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ラブコンテンツ番外編 『おっさんずラブ』を広告的に考えてみた。

今回は、事例ではなくちょっとした寄り道を。
今年流行語でもノミネートされた『おっさんずラブ』を、広告的視点で紐解いてみたいと思います。

おっさんずラブが話題になった理由として、
広告的に考えると以下の3つの要因があると考えられます。

1.メディアとしての新しさ
2.ラブストーリーとしてのわかりやすさ
3.タイトルの伝わりやすさ

1.メディアとしての新しさ

まずBLを扱った映像作品は根強いファンがいる狭く深いカテゴリ。
そういった映画はこれまでに数多くありますが、ただどこか「サブ」。
有名な映画の脇役だったり、上映館数が限られていたり、製作側がLGBTは
マイノリティーであることを意識して作ったように感じます。

『怒り』の妻夫木聡と綾野剛も話題になれど、やはりサブキャラクター。

一方で『おっさんずラブ』はマイノリティーのBLを
地上波というメインストリームに落とし込むことでイノベーター層への
最初のひっかかりを作ることなりました。

広告的でいえば120秒のWEBCMをテレビCMで流すようなもの。
その設定そのものだけで最初に一定のPRができるのです。

2.ラブストーリーとしてのわかりやすさ

メインストリームとして地上波で流す上で『おっさんずラブ』の
優れた点はBLではなく「王道のラブコメ」として描いたことで、「わかりやすさ」を獲得し、一般の恋愛ドラマ好きに間口を広げたのです。つまり『おっさんずラブ』はある種の「王道ラブコメパロディ」といえます。

これはCMで何かしらのパロディを用いてわかりやすく、
予備知識がなくても理解できるようにすることと同じです。

3.タイトルの伝わりやすさ

広告論の中でキャッチコピーはよく、短いほうがよいといわれます。
これは伝わりやすさと広がりやすさに起因するためです。

結果にコミットする。や、そうだ、京都行こう。も短くてわかりやすい。

『おっさんずラブ』は内容を端的に表しつつ、わかりやすく、
そして広がりやすいキャッチーさを内包したすばらしいコピーなのです。

この上記の3つの要因をもって『おっさんずラブ』は、
2018年を代表するラブコンテンツとなりました。

この考え方は広告や映像コンテンツに限らず、
たとえば店舗やサービスなどあらゆるものに当てはまるので、
参考にしてみてください。