鉄道 初表示 国内向けにも台湾への強硬姿勢アピール(2022年8月9日)

2022/08/09  台湾周辺で大規模な軍事演習を続ける中国で、地図に初めて本土側と台湾とを結ぶ高速鉄道が表示されました。  「京台高速鉄道」は、中国政府が一方的に発表した北京と台北を結ぶ鉄道の計画で2035年までの開通を目指しています。
 8日からIT大手「百度」の地図アプリで表示が始まりました。
 台湾海峡を渡る橋やトンネルの工事は始まっていませんが、アプリには「建設中」と表示され、本土側の福建省と台北間の所要時間は「46分」としています。  様々な分野で台湾への圧力を強める中国は、国内に向けても強硬姿勢をアピールする狙いとみられます。

https://www.youtube.com/watch?v=FjdiR4ZylDk
テレビ朝日ニュース
中国の地図に北京と台湾結ぶ高速鉄道 初表示 国内向けにも台湾への強硬姿勢アピール(2022年8月9日)

2035去台湾 · 孟煦东 · 庞惠晨 2035去台湾 ℗ 環球百代娛樂版權代理集團 Released on: 2021-09-18

 この記事の太字の部分にある元ネタはこれだ。2035年、あの列車に乗って台湾へ行こう。という歌詞で大変マイルドな歌詞の曲だ。だが中国政府は少なくとも自国の地図アプリに載せるよう百度(Baidu)に命令し、2035年には高速鉄道で福建省から46分で到着すると宣言するぐらいには本気のようである。私はこれを中国政府から中国国民に対する台湾統一に向けたコミットメントだと考えている。

中国、最新白書で「一国二制度」方針撤回を示唆 台湾は非難

[北京 10日 ロイター] - 中国は10日、自国の一部と見なす台湾に関する白書を公表した。今回の白書では、台湾を取り戻し統一を果たした後も軍や行政担当者を派遣しないという文章が消え、「一国二制度」方針の撤回を示唆した。台湾側は白書が事実を無視していると非難、台湾は主権国家だとした。
 1993年と2000年の過去2回の白書は、統一後に「台湾に駐留軍や行政官を派遣しない」とし、台湾が中国の特別行政区となった後も自治を認める方針を示していたが、最新の白書にはそのような文章はない。

 また2000年の白書は、台湾が一つの中国の概念を受け入れ独立を追求しない限り「何でも交渉できる」としていたが、今回の白書からはそれも消えている。

 白書のタイトルは「新時代における台湾問題と中国統一」。「新時代」は習近平国家主席の統治に関連付けて使用される用語だ。

 台湾の対中国政策を主管する大陸委員会は、白書は「希望的観測の嘘に満ち、事実を無視している」と非難。台湾は主権国家であり「台湾の将来を決める権利があるのは2300万人の住民だけで、独裁政権が決めた結果を受け入れることは決してない」と表明した。

https://jp.reuters.com/article/asia-pelosi-taiwan-china-idJPKBN2PG0TH?feedType=RSS&feedName=special20
ロイター通信
中国、最新白書で「一国二制度」方針撤回を示唆 台湾は非難

 これまで習近平政権は一国二制度下で台湾の自治を認めるという発言を繰り返してきたが、今回の白書でその方針を翻した。

今回の報道をもとに解釈すれば、台湾統一を果たした場合中国は、

  • 台湾へ軍や行政担当者を派遣するし、台湾人による自治は認めない。

  • 自治を認めないので占領後/併合後の台湾当地については何も交渉しない。

  • 一つの中国の概念を受け入れないのは独立と同じである。

ということを宣言したと考える。

 これを読んでいる皆さんは私の考え過ぎ、妄想、大げさに考えすぎだと笑うだろう。だが、私の記憶が間違いでなければ、以前に軍のキワモノ将校がアメリカ側に「広く大きな太平洋には米中の両国を受け入れる十分な空間がある」と言って失笑を買っていたと思うのだが…そして習近平も同じことを言っていて、今、南シナ海に軍事基地を建設し、第一列島線への進出を図っているのは皆さんご存知だろう。

2027年台湾有事、中国武力侵攻ス

「2027年」。
 これは、中国人民解放軍の創設100年にあたる年です。
また習近平国家主席がもし来年秋の共産党大会で続投を決めれば、3期目の任期を終える節目の年となります。
 この年に向けて中国が台湾に侵攻する恐れがあると警告を発し注目されたのが、インド太平洋軍のトップだったフィリップ・デービッドソン氏(海軍退役大将・現在は米国笹川平和財団諮問委員)です。
警告の背景を聞きました。
(国際報道キャスター 油井秀樹)

https://www.nhk.jp/p/kokusaihoudou/ts/8M689W8RVX/blog/bl/pNjPgEOXyv/bp/p8OzxgZ93o/
“2027年までに中国が台湾に侵攻のおそれ”米軍司令官の警告
NHKニュース

 では結局いつなのか?と問題について私はこのデービットソン氏の考え方を採用する。中国に住んだことがある者の体感として、中国は生活のすべてが政治的であり、共産党の命令は憲法より上で当然人命より重い。政治的正しさで計画されたプランが優先される。ゼロコロナ政策による強引なロックダウンなどはその証左だ。
 そのため、私はこの政治的に切の良い2027年の可能性を推す。新しい主席の最後を飾るにふさわしい偉業であり、国家的悲願であり、いかなる代償を払ってでも達成しなければならない宿願である台湾統一を止めることはない。言ってしまえば台湾併合は中国という国家の建国目的の一つなのだ。
 一方、台湾併合は経済的メリットがない。米国と戦争するなんて馬鹿だという人もいるだろうが、すでにロシアがウクライナ侵攻で同じことをやっている。イデオロギーの前に経済的合理性は戦争を止める理由にはなり得ないとだけ言っておく。。

 新幹線開通はおそらく台湾併合のシンボルだ。自国で開発したと嘯く高速鉄道が支配地域を走る。これほど支配欲をそそることはないのだ。あまりにも幼稚だと思うだろうが、他人の領土を奪おうと考える人間に成熟した考えを求めるのは無理というものだ。

課題や疑問

 まず、従来から言われている通り、中国軍の渡海能力や兵員・兵器輸送能力が台湾侵攻に必要な量、確保できていない。今後数年、中国は増強を図るだろう。その上で、実際の行動においては、情報を遮断した上で「武力によらない方法」を採るなど戦力をあまり使わない方法による台湾占領を実行するかもしれない。

 次に疑問である。なぜ、ペロシ米下院議長の訪台にこれほどまでに過剰反応したのだろうか。中国側の態度表明のきっかけにしか過ぎないのだろうか。北戴河会議の前で振り上げた拳の落とし所を見つけられないのか?見せかけなのか?なぜ中国はここまで態度をエスカレートさせたのか…
 確かにかなりギリギリを攻めている感は有る。しかし何ら明確な発言などがあったわけではない。習近平の要請を断ったのが逆鱗に触れたのだろうか?しかし、西側陣営のメンツを掛けて、要請があった以上屈するわけにはいかないのだ。謎である。

あとがき-私からのお願い。

こんな長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
 ちょっと論理の飛躍があったりどうしても抑えきれていない情報があったりであまりきれいな文章ではありません。しかし、ある種の本気度が垣間見えたと思ってこの文章を取りまとめています。
 だけどこんなのを書いていてなんですが、嬉しいのはこの文章が全く的外れで、妄想乙!と否定されることなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?