見出し画像

【アリージャンス】感想〜日本人なら絶対見たい!悲しみと幸せのミュージカル〜

3/19昼公演、アリージャンス観劇しました。

アリージャンスは、3、4年ほど前に日本の映画館でも上演された時に観ていて、
かなりはじめの方から、終わりまで終始涙が止まらず、レア・サロンガの歌う「Higher」が大好きでその後もずっと聴いていました。
その時から、個人的大好きな&日本でやってほしい(内容的にも)ミュージカルNo.1でした。
日本でも絶対やるだろうなあと思っていたけど、ついに発表された時は、ガウチさんのフランキーの似合い具合に発狂しました。笑 濱めぐさん、海宝くんと豪華かつピッタリな配役で絶対見に行こう〜〜!と思っていたミュージカルでした。

画像1

ナイスキャスティング〜〜!

前置きがだいぶ長くなりましたが、
ブロードウェイでも珍しく、アジア人、とりわけ日系アメリカ人のお話で、日本人なら一度は見るべき!ミュージカルだと思います。

(5/22 にWOWOWで放送があるらしい!劇場で観られなかった方はぜひ!!!!)

あまり日本の学校の授業では、取り上げられることのない、太平洋戦争中に、アメリカに渡っていた日本人たち。
ただそのタイミングに、アメリカに住んでいたというだけで、ある日急に敵意と軽蔑を向けられる。それがどんなに惨めで、恐ろしいことか、私には想像することしかできないけれど、それだけで胸が張り裂けそうになります。
(アリージャンスのような、太平洋戦争中の日系アメリカ人の経験した戦争の苦しさも少しずつ注目されてきている気がします。大学時代、アメリカに1年間留学していたのですが、その時にも勉強したのですが、最近は、ドラマなど国内外問わずこのテーマの題材をちょくちょく見かけるような!)


「戦争のもたらす運命の残酷さ、悲しみ、その中の小さな希望」


このミュージカルで私が一番好きなのは、やはりストーリー。

太平洋戦争が始まり、アメリカで敵である日本から来た日系人たちの置かれる状況の雲行きはどんどん怪しくなっていく。住んでいた家を追い出され、環境の悪い収容所へ連れていかれる。それだけでもどうしようもなく酷いのに、ルーツのある日本か、住んでいる国アメリカへのどちらかへのアリージャンス、忠誠を誓わなければいけない。その違いから同じ日系人コミュニティ内でも、対立は深まっていく。さらには家族まで…誰も悪くない、でもどうしたらいいかわからない。まさに運命に、時代に、翻弄されていくよう。

時代に翻弄され、家族がバラバラになっていく様子が辛くて辛くて、何度も泣いてしまいました。特に、お父さんが連れていかれてしまうシーン。
収容所で、日本に忠誠を誓ったお父さんが米軍に連行され、次会えるかもわからない。その時のケイの気持ちを考えるだけで、私の中では、とても辛いシーンの一つです。自分だったら、どうしよう。そう考えるだけで恐ろしくて仕方ない。


それでも、この作品の素敵なところは、すこーしずつ、すこーしずつ希望を描いてくれるところ。
ケイがフランキーと見つける愛、そして初見の時「えええええそうだったのか!!!!!爆泣」となったエンディング(これはもし観ていない方が読んでくださっていたら、ネタバレするの勿体無いので伏せます)。
悲しいシーンが多いけれど、少しの光が見えるたびこれも泣きそうになります。
悲しいけど、悲しくても、受け入れて強く生きていかなければならない。(GAMANという歌もありますね)
そうすれば光が見える。そんなストーリーがとても好きです。


他にも、暗いミュージカルと思われがちだけど、華やかなシーンも。

たくさんの短冊がかかった七夕の大きな笹と、1940年代頃の日系アメリカンの女の子たちの衣装、華やかな色で舞台に映えます〜!!

あと、ブロードウェイ版も見た身からすると、気になった点は、やはり言語。
海宝くん演じるサミーは、アメリカ生まれアメリカ育ち、普段は英語を喋っていて、一応日本語もわかる、という設定のはずだけれど、
英語で行われているはずの会話ももちろん全編基本的に日本語で、でも米軍側が英語を喋るため、もしかしてそんなに考えずに観ていると、どこまでが英語で、どこまでが日本語なのか意識向かない部分ではありそう。
彼は見た目だけは日本人だけど、心も言葉も考え方もアメリカ人なんだぜ!というのがストーリーの肝であるから、サミーが日本語ペラペラなのでその「アメリカ人感」は少し薄くなってしまうのは仕方がないよねえ。

※余談:でもカバーするほどにすごく良かったのはやはり訳詞で、訳詞がすごくナチュラルで、すごい〜!という話を友人としていて、高橋さん(アナ雪の訳詞の方)と知って、「あーね!」となりました


戦争を描いた舞台はいつ見ても、これが自分の身に起きたらどうしようという恐怖と、そう遠くない時代に生きた人たちがこの恐怖を経験しているという残酷さに、本当に胸が苦しくなりました。
それでも、少しずつでも、私たちのような若い世代が向き合って、決して二度と繰り返さないようにしなくてはいけないですね。


ちょうど3月末に、ミュージカル座の「ひめゆり」も観に行きました。また別の記事で書きたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?