「あーあ参ったよ」
課長に呼ばれていた虎山とらやま剛は席に帰って開口一番猿渡さるわたり涼子にそうぼやいた。

「どうしたの」
「朝に言われた仕事、まだかって文句言われた」
「まだだったの？」
「なるべく早くとは言われたけど時間を指定されたわけじゃないしさ」
「上司が言う『なるべく早く』は全速よ。象田ぞうた課長と何年仕事してんのよ」
「そりゃそうだけど……　急ぐならはっきり言えよな」

「でも、剛のいう事も正論よね。気を遣うにしても伝わるように部下に指示するべきよね」
涼子はそう言って剛をフォローする。
「例えばさ、ちょっと早めを頼むときは『なるべくダチョウで頼む』とか」
「おお、面白いな、それ。で、午前中厳守のときは『なるべくニワトリで頼む』とか」
「超特急のときはピューマとか」
まるで『なるべく動物園』だと二人は笑った。

「ま、剛もあのときはピューマみたいにあっという間だけどね」
剛はあっと言う顔をして涼子を睨み『今夜覚えてろよ』と言った。

完410（ルビ含まず）

A.S.A.P　　工藤静香　石橋貴明　（Little Kiss）
懐かしい曲です。カラオケで十八番だった方も多いのではないでしょうか？
今聴いてもカッコいいなあ。
A.S.A.P　as soon as possible　よく使いました。

たらはかにさんの毎週ショートショートの企画、今週のお題「なるべく動物園」に参加させていただきました。
お題の意図とは離れました。動物園でいっぱい他の方と被ると思ったので。このお題で大人向けに書けるのは私だけであろう。はーはっはっは！！
え？　復帰早々、節操がない？　いつもやん！　気にせんときね～

「坊ちゃん文学賞」応募しました！　参加することだけは諸先輩方と肩をならべたった。は―はっはっは！！

いつか実を結べばいいなあ～　あ、生きてるうちにね。頼むでしかし～～