子どもの忘れ物と「恥」

こんにちは。今日は10月末、台風一過でかなり寒い日です。子どもの通う小学校は、衣替えも終わり、冬服のジャケット着用が必須となりました。しかし今朝、私はジャケット無しの息子を学校に送り出しました。

寒そうに肩をすくめながら、それでも胸を張って登校する6歳の息子。
きっと、先生や友達に、ジャケットのことを言われるでしょう。
恥ずかしい思いをするでしょう。
寒いでしょう。風邪をひくかもしれません。

それでも、私はそのまま登校させました。

―――――

こうなったのには理由があります。
金曜、学校から祖父母宅に直行した息子。
私服で帰ってきましたが、制服の内シャツ、ズボンのみ持ち帰っていて、ジャケットを忘れてきていました。
私がそのことに気づいたのは今朝。
ジャケットがないことを指摘すると、息子は泣きそうになりながら探していました。
「絶対着て行かないとダメなのに。先生に怒られる」
私は迷いました。
祖父母宅に取りに行くか、そのまま行かせるか。
タイムリミットは迫っていました。でも、ギリギリ取りに行っても間に合う時間。
子どもが恥ずかしい思いをしないよう、フォローするのが親の役目だと思いました。
しかし同時に、いつまでもフォローをしていては成長しないとも思いました。
決断は一瞬です。
そのまま行くように言うと、子どもは泣きそうな顔で私を見ました。
さらに促すと、しょんぼりおどおどと、周りを気にしながら家を出ました。

―――――

子どもの様子を見て、このまま行かせてはいけないと思った私は、その後を追いかけました。
学校の手前で追いつくと、子どもを捕まえて話をしました。
私「学校に行くの、恥ずかしい?」
子「うん」
私「どうして恥ずかしい? 
確かに、少し恥ずかしいことだけど。でも、泣きたくなるほど恥ずかしいことじゃない。
こうなったのは、あなたが制服をおばあちゃんの家に忘れてきたからでしょう?
いい? 6歳の子どもが忘れ物をすることは、当たり前のこと。忘れ物をしたのは、もう、仕方がないこと。
だから、胸を張って学校に行きなさい。学校に行って、『僕は忘れ物をした。だから今日はこの格好でいる』って言いなさい」
私の言いたいことが、全部伝わったかどうか分かりません。
しかし、子どもは胸を張り、顔をあげて校門に入って行きました。

そう、
私は子どもに、必要以上の恥ずかしさを感じてほしくなかった。忘れ物をすることは恥ずかしいことかもしれないけれど、人に後ろ指を指されたり、笑われたりするほどのことではないと思った。
忘れ物をしたことも、全部含めてありのままの自分なのだと、胸を張って欲しかった。

子どもには酷だったかもしれません。
せめてカイロを持たせるのだったと、後悔もしています。

私の判断が、良い方に働いてくれるかどうか分かりません。
子どもを潰してしまうかもしれない。

これで良かったのか。
こうやって悩んでいることも全部含めて、私自身が、ありのままの自分だと胸を張ることが、子どものためにできる一番のことだと信じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?