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雑記_少なくともこの記事は面白くないよ

 みなさんは休み時間に小説を読んでいて、「その本おもしろいの?」と聞かれたことはあるだろうか。
 
 中学生の少年は、なんの面白みもない、ひねくれ日陰者だったので「読んだらわかるよ」とか、「面白くもないのに読んでたらバカだろ」とかそんなことを言っていたような気がする。きっと小学生の頃にバーティーミアス3作を机の横にぶら下げていたのをバカにされたのがよほど効いたのだろう。かわいそうに。

 そういうわけでクラスで『断章のグリム』がオタク男子女子の中で流行っていたときも自分で「それ面白いの」ときけるはずもなく。めでたく『伝説の勇者の伝説』のライナ・リュートに憧れた、猫背中二病ひねくれぼっち男子が誕生したってわけ。

 そんなラノベを読み、名作とか話題作には逆張りが発動し、コミュニケーションを取らなかった少年は受験に失敗し、運動系の私立高校に入るという残念極まりないルートに入る。少年は唯一アイデンティティ足りうる趣味の読書をやめ、ニコニコ動画、アニメ、SSを読む量産オタクになる。いや、男女SSとかハルヒSSはめちゃくちゃおもしろかったけどね。キョン!!〇〇するわよ!!シリーズ、大好きだった……

 そんなわけで読書もろくすっぽせずカラオケにハマってアニソンを歌いまくって過ごした高校生活も受験失敗と東北大震災でワチャワチャしながら終わり、私学理系に進んだ青年はそれまでの人間関係をぶっちして一人暮らしを始めるわけです。

 ほんで大学生の一人暮らしでパソコン手に入れたらもう読書しないよね。近くに図書館あるわけでもない、理系だから小説の蔵書もしょぼいし。研究室入ったら無料で英語論文読み放題だからジャーナルはアホほど読みましたね。こいつ!!読む内容は多少高尚になったといえるかもしれんが、高校の時から横書きの文章しか読んでねぇぞ!!でも、謎に自分は読書家だ!!読書家としては紙の本が良いから電子書籍には手を出さないぞ!!とオタク主人公の上澄みだけ掬ったような薄味プライドが醸成されて行きました。

 大学後半でVにハマったのでそこはもう完全にYoutubeでVみて終わりましたね。大学のクリスマスツリー指さして「学費が光ってる!!」って言ってたお前!!照らすべきは深夜のモニターじゃなくて自分の将来だったな!!!ガハハ!!

 で、就職して電車の中でマンガ読んでたら、電子書籍で読んでも別に気にならんわ。全然紙の本にこだわりないわ!!ってことに気づいて、いつのまにか今年小説130冊読んでたってわけ。脈絡ないな……?人生に脈絡とか誰目線で必要なんだ……?

 小説ってマンガとかよりダイレクトに人生!!とか結婚!!とか親の死!!とかいじめ!!とか宗教!!とかを主題に置くのね。マンガとかも同じ主題の話はあるけど基本的にスカッと解決するのが王道な印象がある。あとはグロに走るとか。小説は解決するにしても200~400ページくらいかけて主題に対して主人公が足掻く、みたいな体感なのよ。

 考えてほしいんだけどそれまで刹那的な問題解決で気持ちよくなって、生きてたら誰でもぶち当たる人生の主題から逃げ続けてきた人間がそのカタルシスにぶつかって死なないわけないんよね。

 目を背ければ優しいインターネッツがあるから死なずに生きてるけど、これエコーチェンバー現象なかったら秒で病んでるくね?怖くね?胸、苦しくね?みたいな状態です。解決法、強くなるくらいしか方法が思い浮かばないのでがんばれ青年。

 生きてて楽しい?と訊かれたときに「楽しくなきゃ生きてねぇだろ」と胸を張りたいし、「生きてればわかるよ」って楽しそうに答えられるようになりたいね。


 おわり。


 

 

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