「早く成功したい」と思わない
「自分と他人を比べないで」と言われても
誰だって一度ならず、いえ、百度くらいあると思うのです。
SNS上のカラフルに彩られた人生を生きている人たちを見ては、自分の人生が無彩色でつまらないものに思えてしまった経験が。
20代、あるいはもっと若くして人気と影響力とお金を手にして、”充実”という言葉がぴったりの日々を送る人たちが、わんさか目に入ってくる時代です。
「早くなにかしらで成功しなければ」
「もう〇〇歳になるっていうのにいつまでくすぶってるんだろう……」、
そんな焦りに駆られている人も多いと思います。
焦りがあるならまだいい方で、もはや焦りを通り越してSNS画面を開いたスマホ片手に無力感を感じている人だって少なくないのでは。
そしてそういう状態の人への処方箋としてよく差し出されるのは、「自分と人を比べないことだよ」という言葉。
でもきっと人と自分を比べないほうがいいなんてことは重々承知のうえで、それでも比較してしまう、だからなんだかもやもやする、のだと思います。
今よりお給料が増えたら、
昇進したら、
結婚したら、
子どもができたら、
フォロワーが増えたら、
ある分野でそれなりに成功したら、幸せになれる。
何かを手にしたり、いまより上のステージに行ったりすれば、いま抱えている問題から解放されて幸せになれる、
私たちはそう信じています。
だけど師匠は言います。
「成功を焦る人って、不思議なんだよね。『次の問題』を早くほしいの?ってさ」と。
早く成功したい人は早く次の問題が欲しい人
そう、なにを手に入れようが、成功しようが、そこで私たちは新たな「問題」にどうせ出会うのです。
大金を持ったなら、周りの友人知人、会ったこともない遠い親戚までもが「お金を貸して」と列をなすかもしれないし、国税から目をつけられるかもしれない。
昇進したら、いまとはまた別のプレッシャーに胃を痛める毎日が待っているかもしれない。
結婚したって、そのパートナーとうまくいかず「こんなはずじゃなかった」と涙する未来が待っていないとも限らない。
結局どのステージでも、問題はくるのです。
成功を収めたと思っても、すべての悩みから解放されるかといったら、それは幻想。
どのステージに行ったとしても、問題がゼロになることなんてなく、かならずそのステージなりの問題に直面することになるというのが、事実です。
そしてこの事実に対する、考えられうる中でもっとも素敵な対処法があるとするならば。
それは「問題を乗り越えることを楽しむ自分になること」……
問題をゼロにすることはぜったいにできない。
それならば問題を乗り越えること自体を楽しむ。
「成功」というよくわからないものを目指すのではなくて、「問題を乗り越えることを楽しむ自分になること」を目指す、そんなふうに考えを変えてみたらどうでしょう?
成功している人と自分を比べては焦りや無力感を抱えている人への、いますぐ幸せを感じられるこれは魅力的な、そして本質的な処方箋だと、私も思います。
さて「成功」というワードを何度か用いましたが、この言葉も見直しが必要な言葉、かもしれません。
(こちらの記事につづく)
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