とりあえず、花鳥風(月)
思いがけず午後は晴れたので、散歩に出かけた。
忙しいとか、つかれてるとか、
心に余裕がないとか…
なにかしら理由をつけて、近くにあるのに行かずにいた場所。
花も、空も、鳥もあふれる
(あ、それから木の実も)
心がおどる場所だった。
風が心地よい。
ふと見ると、ベンチに並んですわる小さなこどもたち。
ことりのように、スマホを見ながらおしゃべりしている。
「わぁ〜、やばいっ!」①
「うわっ、やば〜い」②
「やばい」③
会話の流れや表情から推測するに……
①の「やばい」は「かわいい」で、
②は、「怖い」で、
③は、おやつをかじって「おいしい」を
表現している模様。
『わー、やばーっ!!』④
④のわたしの「やばい」は
「面白いー!!」の意。
それぞれの言葉は「やばい」のみだけど、
表情や声のトーンはいろいろ。
豊か。
言葉はなくなったり、変化したりするけど、人のいろいろな感情は減ったり、なくなったりしないだろう。
風に吹かれて妄想する。
現代の辞書と未来の辞書が並んでいるところを。
未来の辞書は収録されている単語の数は減っているのに、ページ数は増えている。
インデックスの「や」のあたりを開くと、
「やばい」の説明に5ページくらい割かれている。意味が100個くらい載せられているのだ……
『やばっ(笑)』
やばい、やばい。こどもを眺めてニヤニヤしているのはやばい。
何もなかったようにまた歩き出し、家路に着く。
散歩は花鳥風(月)、美しくて面白いものを見られてやばかった。
明日は(月)曜日。
とりあえず、散歩で補充されたので、また(月)曜から頑張ろう。
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