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有名ロックバンドのヴォーカリストを乗せて車を運転した話

日本人なら多分かなりの人が少なくとも名前くらいは知っていると思われる超有名なロックバンドのヴォーカリストだった人を、私は車に乗せたことがあります。もう10年以上前の話。そのバンドはすでに解散したあと。
と言っても当時私はそのバンドに何の興味もなく、至近距離で彼をみても、当該バンドのヴォーカリストかどうかすら分からなかった。

私は音楽活動をしているわけでも、芸能活動をしているわけでもなく、本当に偶然仕事がらみでの出来事でした。


私の勤め先の最寄り駅にそのヴォーカリストご本人とマネージャーの方が来ることになり、私は車で駅まで迎えに行きました。

そして二人を車に乗せ、走り始めると同時に、二人してバッグから電気カミソリを取り出し、後部座席でジー、ジョリーンとひげをそり始めるではありませんか。バックミラーで確認すると、見事に二人してひげを剃っている。
私は彼らにひとこと話しかけたのですが、まともな返事は返ってこず、私の勤め先に到着するまでの7,8分ほぼ3人して無言でした。

おいおい、日本の名だたるバンドのメンバーだった人がこんな無礼なのかよ!と私は思ったのですが、そのバンド好きでも何でもないし、ドラマーに至っては大嫌いだしまぁいいんですけどね。
(でもギタリストは好きだ、バンド解散してソロになってから彼の書いたとってもカッコいい曲がある。でも彼はもうこの世にはいない。彼を車に乗せたかった。あ、どのバンドかバレそうw)

で、私の勤め先でちょっと歌たってくれたのですが、MCが車の中での態度とは打って変わって、ドラマティックじゃないですか!
こんなトークできるのに車の中のあの態度はいったいなんだったんだ、と私は腹立たしく思いながら彼のMCを聞いていました。

そして一通り出し物(なんと言えばいいのか、パフォーマンス?)が終わって、私はまた彼ら二人を車の後部座席に乗せ駅まで送りました。

私は迎えの時に不愉快な思いをしたので、こちらからは一切話しかけず、彼らからも何の言葉もなし。

また無言のままの10分弱。

さすがに別れ際のお礼と挨拶はしましたが、ホントに不愉快な思い出。

ロックってそもそもの発祥の経緯に反社会性というのを背負ってたとは思いますけど、そんなの大昔の話。
それに反社会的であるのと無礼であるのとはちょっと違うんじゃないの?
ステージ下りても傍若無人なのが通用したのは20世紀まででしょ?

ステージ下りたら”一人の人”なんだから、そこはね、やっぱり礼節をわきまえてもらわないと。


ただのしがない送り迎えの運転手に向かって失礼な態度して、それでいて立派なMCしてどういうヤツかと思いました。

最後に言ってあげればよかった。
「もう来ないでくださいね」って。

いやそんなこと言わなくてももう来ませんでしたけど。



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