遠い眠さの果て

夜更かしした次の日ほど、頑張って早起きしようと思う。でも、できない。大体いつもそうだ。夜更かしした次の日は大体休日なのだから、早起きなんかしなくてもいいのに、誰に言われるでもなく自分がだらしない人間だと言われそうな気がして、だから、早い時間に目覚ましをかけたりしてみるのだった。でも、起きれたとしても起きれなかったとしても、やっぱり眠いので、昼寝をする。昼寝をしても、目の疲れはとれないが、それでも昼寝をする。そもそも、夜更かしすると日付を越えるので、次の日っていうか、その日だね。

今日も昼寝をしたのだけど、そういえば高校の同級生が「胸の上で手を組んで寝ると絶対に怖い夢を見るんだ!」と訴えていたのを思い出しつつ、胸の上でなく腹の上で手を組んで眠ってみた。別に、怖い夢は見なかったし、眠りは浅く、たまに、カーテンが風でゆれるおとに目を覚ましていた。うつらうつらと眠っていた。そういうとき、ああ、私は今たったのひとりぽっちなんだなと思う。

土曜日の昼間、住宅街からは何の音もしない。誰も住んでいない。誰もいないなんてこと、ありえないのに、隣の、数十センチ先の家の生活音は何もしない。仕事か、旅行か、冠婚葬祭か、誰もが自分の人生を歩んでいる間、私は滞った土曜日の昼間に沈んでいく。静かに、さようならも言わないで。

金魚が死んでしまったので、メダカに餌をあげよう。昼寝から戻ってきた私は、そればっかりが気になってちょっと笑えてきた。